私ってこんな顔だっけ?
ZoomやSkype、Google Meetなどなど、オンライン会議やオンライン〇〇が増えたせいで、「ビデオ通話の画面に映る自分の顔がなんかおかしい…」という声を良くお聞きするようになりました。
もちろんこれは「Zoom」が悪いわけではなく、ビデオ通話全般のお話です。
今やビデオ通話は、就職の面接や授業、飲み会、デートやお見合いまで、とにかくいろんな用途で使われるようになり、単に「映っていればOK」という訳にもいかなくなりつつあります。
コミュニケーションでは「第一印象」がとても大事ですが、メイクや髪型、服装などに合わせ、オンライン〇〇では「映る画面の第一印象」がプラスされます。
今回は「映る顔が変…」とお悩みの皆さんに、まずはそのカタチを整えて、さらに、映りの第一印象をアップさせるテクニックをいくつかご紹介していきたいと思います。
WEBカメラの映りが悪いのは、スペックの問題だけじゃない
オンライン〇〇に参加するときは、ノートPCの内蔵カメラを使うのが一番お手軽で、画素数や解像度などもビデオ通話に十分なスペックです。
ただ、この自撮り専用の内蔵カメラですが、自撮りにはいまいちなポイントが二つあります。
カメラと自分との距離が「近くなりすぎ(4~50cm位)」てしまうこと。
カメラが下から見上げるような角度になりやすいこと。
この「近くから + 下から」が、皆さんの顔を歪ませる大きな原因で、結果、「顔が違う、ブサイク」という納得のいかない映りに繋がります。
広角レンズ + 近づく = 歪む
オンライン会議では「証明写真」のような感じに映すのが一般的ですが、例えば写真屋さんで証明写真を撮ってもらうとき、顔の4〜50cm前までカメラが来ることはないはずです。
つまり、「Zoom 顔が違う ブサイク」を解決する大事なコツは、「もっとカメラを離して撮る」ことです。
望遠レンズ + 離れる = 歪まない
広角レンズでも離れて撮れば歪みませんが、映る自分が小さくなってしまいます。
ただ「離して撮る」ためには、カメラを別に用意する必要があります。
お持ちの方は、せっかくなので「一眼カメラ」がオススメですが、「スマホのカメラ」でも大丈夫です。
3倍離して3倍ズーム、カメラはなるべく水平に
カメラをパソコンに繋げたら、今より「3倍位」離して撮ってみましょう。
もし今「4〜50cm」の距離で撮っているなら、グーっと3倍、「150cm位」まで離します。
カメラを遠くに置けば、当然、映る自分は小さくなりますので、カメラで「3倍ズームアップ」して大きくします。
そして、繋げたカメラは「なるべく真っ直ぐ水平」に自分に向けることも大切です。
3倍離して3倍ズーム、カメラはなるべく真っ直ぐ水平に
とても簡単ですが、実際にやってみると映りはこんな感じに変わります。
3倍離して3倍ズーム
いつもの距離で1倍
一眼カメラ
ノートPCのカメラ
「映っているのは確かに自分だけど、なんか顔が違う…」
皆さんが普段感じる通り、右側のノートPCのカメラに映る顔は、左側の一眼カメラの映りと比べると歪んでいて、なんとなく違う顔に見えます。
この「歪み」が気になりすぎて、精神的に重く悩んでしまうZoom異型症という症状まであるようですが…
ノートPCの内蔵カメラで、「近くから + 下から」撮れば、誰でも顔が変形します。
これはもう宿命みたいなものなので、「しょうがない」と割り切ってそのまま映るか、「私は嫌だ」と抗うなら「3倍離して3倍ズーム」をお試しください。
カメラが遠くにあるので、「今撮られている」というプレッシャーも少し軽減すると思います。
