「月を撮ってもただの白い丸にしか写らない…」
こういう方はいらっしゃいませんか?
写真を撮るときにまず大事なのは、被写体の「写る明るさ」をしっかり合わせることです。
月がただの白い丸に写ったのは「月を明るく撮りすぎた」からです。
この「写る明るさ」、普段の撮影では基本的にカメラが決めてくれます。
ただ、カメラが苦手なシーンに出くわすと大きく外すことが多くなるんです。
真っ暗な夜空に明るい満月など、明暗差がとても大きいとき…
カメラは写る明るさを「夜空(暗)」に合わせたらいいのか?
「満月(明)」に合わせたらいいのか?迷ってしまうんです。
迷った結果どうなるかというと…
「どっちも写るまぁまぁな明るさ」に合わせてくれます。
このように「明暗差の大きいシーン」を撮るときは、皆さんが自分で「写る明るさ」をコントロールしていく必要があるのです。
月の写真を撮るときは、『いかに月の明るさに合わせることができるか?』これが重要なんです。
これができれば、月の模様まで写っているような写真がしっかり撮れます!
スポット測光で月の明るさを『測光』する。
カメラを普段使いのまま、普通に月を撮るとこうなりませんか?
ただの白っぽい丸になっています…よく見る『普通の月の写真』ですね。
測光モードがオートの状態では、月は明るすぎに写ってしまいます。
白飛び状態です。
「明るく撮れているなら露出補正で暗くすれば!」
『明るすぎなら露出補正でマイナス補正』はもちろん正解ですが、月と夜空ほどの大きい明暗差は『露出補正』で補正しきれない場合が多いんです。
そのくらい明暗差が大きいのが『夜空と月』のシーンです。
そこで、測光モードを『スポット測光』に設定してみます。
『スポット測光』にすると、画面中央の被写体の明るさをピンポイントで測ってくれますので、画面のど真ん中に月を入れたら、月の明るさをピンポイントで測光してくれます。
「月の模様まで写したい!」のであれば『意識して暗く写す』くらいの感じが必要です。
スポット測光でカメラが決めた明るさから、さらに『露出補正』で少し暗くするとイイ感じになります。
スマートフォンなどで月が明るく写ってしまうのは、測光モードがオートでしか撮れないことが多く、大きな明暗差を上手に処理できないからです。
持っている一番望遠のレンズで
月を大きく写したい時は『持っている一番望遠のレンズ』で撮りましょう!
ダブルズームのセットなどでカメラを買った方は、35mmフィルム換算で300mmくらいの望遠レンズをお持ちだと思います。
とにかく一番焦点距離の長いレンズをカメラにセットして月に向けましょう!
実際に撮ってみましょう!
撮影モードは、普段使いの『プログラムオート』か『絞り優先』で大丈夫です。
(絞り優先で撮る場合の絞りは、F8くらいがオススメです)
7つの設定は、測光モードを『スポット測光』に、それ以外は普段使いのオススメの状態のままで大丈夫です。
三脚はなくても大丈夫ですが…
35mmフィルム換算で300mm相当の望遠レンズとなると、画角がだいぶ狭くなりますので、画面の中で月がフラフラするかもしれませんが、頑張って構えましょう!
『スポット測光の測光ポイントはど真ん中』ですので、月をど真ん中に配置してシャッターボタンを半押しすると、ライブビュー画面や液晶ファインダーでは『撮れる月の明るさ』が確認できます。
もしまだ明るい(暗い)ようなら『露出補正』を使って「いちばんイイ!」と思う明るさに微調整していきましょう。
光学ファインダーで撮る場合は、月を真ん中に入れて一枚撮って再生してみてから『露出補正』の具合を決めましょう。
月の明るさに合わせて撮ることができました!
ピントが合わない?
月はオートフォーカスでもピントが合うと思いますが…
もし合わないようなら、AFのポイントを月の輪郭の部分に移動させて半押しすると合いやすくなると思います。
どうしても合わない…そんな時は最終手段『マニュアルフォーカス』で合わせましょう。
お子様にはこちら
もっと大きく撮りたい!
35mmフィルム換算300mm相当の望遠レンズで撮っても、月は画面いっぱいにならないどころか、意外と小さめに写ります。
もっと大きい月にするには、さらに長い望遠レンズを用意するか?トリミングで写真を拡大するか?になります。
お手軽なのはトリミングで、好きなだけ月を大きく仕上げることができます。
ただし、あまり大きくしすぎると写真が荒れちゃいますので、ほどほどが大事です。
たくさん撮ってみましょう!
月の明るさをしっかりコントロールできれば、あとは簡単です。
さらにホワイトバランスで月の色を変えてみたりとアレンジして撮ると楽しく撮れます。
キレイに撮れたらお友達にしっかり自慢したあとで、ちゃんと撮り方を教えてあげましょう!
撮影が終わったら、普段使いのオススメ設定に戻しておくのを忘れずに!