絞り、シャッター速度、ISO感度の関係が苦手… 露出の仕組みはカメラから教わるのが1番です!

絞り・シャッター速度・ISO感度の関係は苦手だという方…
初心者さんには特に多いと思います。

でも!
露出の仕組みって、実はそんなに難しくないんです。
苦手という意識に、”難しいモノだ!”と思わされているだけなのかもしれません。

絞り、シャッター速度、ISO感度の関係をいつかマスターしたいと思っていたら…
もう今日覚えてしまいましょう!

初心者さんにも分かりやすいように、じっくりご紹介していきます。

絞り・シャッター速度・ISO感度は何のため?

絞り、シャッター速度、ISO感度は何のために動かすのか?といえば…
まずは、”露出(写真の明るさ)を決めるため”です。

絞り,シャッター速度,ISO感度,露出,仕組み,変え方,ルール,順番,マニュアルモード,使い方,ミラーレス,一眼,カメラ

マニュアル露出モードで、ぞれぞれ適当な値にセットして撮ってみると…
真っ暗だったり、真っ白だったり…
写る明るさは滅茶苦茶なハズです。

絞りを開ける(F値を小さく)と写真が明るくなります。
反対に、絞る(F値を大きく)と暗くなります。

シャッター速度を遅くすると写真が明るくなります。
反対に、速くすると暗くなります。

ISO感度を感度を上げると写真が明るくなります。
反対に、感度を下げると暗くなります。

絞り,シャッター速度,ISO感度,露出,仕組み,変え方,ルール,順番,マニュアルモード,使い方,ミラーレス,一眼,カメラ

どこかで聞いたことありますよね?

明るくする方法が”3通り”…
暗くする方法も”3通り”…

じゃぁ、実際に明るくしたいと思ったとき…
どの方法で明るくすれば良いの?

この辺が分かり難いんじゃないかなと思います。

絞り、シャッター速度、ISO感度を変えて”明るさ”が変わるのは”マニュアル露出モード”の時だけです!

ここも初めは分かり難いところです。

例えば、絞り優先で”F値”を動かしても、写る明るさは変わりません…
シャッター速度優先で”シャッター速度”を動かしても、同じく明るさは変わりません。

”明るくなる・暗くなる”と言っているのに、操作しても変わらないんです。

それはどうしてか…
悩ましいですよね?

これは、マニュアル露出以外のモードでは、”写真の明るさ(露出)をカメラが決めてしまう”からなんです。

仮に、カメラが決めた”ちょうどいい写真の明るさ”を『10』として…
皆さんが絞り優先で”F値を大きく”して、『9(暗く)』にしたとします。
するとカメラは同時に、シャッター速度、ISO感度を動かして、『10』に戻そうとします。

これが、”自動露出(AE)”の機能で、マニュアル露出以外のモードで撮るときは常に有効です。

皆さんが絞りを変えても、シャッター速度を変えても、明るさは常に『10』。
明るくも暗くもならないんです。

ただこれだと、カメラが決めた明るさでしか撮れなさそうですよね?
でも大丈夫です。
自分好みの明るさで撮りたいときは、”露出補正”を使えば簡単にパッと変えられます。

なんか暗い…?写真の明るさは『露出補正』で簡単!自在!

露出補正するということは…
私は『9(暗め)』で撮りたいとか…
ここは明るく『12(明るめ)』で撮りたいと、先にカメラに宣言するような感じです。

”プログラムオート”が教えてくれます!

FLOWERCAMERAでは、普段の撮影にプログラムオートをオススメしています。

プログラムオートを使えば、絞り・シャッター速度はカメラ任せです。
また、ISO感度もオススメの”ISOオート”に設定していればカメラ任せです。

面倒くさいことはなるべくカメラに任せて…
その分、皆さんは”撮ること”に集中した方が、楽しくキレイに撮ることができます。

絞り,シャッター速度,ISO感度,露出,仕組み,変え方,ルール,順番,マニュアルモード,使い方,ミラーレス,一眼,カメラ

一方、明るさを合わせるという重要な任務を任されたカメラは…
ある”ルール”と”順番”をしっかり守りながら、それぞれを上手に組み合わせていきます。

この”ルール”と”順番”がとても大事なんです!
これさえ覚えてしまえば、露出の仕組みがバッチリ理解できちゃいます。

では、プログラムオートは何を考えて、何をどう動かしているのか?
カメラから教わっていきましょう!

”プログラムオート”から学ぶ、露出のルールとは?