部屋の広さなどの制約もありますので、「2倍離して2倍ズーム」でもOKですが、とりあえず最初は「3倍位」しっかり離してみると、映りの違いが良くわかると思います。
では、パソコンとの接続や設定などを続けていきます。
「その辺は大丈夫!」という方は、早速お試しいただけたらと思います。
パソコンとカメラを離して 繋げる
パソコンとカメラを繋ぐ方法はいろいろあります。
一眼カメラなら、
HDMIケーブルで撮影画面をそのまま送る方法
メーカーのソフトを使う方法
スマホのカメラなら、
WEBカメラ化アプリを使う方法
などが、一般的だと思います。
ちなみに、Zoomで「一眼カメラ」と「スマホのカメラ」を同時に映してみるとこんな感じです。
3倍離して3倍ズーム
スマホのカメラ
一眼カメラ
写真や動画を撮ってそのまま見比べればもちろん差が分かりますが、ビデオ通話ソフト上では会話が遅延しないように画質を落として送受信されるので、スマホのカメラでも問題ありません。
ちなみに、今回使用しているカメラはSONYのα6100、スマホはGoogleのPixel4 XLです。
カメラ、スマホはメーカーや機種毎、また各OSごとに細かい仕様の違いがありますので、今回ご紹介する方法で上手く繋がらないケースもあるかもしれませんが、ご自分の使用環境に合わせてカスタマイズしていただければと思います。
また、アプリのインストール等は自己責任でお願いします。
一眼カメラを繋ぐ場合
※ スマホのカメラを繋ぐ場合はこちらです。
「一眼カメラ」を使うメリットは、ズームして撮っても画質が落ちない「レンズの力(光学ズーム、単焦点レンズ)」がまず大きいです。
さらに、少ないノイズとボケ感(センサーの大きさ)、それから「映りの色や味」を自分好みに作り込める自由さなど、ここは俺に任せろ的な頼もしさがあるのは間違いありません。
① HDMIケーブルで繋ぐ
パソコンへは「HDMIケーブル」と「HDMI キャプチャーボード」で繋ぐと簡単で、この方法なら数年前のカメラでも繋げられるはずです。
ちなみに僕は、こんな感じに繋いでいます。
ケーブルの長さは、ギリギリで宙に浮くよりも、少し余裕を持たせた方が安心です。
150cm位離すなら、倍の「3m位」は欲しいところです。
また、ケーブルに足を引っ掛けたとき、カメラが倒れたりパソコンにダメージがいかないように、まず先に抜けて欲しい所(青い矢印)を作っておくと安心です。
それから「カメラの端子部分」はかなり脆いので、こんな感じにしています。
プレゼンの際中などにカメラの周りをウロウロすると、この部分に良く足が引っかかり、過去2回ほど端子をダメにしてしまいました。
それからは「L字コネクター」を付けて、ケーブルを三脚に沿わせるようにしています。
↑ L字の「左右の向き」にご注意ください
カメラとパソコンを繋いだら、ビデオ通話ソフトのカメラ選択画面から「USB Video」を選びましょう。
Zoomの場合
それから「画面は出たけど、バッテリー残量などの情報も表示されている」という場合は、「情報表示を消す」という設定を追加します。(HDMIパススルー、HDMIクリーン出力などの設定)
ソニーの場合
「HDMI設定」→「HDMI情報表示」→「あり」を「なし」に
すると、すっきりクリーンな画面になります。(設定情報はカメラ側だけに表示されます)
📞 メーカーのサポートに聞いてみましょう
〇〇を使っていますが、HDMIで出力した画面の「情報表示を消す」設定を教えてください
離れたカメラをどう操作するか?
