「背景をキレイにボカしたいから一眼を買った!」という方も少なくないですよね?
「ボカしたい、ボカしたい」と思って色々調べると、必ず出てくる言葉があります。
それは「絞りを開ける」というキーワード。
でも実は、それだけだと上手くボケないんです。
今回は『一眼カメラでキレイなボケをしっかり撮る4つのコツ』をじっくりご紹介していきます。
誰でも簡単に、憧れの「ボケマスター」になれちゃいますよ!
ボケは『被写界深度』の外側のピントが合っていないところ
いきなりちょっと難しい言葉…『被写界深度』
『写真のボケ』を知る上ではぜひ知っておきたいところなので、頑張って覚えちゃいましょう!
想像力を働かせて、次のシーンをイメージしてみましょう!
例えば『赤い花』にピントを合わせて撮るとします。
撮った写真を見ると、もちろん『赤い花』にピントが合っています。
でも写真をよく見ると『ピントが合って見える』のは『赤い花』だけではありませんでした。
後ろに写っている『白い花』にもピントが合っているように見えます。
さらによーく見てみると『赤い花』よりも手前に写っている『青い花』にもピントが合っているように見えます。
どうでしょうイメージできますか?
『赤い花』にピントを合わせても、その前後にも『ピントが合って見える範囲がある』ということです。
これが『被写界深度』で、今イメージしていただいた『ピントが合っているように見える前後の範囲』のことです。
前後というのは…
お花からカメラ(前)側と、お花から背景(後ろ)側の範囲です。
上の図は撮影現場を真上から見たイメージです。
ピンク色の部分が『ピントが合っているように見える範囲=被写界深度』です。
厳密に言えば、ピントが合っているのは『ピントを合わせたピントの山だけ(赤い部分)』ですが、その前後の『被写界深度の範囲内(ピンクの部分)』も『ピントが合って見える』ということになります。
左右の図で、ピンク色の範囲が違います。
左は『被写界深度が浅い』の図、右は『被写界深度が深い』の図です。
『被写界深度』は撮り方によって『浅く』したり『深く』したりが可能です。
被写界深度を浅くすると…
↓『ピントが合って見える前後の範囲が狭くなる』↓
↓『ボケて見える範囲が多くなる』↓
よくボケる!
被写界深度を深くすると…
↓『ピントが合って見える前後の範囲が広くなる』↓
↓『ボケて見える範囲が少なくなる』↓
あまりボケない…
図では、グレーの部分が『ボケているところ』ですが、左の『被写界深度が浅い』方が『ボケ』が多いですよね?
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被写界深度を浅くして撮る = ボカして撮る
何となくお分かりになりましたでしょうか?
『ボカしたい』なら『被写界深度を浅くして撮る』これが言いたかったんです。
言葉では難しいですが撮り方は簡単ですよ!
『絞り優先で絞りを開けること』は『被写界深度を浅くすることの1つ』なので『ボカしたかったら絞り開放に』と言われるんですね!
では『被写界深度を浅くする方法=ボカすコツ』を4つ、しっかりご紹介していきます!
① なるべく焦点距離の大きいレンズを使ってボカすべし!
広角側より望遠側で撮る方が被写界深度が浅くなります。
つまりボケの量が多くなります。
『焦点距離』??という方は『レンズのキホン』でチェックしてくださいね!
例えば28−80mm(35mmフィルム換算)の標準ズームレンズで撮る場合『背景をボカしたいなら80mm側で撮る』これだけです。
簡単ですよね!
さらに焦点距離の長い150mmや300mm(35mmフィルム換算)を使えば、ボケの量が増えて『ボケボケ』に。
被写界深度の浅い望遠レンズを使えば『動物園で柵の奥の動物にピントを合わせて、手前の柵はボカして消しちゃう』なんて撮り方もできます。
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② なるべく最短撮影距離まで被写体に近づいてボカすべし!
被写体に『最短撮影距離』まで寄って撮る。
寄れば寄るほど被写界深度が浅くなります。
つまりボケの量が多くなります。
『最短撮影距離』??という方は『レンズのキホン』でチェックしてくださいね!
これもすぐできますよね!
『最短撮影距離』をしっかりチェックして、その『レンズの一番寄れるところまで寄って撮るだけ』で、キレイにボケます。
③ なるべく被写体と背景の距離をなるべく離してボカすべし!
被写界深度の範囲のすぐ外側は、『ボケボケ』ではありません…
『ピントは合っていないけど…何となく見える』状態です。
遠くへ離れるほど、だんだん『ボケが多く・濃く』なっていき『ボケボケ』になります。
ですので、例えばお花の背景をボカしたかったら…
『お花の後ろはすっきり』と、何も入れない方がキレイにボケます。
でも、程よく離れたところに何かを入れると、それが『模様』のようにボケて、お花を引き立ててくれることもあります!
例えばですが…
公園で、撮りたいお花の後ろにトイレがあります。
「ちょっと嫌な背景だな…」と思うかもしれませんが…
でもトイレの壁の色が青だったので、ボカして背景に入れてみたら『お花の背景が素敵なブルーに!』なんてこともあります。
また、お花の後ろに自転車が置いてあります。
「こんなところに置かなくても…」と思うかもしれませんが…
でも上手にボカして入れてみたら『自転車に反射した光が玉ボケになって、お花がよりステキに!』なんてこともあります。
そうすると『そこに自転車を置いてくれてありがとう!』となります(笑)
このように、ボケを上手に入れられるようになると、背景にアクセントをつけることも可能です!
右の図は、被写体の後ろにすぐ壁があったりする場合のイメージ…
あまりボケて見えません。
ここまでの3つコツをマスターすれば、簡単にボカすことができます。
『AUTOやシーンモード』でもキレイにボケます。
お友達にもぜひ教えてあげてくださいね!
④ なるべく絞りを開けてボカすべし!
絞りを開けたほうが『被写界深度』が浅くなるのでボケます。
『絞り優先でF値を小さくする』ということです。
ただ…『絞りを開けただけ』ではダメなことは、もうお分かりいただけたと思います。
『キレイなボケ写真』を撮りたいときは、これまで紹介してきた4つの要素を、上手に組み合わせて撮るように心がけるのが大切です!
後は練習あるのみ…
1枚1枚確認しながら丁寧に撮って『ボケマスター』を目指しましょう!