満月をキレイに撮る方法は、以前に『プログラムオート』や『絞り優先』で『スポット測光』を使った撮影をご紹介しています。
(『満月を模様までキレイに撮るには…明るさが大事です!』をご参考ください)
今回は、同じ月を『マニュアル(露出)モードで撮る』お話です。
露出(写真の明るさ)を『マニュアル』で合わせるのは、ホントはすごく難しいんですが…
『電子ファインダーやライブビュー』を上手に使えば、実は簡単なんです
初めての方でも『自分が写したい月の明るさ』にドンピシャで合わせて撮れちゃいます。
では『初めてのマニュアル露出で月の撮影に挑戦!』をご紹介していきましょう。
満月を撮るときの露出『絞り』『シャッター速度』『ISO感度』は?
それでは早速、撮影モードを『マニュアル(露出)モード』に合わせましょう。
『マニュアル(露出)モード』は『絞り』『シャッター速度』『ISO感度』のそれぞれを任意で決めることができます。
それぞれの合わせ方は『取扱説明書』も併せてご確認下さい。
満月を撮るときは、まず次のように設定します。
絞り:F8.0
シャッター速度:1/250秒
ISO感度:ISO200
とりあえず、この設定でカメラを月に向けてみます。
レンズはどうする?
とにかく月を大きく撮りたければ、望遠から超望遠のレンズが必要です。
最低でも『35mmフィルム換算で300mm』以上は欲しいところです。
(35mmフィルム換算という意味は大丈夫です?)
『ダブルズームのセット』でカメラを買った方は、望遠ズームレンズがお手元にあるはずです。
セットの望遠ズームの『望遠端』はだいたい『300mm(35mmフィルム換算)』前後です。
この図のように『28~80mm(35mmフィルム換算)』などの標準ズームレンズでは、たとえ『望遠側の80mm』にして撮っても、月は点くらいにしか写りません…
望遠レンズをお持ちでなければ…
家族や友人に(メーカーが一緒なら)借りてみましょう!
モニター上で『明るさ』を微調整していきます。
さて、ここからが本題です。
ミラーレス(一眼)をお使いの方は『電子ファインダー・背面モニター』のどちらでもOKです。
一眼レフをお使いの方は『ライブビュー』に切り替えましょう。
まずは、先ほど設定した『露出』のまま、カメラを月に向けます。
望遠レンズだと画面が揺れやすいので、しっかり構えましょう。
モニターに映る月を見て、明るさはどんな感じでしょうか?
ちょうどいいですか?
明るめですか?
暗めですか?
「明るいな」と思ったら、シャッター速度を速くします。
「暗いな」と思ったら、シャッター速度を遅くします。
モニター上の『月の明るさ』を見ながら『月の模様まで見える明るさ』になるように『シャッター速度』を合わせていきましょう!
自分が『一番いい!』と思う明るさに合わせるのが大事です。
モニターに映っている月の明るさは、基本的にシャッターを切れば(ほぼ)そのまま写ります。
明るさを合わせた後は、ファインダーに戻して撮ってもいいですし、モニターのまま撮ってもOKです。
『マニュアル(露出)モード』なのに、簡単に明るさを合わせることができますね!
手ブレ(カメラブレ)しないように『シャッター速度』に注意!
モニターに映った月が『暗い』と思った時は『シャッター速度を遅く』して明るくしますが…
『シャッター速度』を遅くすると、写真は明るくなりますが、同時に『手ブレ(カメラブレ)』の心配が出てきます。
しかも『超望遠』で撮りますから余計に心配です。
『300mm(35mmフィルム換算)』のレンズで撮る場合、手振れ補正をONにした状態で『シャッター速度』が『1/125秒』を下回ると『手ブレ(カメラブレ)』しやすくなります。
月の明るさを合わせた後、最終的に『シャッター速度が ”1/何秒” になっているか?』は、必ずチェックしてくださいね!
シャッター速度が遅く(1/125秒以下)なってしまう場合…
一度、シャッター速度を1/125秒まで戻してから…
『ISO感度』を上げて明るくするか?
『絞り』を開けて(F値を小さくして)明るくするか?
このどちらかで対処しましょう。
いずれの調整をする場合も『電子ファインダーや背面モニター』で明るさの具合を見ながら合わせられるので簡単です。
お部屋で練習してみましょう!
コツが分かったら、すぐ実践してみたくなりますよね?
それでは、ご自宅にあるライトを使って『マニュアルモードで月の明るさに合わせる』練習してみましょう!
ライトは『懐中電灯』や『デスクライト』『部屋の照明』などで大丈夫です。
ただ月の代役なので、丸くて一灯のものがオススメです!
部屋の明るさは、真っ暗じゃなくてもいいですが、なるべく暗めがオススメです。
では『マニュアル(露出)モード』に合わせましょう。
カメラの設定は、ひとまず上でご紹介したのと同じ『F8』『1/250』『ISO200』に設定します。
レンズは練習なので、望遠じゃなくても大丈夫です。
満月を『300mm(35mmフィルム換算)』で撮ると、写る大きさはこの位です。
結構小さいですよね…
この練習でも、ライトの大きさを同じくらいに合わせて写すと、本番のイメージに近くなります。
さて、スイッチを入れたライトにカメラを向けて…
背面モニターを見ながら『シャッター速度で明るさを調整』してみましょう。
どうでしょうか?
なんとなく感覚が掴めましたか?
もちろん月の明るさとライトの明るさは違いますので…
今撮った露出で月が撮れるわけではありません。
あくまでも『モニターを見ながら、明るさを合わせる練習』です。
明るさをお好みに決められるようになったら、次は色味!
月の色味を変えて撮りたいときは、ホワイトバランスを変えてみましょう!
ホワイトバランスの普段使いのオススメは『オート(AWB)』です。
ただ、月を『オート(AWB)』で撮ると『真っ白』に写ることがあります。
自然な黄色味を出したい場合は『晴天』に設定する方がいいかもしれません。
他にも『電球』に設定して『青い月』。
ホワイトバランスを微調整して『赤い月』などなど…
あとはみなさんのイメージにお任せします!(笑)
次の満月の日を調べて楽しみに待ちましょう!
満月じゃなくても
半月も三日月もこの撮り方で撮れます。
ただ、満月と比べると暗くなりますので『はじめの露出』を次のように設定します。
まずこの設定からスタートして…
『電子ファインダー』や『背面モニター』で確認しながら、同じように『シャッター速度』で明るさを合わせていきます。
ただ…
上にも書きましたが『明るく』しようとして『シャッター速度』が ”1/125秒” 以下になるようなら…
一度、シャッター速度を1/125秒まで戻してから…
『絞り』を開けて(F値を小さくして)明るくするか?
『ISO感度』を上げて明るくするか?
でしたね!
撮り終わったら、撮影モードは『いつものモード』に。
ISO感度は『オート』に。
その他に変えた設定があれば『元のオススメ設定』に戻しておきましょう。
『変えたら戻す』は、次の撮影で慌てないためにも、とても大事な操作です。
月の明るさにしっかり合わせて撮る
月の明るさに合わせて撮る方法は2つです。
① 今回の『初めてのマニュアル露出で、月の撮影にチャレンジ!』の『マニュアル(露出)モード』を使うか?
②『満月を模様までキレイに撮るには…明るさが大事です!』の『スポット測光』を使うか?
撮りやすい方を選んでくださいね!
ただ、三日月くらいターゲットが小さい場合『スポット測光』は難しいかもしれません…