カメラを離して置いているので、「もう少し明るくしたい」とか「ちょっと電動ズームの倍率を変えたい」と思っても手が届きません。
かと言って、いちいちカメラまで行って直すのも結構面倒です。
そんなときに、できると便利なのが「リモート操作」で、カメラメーカーのスマホのアプリなどでできます。
ソニーの場合ですと「Imaging Edge Mobile」というアプリがあります。
アプリを入れたスマホを手元に置いておけば、ミーティング中でもパソコンの前に座ったまま細かい調整ができます。
最初にズームや明るさなどを決めたら、後で直すことはあまりないかも知れませんが、できると結構便利なのでオススメです。
カメラの撮影設定
実際に「撮る」わけではなく、モニターに映っている映像をパソコンに送るだけなので、撮影モードは何でも良さそうですが、僕のカメラだと「動画モード」が一番良さそうでした。
「ISO感度」や「ホワイトバランス」はオートで大丈夫ですが、明るさは「露出補正」でしっかり整えましょう。
それから、大事な「オートフォーカス」の設定は、「コンティニュアス(AF-Cなど)」に設定して、「顔認識」も有効にしておきましょう。
通常、カメラはシャッターボタンを押さないと「オートフォーカス」が動きませんが、このように設定した後で「動画モード」にすると、後はカメラが勝手に「顔を探して」ピントを合わせ続けてくれます。
それでも動かない場合は「フルタイムAF」などの機能をONにすれば大丈夫だと思います。
「せっかく一眼カメラを繋げてるんだし、もっと何かおいしい 設定はないの?」
という方には、「コントラストとシャープネスの調整」と「暗い部分を明るくする」の2つをオススメします。
パソコンの内蔵カメラやWEBカメラは、元々コントラストが強めなので、顔の影や、髪の毛などの暗い(黒い)部分が、真っ黒に潰れてしまいがちです。
この2つは「なるべく黒を潰れにくくするため」の設定で、なんというか、少し上品で優しい感じの映りになります。
会議の参加者一覧画面に並んだときでも、ぱっと見で印象が違うので、「この人の映りなんか違う、キレイ」と気づいてもらえるはずです。
◎ コントラストとシャープネスの調整
ソニーの場合 「クリエイティブスタイル」から「スタンダード」を選んで → 「コントラスト」を-3「シャープネス」を+3に
◎ 暗い部分を明るくする
ソニーの場合 「DRO/オートHDR」から「Dレンジオプティマイザー」をLv5に
どのメーカーのカメラも同じような設定があるはずです。
※ 会議が終わったら、2つの設定は元に戻しておきましょう。
② カメラメーカー各社の「WEBカメラ化ソフト」経由で繋ぐ
コロナ禍でオンライン会議の需要が増えたのに合わせ、カメラメーカー各社は、自社のカメラをUSBケーブル1本だけで「WEBカメラ化」できるソフトをリリースしてくれています。
ダウンロードや使い方の詳細は、各メーカーのホームページでご確認ください。
ソニー Imaging Edge Webcam
キヤノン EOS Webcam Utility
オリンパス OM Webcam Beta
パナソニック LUMIX Webcam Software
フジフィルム FUJIFILM X Webcam
どのメーカーも使い方は大体同じと思いますが、例えば、ソニーの「Imaging Edge Webcam」の場合、パソコンとカメラを「USBケーブル」で繋いでからビデオ通話ソフトを開き、カメラ選択画面で「Sony Camra (Imaging Edge)」に切り替えればOKです。
ただ、対応機種が「比較的新しめのカメラ」に限られていたりするので、お持ちのカメラが使えるかどうかは上記のリンク先でご確認ください。
また、今のところ、これらの「WEBカメラ化ソフト」でリモート操作が出来るのは、「フジフィルムのX Webcam」だけと、何かの記事で読みました。
USBケーブル1本だけあればOKというメリットはすごく有難いですが…
少し古いカメラは非対応だし、リモート操作も出来ないしということで、僕はこれまで通り「HDMIキャプチャーボード」経由で繋いで使っています。
スマホの3倍、カメラなら?倍
「スマホはズームすると2xや3x と表示されるから分かるけど、カメラだとどうすればいいの?」と思われるかもしれません。
すごく簡単にご紹介すると…