プログラムオートが守る露出のルールは3つ…

ルール1|なるべく”手ブレしないシャッター速度”をキープする。

ルール2|なるべく”低いISO感度”をキープする。

ルール3|ルール2よりルール1を優先する。

これだけです。

では、それぞれを詳しくご紹介していきます。

ルール1|なるべく手ブレしないシャッター速度をキープする。

手ブレ(カメラブレ)の失敗は『写真の4大失敗』の1つです。

カメラはまず、皆さんが手ブレしないような”シャッター速度”をキープしようと考えます。

カメラによって、多少の違いはありますが…
なるべく ”1/60秒” 以上の”シャッター速度”をキープ。

また、画角が狭い”望遠レンズ”を付けた時は、よりブレやすくなるので…
なるべく ”1/125秒” 以上をキープ。

この”シャッター速度”と”手ブレ補正”を合わせれば…
手ブレ(カメラブレ)の失敗は、ほぼクリアできるハズですよね?

皆さんがマニュアル露出モードで撮る時も…
まずは、なるべく手ブレしないシャッター速度から考えましょう。

ルール2|なるべく低いISO感度をキープする。

ISO感度を上げるほど、画質が悪くなるのは皆さんもご存知だと思います。

ISO感度を”ISOオート”に設定しておけば…

皆さんがキレイな画質で撮れるように…
カメラは、なるべく”低いISO感度”をキープしようと考えます。

皆さんがマニュアル露出モードで撮る時も…
”なるべく低いISO感度をキープ”です。

ルール3|ルール2よりルール1を優先する。

「あれ?絞りは?」と思われるかもしれませんが…

ルール1とルール2を守ろうとすれば、なるべく多くの光を取り込む必要があります。
そのため、絞りは”開き気味”だったり”全開”だったり…
なるべく明るい状態を保ちます。

皆さんがマニュアル露出モードで撮る時も…
”開き気味”、もしくは”全開”にしておいた方が、失敗も少なくキレイな写真が撮れます。

絞り,シャッター速度,ISO感度,露出,仕組み,変え方,ルール,順番,マニュアルモード,使い方,ミラーレス,一眼,カメラ

さて、シャッター速度が ”1/60秒” を下回りそうになったら…
(ルール1が守れなくなりそうになったら…)
カメラはルール2を破って、”ISO感度”をグーっと上げていきます。

ルール2よりも、ルール1の方が大事なんです。

シャッター速度を遅くして手ブレで失敗するか?
ISO感度を上げて、手ブレしにくい”シャッター速度”をキープするか?
後者の方がいいですよね?

ただ、ISO感度を上げると言っても限界があります。
もし、最高感度まで上がってしまったら…

最後は、やむなく”ルール1”も放棄します。

もう”ルール1”を破らないと写真は真っ暗になります。

手ブレしないけど、暗い(真っ暗)写真が良いか?
手ブレするかもしれないけど、明るさが合っている写真が良いか?
まだ後者の方がいいですよね?

後は、その場所の明るさ(暗さ)に合わせて、シャッター速度をどんどん遅くしていくだけです。
皆さんは手ブレに要注意です。

プログラムオートから学ぶ、露出を動かす順番とは?

皆さんがカメラを被写体に向けたとき、プログラムオートはこんな風に思っているハズです。

絞り:なんでもいい。
シャッター速度:ルール1が守れればなんでもいい。
ISO感度:なるべく低感度にしたい。

結構アバウトですよね?

ISO感度を最低感度に。
シャッター速度を、1/60秒(望遠レンズなら1/125秒)に。
(手振れ補正はONに)

先に2つをルールに沿って決めてしまえば…
残る絞りは、その場の明るさに応じて自ずと決まります。

簡単ですよね?

絞り,シャッター速度,ISO感度,露出,仕組み,変え方,ルール,順番,マニュアルモード,使い方,ミラーレス,一眼,カメラ

しかも、皆さんがお使いのミラーレスカメラなら…
露出を変えると、ファインダーやモニターに映る被写体の明るさも同時に変わります。

まず、ISO感度とシャッター速度をセットして…
あとは、モニターの明るさを見ながら絞りを動かしていけば…
簡単に自分好みの明るさに合わせることが可能です。
(一部、明るさが反映しない機種もあります)

一眼レフをお持ちの方は、先にライブビューで”写る明るさ”を合わせて、ファインダーに戻して撮るのもアリですよ。

ただしここで、2つの行き止まりが待っています。

それは…
① 絞りを”最大F値”にしても明るい場合… と
② 絞りを”最小F値”にしても暗い場合… です。

では、プログラムオートだったらどうするか?
教えてもらいましょう。

① 絞りを”最大F値”にしても明るい場合

これは、周りがとても明るい場合に起こります。
この場合、プログラムオートなら”シャッター速度を速くして暗く”していきます。

シャッター速度は”ルール1”さえ守られていれば何でも良いんです。
速くするほどブレの心配も減るので、逆に好都合ですね!