一眼カメラを「レンズとセット」で買った方は、おそらく「標準ズームレンズ」をお持ちだと思いますが、このレンズが各メーカーで揃って「3倍位のズームレンズ」のはずです。
なので、セットの標準ズームレンズの一番望遠側 で撮ればOKです。
42mm÷14mm
= 3倍のズームレンズ
42mm側で撮る
オリンパス|Micro4/3
50mm÷16mm
= 約3倍のズームレンズ
50mm側で撮る
ソニー|APS-C
「同じ3倍で撮るのにオリンパスは42mm、ソニーは50mm、なんで違うの?」と不思議に思われた方は、↓のボタンでさらに詳しく
スマホのカメラの◯倍と、一眼カメラのレンズの〇〇mmを合わせるとこんな感じになります。
スマホの1倍 →「広角レンズ」
カメラなら約26mm
スマホの2倍 →「標準レンズ」
カメラなら約50mm(26の2倍)
スマホの3倍 →「中望遠レンズ」
カメラなら約80mm(26の3倍)
「〇〇mm」という数字は「焦点距離」といい、レンズの話をするときに必ず出てくる数字です。
今回は「証明写真」っぽく撮りたいので、「80mm位(中望遠)」を使うと良い感じにキレイに撮れます。(ポートレートの撮影にも良く使われます)
「OK!カメラなら80mmで撮れば良いわけね!」
と、思われるかもしれませんが、この「〇〇mm」というのは(フルサイズのカメラで撮るときは)という括弧が付きます。
フルサイズをお使いの方は「OK、80mmね!」で大丈夫ですが、フルサイズより「センサーサイズの小さいカメラ」をお使いの方は、下の計算を追加する必要があります。
フォーサーズ(オリンパス・パナソニック)をお使いなら、さらに ÷2
APSC(ソニー・ニコン)をお使いなら、さらに ÷1.5
APSC(キヤノン)をお使いなら、さらに ÷1.6
つまり、
ソニーのAPSCカメラをお使いなら…
スマホの3倍 =(フルサイズなら)約80mm
80mm ÷1.5 →約50mmで撮る
オリンパスのカメラをお使いなら…
スマホの3倍 =(フルサイズなら)約80mm
80mm ÷2 →約40mmで撮る
ということになります。
それぞれの「〇〇mm」が違っても、どちらもフルサイズだったら同じ「約80mm相当」になるので、写る感じ(範囲)もほぼ同じということです。
慣れたら何ともないお話ですが、最初はややこしいと思います…
ちなみに「1倍が広角」と決まっているわけではありません。
例えば、カメラで「50mm~200mm(フルサイズ換算)」というズームレンズがあったら、それは、4倍(200÷50)の望遠ズームレンズと呼ばれ、このレンズの1倍は50mmですから「標準」ということになります。
スマホの1倍が、たまたま全ての機種で「広角」なだけです。
スマホのカメラを繋ぐ場合
最近のスマホのカメラは、本当に写真がキレイに撮れます。
ただ、今回は「ズームアップ」して撮るという、スマホが一番苦手とする撮り方をしますが、ビデオ会議に最高画質は要らないので、3倍位までならなんとか大丈夫だと思います。
スマホを繋ぐ場合、一眼カメラと同じように「HDMIスルー機能」があれば、直接ケーブルで繋げられますが、それが可能なスマホは限られていますので、基本的には「WEBカメラ化アプリ」を使って繋ぐことになります。
良さげなアプリがいくつもありますが、僕が使っているのは「Iriun 4K Webcam for PC and Mac」で、iPhoneもAndroidも、WindowsもMacも、どの組み合わせでも(一応)繋げられます。
スマホ側アプリ
パソコン側ソフト
Iriun Webcam
スマホ側、パソコン側でそれぞれアプリを立ち上げた状態で、「WiFi(同じSSIDのネットワーク)」に入るか、「USBケーブル」で繋ぐと自動で認識されます。
あとは、ビデオ通話ソフトを開いて、カメラを「Iriun Webcam」に切り替えましょう。
アプリは無料で使えますが、有料版にアップデートすると「リモート操作」ができるようになります。
明るさやズームの倍率など、パソコンの前に座ったままカメラの操作が可能です。
さらに、Windows版だと解像度も選択できますが、ここは「Automatic」がオススメです。
パソコンの性能に大きく依存するところですが、高解像度に固定してしまうと「自分の画面で見る自分は高解像度」だけど「相手の画面に映る自分は低解像度でカクカクしている」ということが良く起こります。
ビデオ会議と言っても、ただ動く画面で会話するだけではなく、PDFや動画の資料を見たり、Excelで作業したり、他の画面を共有したりなど、同時に作業することも増えました。
解像度を「Automatic」にしておくと、パソコンに様々な負荷が掛かったときでも、とにかく通話を途切れさせないようにと、ZoomとIriun Webcamとで上手く解像度を調整し合ってくれます。
ちなみに、通話中はパソコン側の「Iriun Webcam」の画面を閉じる(最小化ではなく)とバックグラウンド起動になり、かなり負荷が減ります。
Mac版は解像度が「Automatic」に固定されて他を選べないようです。
また、これは僕の環境だけかもしれませんが、Windows版と同じ「Automatic」でも、なんとなく画質が悪い気がしますので、気になる方は、Macと繋ぐときは一眼カメラを使うか、他のアプリを探した方がいいと思います。
「Windows+スマホのカメラ」の組み合わせなら、「Iriun Webcam」はかなりオススメです。
3倍離して3倍ズームは「背景が狭く写る」ので一石二鳥
3倍離して3倍ズーム
いつもの距離で1倍
一眼カメラ
ノートPCのカメラ
上に貼ったのと同じ動画ですが、背景に見える「黒い点」はゴミではありません。
これは、3倍離して3倍ズームで撮ったときに、背景の四隅をマークした「黒いテープ」ですが、右側の「いつもの距離で1倍」と見比べると、映る背景の広さが不思議なくらい違うのが分かると思います。
これが「わざと望遠で離れて撮って、背景を狭くする」という、写真上手な方がよく使う鉄板テクニックです。
背景をシンプルにすることでメインの被写体(皆さん)が引き立ちますし、オンライン会議で自宅を映すときは背景が狭い方が何かと助かるはずです。
背中を壁の近くにして座れば、部屋の片付けはほとんどしなくても大丈夫ですし、逆にその狭い範囲を見せる背景として、何かを飾ったりデザインするのも面白いです。
逆に、「もう少し背景を広く見せたい」という場合は、ズームの倍率を下げれば(2倍離して2倍ズーム)OKです。
他の「映りが悪い」はこんな原因です
顔のカタチはなんとかなったけど、まだ納得いかない。
続けて、皆さんがよく言われる「映りが悪い」の他の原因も探っていきましょう。
オンライン会議 顔が暗い
これもよく言われます。
ただ顔が暗く映っているだけなのに、なんとなく具合が悪そうに見えたり、その人の全体の印象まで悪く見えたりと、決してそのままにしておけない問題です。
ちなみに「顔が暗く写る」のは、部屋が暗いから(真っ暗は除く)ではありません。
逆光で撮るからでも、明るい色の服を着ているからでもありません。
「カメラが決めた明るさ」のまま撮っているからです。
カメラは「被写体の写る明るさ」を自動で決めてくれますが、もしその「明るさ」が気に入らなければ必ず自分で微調整する必要があります。
今回のようにカメラを繋げば、「露出補正」でしっかりと映る明るさを整えられます。
スマホのカメラを繋ぐ場合でも、上記の「Iriun Webcam」の有料版なら「露出補正」ができます。
わざわざカメラを繋ぐことは、大事な「顔の明るさ」を整えるという点でも大きなメリットがあります。
一応、パソコンの「内蔵カメラ」でも明るさは調整できます。
Windowsなら、標準の「カメラ」というアプリを使うか、「WebCam Setting」というフリーソフトをインストールすれば、明るさ以外の細かい設定も変えることができます。
Macの場合は、「Webカメラ設定 (Webcam Settings)」という有料アプリで操作できるようですが、僕は試していません。(スミマセン)
内蔵カメラだと離れて撮ることができませんが、「顔の暗さだけなんとかできれば良い」という方はお試しいただければと思います。
「明るさ」はビデオ通話ソフト側でも調整できます
全てのビデオ通話ソフトが「できる」というわけではありませんが、例えばZoomなら「低照度に対して調整」という機能が付いています。
設定から「ビデオ」を選択し「低照度に対して調整」にチェックを入れます。
調整は「自動」ではなく「手動」がオススメで、映る自分を見ながら「スライダーで調整」しましょう。
「低照度に対して調整」はとても優秀で、写真編集などでお馴染みの「シャドウ補正」のように、暗い部分だけを明るくできるありがたい機能です。