ただ、実際の制御はもう少し細かくて…
F値を最大にする少し前から、先にシャッター速度を速くする場合もあります。
これは、F値を最大にすると画質が悪くなってしまうからです。

物凄く明るい場所(被写体)に出くわすと…
絞り → 最大F値に。
シャッター速度 → 最高速度に。
ISO感度 → 最低感度に。
いずれはこの状態になります。

それでも写る写真が明るい場合は、もうそれ以上暗くすることはできません。
あとは、レンズの前に光を弱めるフィルターを付けたりするしかありません。

② 絞りを”最小F値”にしても暗い場合

こちらは頻繁に起きるケースです。
プログラムオートならどうやってクリアしていくか?
見ていきましょう。

◎ ISO感度を上げる。

シャッター速度はこれ以上遅くしたくない…
絞りは開放まで開いている… となれば…

ルール2を破って、ISO感度を上げていきます。
晴天+日中+屋外くらいの”明るさ”がないと、なかなか最低感度で撮り続けることは難しいですね。

そして、”ISOオート”で上げられる上限感度に達したら次の手です。

 シャッター速度をさらに遅くする。

最後はルール1を破って、ひたすらシャッター速度を遅くしていきます。
手ブレに要注意です。

ルールと順番に効果をプラス!

単純に”写真の明るさ”を合わせるだけなら…

ルールさえ守られていれば、絞りとシャッター速度はなんでもOK!
ISO感度はなるべく低く!

意外とシンプルです。
もう皆さんも、マニュアルで撮れそうな気がしませんか?

でももう1つ、大事なことを忘れることはできません。
それは、絞りとシャッター速度を変えると、明るさと同時に”効果も変わる”という事です。

絞りで変わる効果は”ボケの表現”です。

絞り,シャッター速度,ISO感度,露出,仕組み,変え方,ルール,順番,マニュアルモード,使い方,ミラーレス,一眼,カメラ

絞りを開ける(F値を小さく)とボケの量が増えます。
反対に、絞る(F値を大きく)とボケの量が少なくなり、背景までピントが合ったように撮れます。

また絞りは、”最も開けた状態(開放F値)”にすると、レンズの描写が甘くなることがあります。
反対に絞りすぎても画質が悪くなる(回折現象)ことがあります。

シャッター速度で変わる効果は、”動きの表現”です。

絞り,シャッター速度,ISO感度,露出,仕組み,変え方,ルール,順番,マニュアルモード,使い方,ミラーレス,一眼,カメラ

シャッター速度を速くすれば、動いている被写体をピタッと止めて撮れます。
反対に遅くすれば、わざとブラして作画的な写真を撮ることもできます。

写る明るさ、狙う効果、デメリットなどをトータルで考えて組み合わせるのが…
”露出のコントロール”です。

カメラを使いこなしている感じがしますよね!
撮影がもっと楽しくなるハズです。

三脚を使えば… ”自由”を手にできる?

今回、プログラムオートから教わったルールと順番は…
実は、”カメラを手持ちで撮影する場合…”という注釈付きです。

カメラを三脚に固定して撮れば、手ブレの心配が要らなくなります。
すると…
”ルール1”を守る必要が無くなってしまうんです。

ISO感度を上げるのも、絞りを開けるのも…
全ては”ルール1”を守るためです。

ココは最低感度でキレイに撮りたいのに…
ココは絞りを『F8』にして撮りたいのに…

手ブレの失敗を防ぐことを優先する限り、皆さんはルールと順番に縛られます。

三脚を使うメリットは、ブレを防ぐことですが…
最大のメリットは、ルール1を無視して自由に露出を組み合わせて撮れることです。

今度三脚で撮るときは、この自由さを噛み締めながら撮影してみてくださいね(笑)

絞り,シャッター速度,ISO感度,露出,仕組み,変え方,ルール,順番,マニュアルモード,使い方,ミラーレス,一眼,カメラ

三脚を使用する際は、周囲の状況に気をつけましょう。
使用禁止の場所もありますので、事前のチェックをお忘れなく!

知っていることが大事です!

露出の仕組みは何となくイメージできましたでしょうか?

文章だとどうしても複雑に感じるかもしれませんが…
本当にシンプルな仕組みです。
誰でもすぐにマスターできちゃいますよ!

ただ、分かったからと言って、常にマニュアル露出モードで撮る必要はありません。

プログラムオートで撮るときも…
絞り優先やシャッター速度優先で撮る時も…

仕組みを理解していると、もっと思い通りに撮れたり、事前に失敗を回避できたり…
皆さんのレベルはグッと上がり、さらに撮影が楽しくなるハズです。

普段使いなら”プログラムオート”。
ボケ感をコントロールしたければ”絞り優先”。
動感をコントロールしたければ”シャッター速度優先”。

ボケ感も、動感も、明るさも、同時に全て自分でコントロールしたいときは…
いざ、”マニュアル露出モード”の出番です!

ISOオート?露出補正?AEロック?新しい”マニュアルモード”使い方

最近のマニュアルモードは凄く進化しています。
写真の撮り方が変わってしまうかもしれません…

Thank you for reading !!

普段の何気ない瞬間こそ、大事にキレイに撮ってほしい

FLOWERCAMERAは そんな想いではじめた小さな写真教室です。
皆さんが写真を楽しく撮れるように、お手伝いできたら嬉しいです。

FLOWERCAMERA