どうせなら「シャドウ〇〇」とかいう名前だったら分かりやすいと思いますが…
全体の明るさは「露出補正」で合わせつつ、暗い部分が気になったら「(Zoomなら)低照度に対して調整」で整える。
こんな、細かいコントロールも可能です。
「オンライン会議 顔色が悪い」
このキーワードもかなり検索されています。
原因は…
◎ 体調が良くない
◎ カメラの性能が良くない
◎ 光が良くない
このあたりが考えられます。
確かに、少し昔のパソコンの内蔵カメラは、色があまりキレイに映らなかったと思います。
画面に映った「自分の顔色」が悪いと思ったら、同時にスマホのカメラでも映してみて、色が悪くなければ、内蔵カメラのせいだと分かります。
この場合、内蔵カメラ側で「彩度やコントラスト」などを調整してもあまり改善しないはずですので、比較に使ったスマホのカメラをパソコンに繋いで撮ることをオススメします。
また、一眼カメラやスマホのカメラで映しても顔色が悪い場合、明らかに体調のせいでなければ、「光のせい」かもしれません。
これを説明するには「演色性」という言葉が必要です。
演色性(えんしょくせい)とは、ランプなど発光する道具・装置が、ある物体を照らしたときに、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質のこと。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つまり、演色性の良い光で撮ると「モノの色」がキレイに映り、演色性の良くない光で撮ると「モノの色」はあまりキレイに映らないということです。
光どうしの演色性は「平均演色評価数(Ra)」と言う数値で比べることができ、演色性の良い光の代表として「太陽光(Ra100)」が比較の対象に使われます。
ちなみに「写真撮影用のライト」は、Raが95〜100位と、演色性の高いライトが使われます。
プロの撮る写真がキレイなのは、良いカメラ機材や撮影技術もそうですが、まずはキレイな色で写る光を使っているということがあります。
一方「生活用のライト」は、Ra60〜80と低めで、演色性よりも「明るさ」や「省エネ」の方が重視される傾向があります。
演色性があまり良くない光は、特に赤や肌色がくすんで見え(映り)ます。
トマトジュースの「赤」を、いつ換えたか忘れた台所の蛍光灯と、写真用のLEDライトとで撮り比べてみました。
撮影設定は2枚とも「オート(明るさ以外)」のままです。
かなり違いませんか?
クックパッドの「つくれぽ」で「色がキレイに写らない、不味そう…」と、設定を変えたり、カメラやレンズを買い替えたりとお悩みだった方が、「ライトを替えたらスッキリ解決」というのも良く聞くお話です。
「顔色が悪いのは、どうやら光のせいかも」と思ったら…
自然光で撮ってみる
違う部屋のライトで撮ってみる
演色性の良いライトに交換してみる
という様に、今のライトで撮らないというのが、手取り早い解決法です。
自治体の後押しなどもあり急速に普及したLEDライトは、少し前は演色性が良くないものが多くありましたが、技術が進み「Ra80以上、赤もまぁまぁキレイ」なものも増えてきました。
さらに「色をキレイに写したい」という要望も増えたせいか、Ra90を超える一般家庭用の高演色LEDシーリングライトもちらほら登場しています。
もし高演色のライトを選ぶときは、「Raの数値の高さ」と「赤や肌色がキレイ」というアピールポイントをチェックすると良いと思います。(Raの数値は高いけど、赤の発色は普通というライトもあります)
キレイな色で写る光で撮れば、スマホでパチっと撮ってもキレイで、それこそ本当に「映え」ます。
「映りの第一印象」を決める、一番大事な「光の向き」
最後は「光の向き」についてです。
窓から入る自然光で撮るときも、部屋のライトで撮るときも、「光の向き」を少し意識するだけで、映りの印象は大きく変わります。
キレイに映りたかたら、キレイな光で
かっこよく映りたかったら、かっこいい光で
おしゃれに映りたかったら、おしゃれな光で
普通の光で撮れば、普通の映りになってしまいます。
3秒で決まると言われる映りの第一印象をさらにアップさせるために、「光」を上手に使いましょう。
自然光で撮るなら
自然光は¥0で使えるありがたい光です。
映る印象はナチュラルで、肌の色も自然にキレイに映りますから、できれば自然光で撮ってしまいたいところです。
オンライン会議の自撮りは「証明写真」のような感じにするのが一般的なので、まずは「光を前側から浴びて映る」のがオススメです。
窓を真正面にして座れば、「順光(真正面からの光)」になります。
順光は「はっきり・クッキリ・鮮やか」と言う印象で映ります。
ただこれだと、運転免許証の写真みたいに「のっぺり」とした感じになりがちです。
そこで、窓から左右どちらかに少しずれて座ると、「斜光(斜め前からの光)」になります。
斜光で撮ると「自然な立体感」が出せます。
顔が少しシャープに映るので、特に男性には「おいしい光」ではないでしょうか。
直射日光が当たると強い影が出ますので、日陰の場所の方が撮りやすいと思います。
次に、今度は窓を背にして座ると、「逆光(後ろからの光)」になります。
ただ、自分の真後ろを窓にしてしまうと…
顔が真っ暗になるか、「露出補正」で顔を明るくした結果、後ろの窓が真っ白に飛んでしまったりします。
「逆光はダメだ」と思われるかもしれませんが、そんなときは、自分の真後ろに壁や家具がくるように座る位置を変えてみましょう。
すると、「半逆光(斜め後ろからの光)」になります。
わざと画面の端に少しだけ窓を入れて、背景のアクセントにするのもオススメです。
逆光は「証明写真」に向かないだけで、ダメな光ではありません。
全体的にふんわりとした優しい雰囲気が作れ、(僕だとモデルが悪いですが)特に女性の方には「映り全体の印象で優しく美しく見せられる(誤魔化せる)」おいしい光です。
フォーマルな会議だと浮いてしまうかもしれませんが、いろんな「オンライン〇〇」の中で、似合いそうな雰囲気のときにぜひお試しください。
部屋の電気で撮るなら
部屋の電気といえば、天井に付いているシーリングライトが多いと思います。
この様なライトで撮るメリットは、いつも同じ位置、同じ明るさ、同じ色合いで撮れるということです。
天気や時間で刻々と変化する自然光に比べると、ササッと手軽に「同じ映り」を作れる有難さがあります。
部屋の電気で撮るときも、やはり「光の向き」が大切です。
まずは「ライトの真下で撮らない」ことがオススメです。
自分の真上から光が当たると、影で「顔が凸凹」に映ります。
この場合は、「凸凹の影」が無くなるまで、ライトの真下から「後ろに」2、3歩バックすると、自分に前側から光を当てて撮ることができます。
A の位置で撮れば「順光」になります。
B の位置で撮れば「斜光」になり、立体感が出ます。
今度は逆に、「凸凹の影」が無くなるまで、ライトの真下から「前に」2、3歩進むと…
自分の後ろ側から光を当てて、「逆光や半逆光」で撮ることができます。
カメラは「オート(明るさ以外)」のままでも、部屋のどこで撮るか?で、映りの印象はかなり変わります。
今度時間のあるときに、ご自宅の「良い光で撮れる場所」を探してみましょう。
「この光の向きで映るには、自分がこの辺に座って、カメラをこの辺に置いて…」と、まずはイメトレが大事です。
次に、動きやすい「自撮り棒とスマホ」を使って、家中のいろんな場所で自分を映してみて確認してみましょう。
仕事机のある場所でライトを点けて撮るよりも、会議のときだけ「光の良い場所」に移動して撮った方が、簡単でキレイかもしれません。
カメラのバッテリー切れに注意しましょう
オンライン会議の時間は内容によって様々ですが、繋げたカメラやスマホのバッテリーの残量に十分注意しましょう。
常にフル充電から始めるか、今はモバイルバッテリーなどで給電しながら動かせるカメラも多いので、ご自分のカメラが対応しているかチェックしておくと安心です。
また「音声」は、繋げたカメラから拾う設定にもできますが、パソコン本体かイヤホンマイクから拾う設定のまま変えなくて大丈夫です。
以上、とても長くなってしまいましたが、オンライン会議の「自分の映り」を整えるためのコツをご紹介してきました。
一つずつゆっくりとお試しいただければと思います。
世間には数多くのWEBカメラがありますが、例えば、標準〜中望遠のズームレンズの付いた「離して撮る専用」のWEBカメラ(5,000円位)があっても面白いと思います。
露出補正とズーム操作はリモートで、その他のセッティングはできるだけ簡単・シンプルにして、誰でも使えるようにすれば、世界中の歪みに悩む人も多く救われるはずだと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。