写真は光の記録です。
光がなければ何も写りません=真っ暗。
そして、光は多ければ多いほど写真はキレイに写ります。
明るい部屋と暗い部屋と、どっちが簡単にキレイに撮れるかといえば、間違いなく明るい部屋です。
でも、いつも明るい”良い条件”で撮れるとは限りません。
曇りの日や、夕方、夜、部屋の中など…
暗い”悪い条件”で写真を撮るとき、皆さんを助けてくれるのが『ISO感度』です。
光を倍々にパワーアップさせて、暗い場所を明るい場所に変えてしまうような魔法のような存在なのです。
魔法を使いすぎると画質が悪くなります。
ISO感度は、数字が小さいほど低感度と言い、ノイズが少なく、色も鮮やか、キレイに写ります。
反対に、数字が大きくなるほど高感度と言います。
感度が上がるほどノイズが増え、色がくすみ、立体感がなくなっていきます…
「ISO感度の画質の許容範囲はどれくらい?」
これはスパッと即答しにくいところですが…
最近のカメラなら、ISO1600~3200位までは許容範囲ではないでしょうか?
(メーカーやカメラの新しさ、人の感覚など、それぞれに差が大きいところです)
僕は、汚いほどでなければ、ザラザラした感じも嫌いではありません。
ただ、厳しい方なら「ISO800以上はダメ!」と言うかもしれません。
一番確実なのは、”自分の許容範囲”を見つけることです。
カメラを固定して、感度を少しずつ変えて撮ってみましょう。
明るい場所と、暗い場所の両方で同じように試すと分かりやすいですよ!
高感度のザラツキや荒れは、大きくプリントするほど目立ちます。
また、パソコンの画面などで無理に拡大しても目立ちます。
スマホの画面で見るだけとか、ハガキサイズ位にプリントするとか…
適正な鑑賞距離を保って見た場合、そんなに気にならないかもしれません。
センサーが大きいカメラの方が高感度がキレイ?
大きいセンサーの方が高感度に強い!
そんなことを聞いたことがあるかもしれません。
フルサイズの1000万画素と、スマホの1000万画素と、良い条件で撮った写真なら見分けがつかないケースもありますが…
夕方、夜、室内で撮った写真なら一目で差が分かります。
これは、ISO感度がグッと上がったからです。
実は、『センサーが大きい方が』というより、『1画素が大きいという方が』というのが正しく、高感度の画質は1画素の大きさに左右されます。
親指と小指の爪に名前をフルネームで書くとしたら…
大きい爪の方がキレイに書けますよね(笑)
画素数は多く。
でも1画素はなるべく大きく。
センサーを作るのは大変です…
ISO感度の変え方をチェック!
ISO感度の設定は大事なので、どんなカメラも操作は簡単なハズです。
説明書で”変え方”を確認しておきましょう。
指で操作を覚えたら…
自分のカメラの感度の最低と最高がどれくらいか?
チェックしておきましょう。
どうしてISO感度を上げるの?
「低感度の方が写真がキレイなら、なんで高感度にするの?」
こう聞かれることがあります。
でも残念ながら、いつも低感度で撮るのは難しいんです。
低い感度で撮るためには、それだけ多くの光(明るさ)が必要です。
明るくないのに低感度に設定すれば…
足りない明るさを補うために”シャッター速度”が遅くなってしまいます。
シャッター速度が遅くなるということは…
そうです!手ブレや被写体ブレの失敗が待っています!
また、動く被写体がブレないように、より速いシャッター速度で撮りたいときもグッと感度を上げます。
このように、嫌々でも感度を上げる必要があるのは、シャッター速度を速くするため、そしてそれは、手ブレや被写体ブレを防ぐためなんです。
低感度で高画質!も大事ですが…
ブレの失敗しない!ことも大事ですよね?
常に三脚を持ち歩いて…
「シャッター速度はどれだけ遅くても大丈夫」
「被写体も動かない」
そんな状況を自分で作れば、常に最低感度も可能かもしれませんが大変です…
大事な『ISO感度』、普段は”オート”がオススメ!
ISO感度は、ほとんどの場面で”オート”がオススメです。
ISOオートにしておけば、その場所(被写体)の明るさに応じて、カメラが”最適な感度”を選んでくれます。
◎ 明るければ、感度を下げて画質を優先!
◎ 暗ければ、感度を上げて手ブレしにくいシャッター速度をキープ!
このように、1コマ1コマ細かく調整してくれます。
人間業ではありません(笑)
こんな便利な機能を使わない手はありませんよね?
仕事を1つカメラに任せた分、皆さんは撮ることに集中できます。
ただ、制御はお任せでいいんですが…
撮るときは、今の感度を常に確認するようにしましょう。
日中の公園だったら、ISOいくつ?
日陰に入ったら?
部屋の中?
夜景だったら?
などなど…
画質も大事!でもブレるのもダメ!
このバランスをカメラがISO感度で絶妙にコントロールしているのが分かると思います。
もし、カメラが高めの感度を選んでいたら…
「ここはもうそんなに明るくないな」
「手ブレや被写体ブレに注意をしないと」
もしくは…
「自分が暗くする原因を作ってないか?」
こんな風に考えながら撮影ができればグッドです。
ISO感度を変えるのはこんなとき!
普段使いなら、いつもISOオートで大丈夫です。
でも、こんな場面に遭遇したら手動で設定する必要があります。
「次の作品はISO400で撮ってきなさい」と先生が言ったとき
どうして感度を固定して撮らなきゃダメなのか?僕には分かりませんが、意外とよく聞くお話です。
この場合は、言う通りにISO感度を手動で固定しましょう。
シャッター速度が遅くなると、カメラは迷わず感度を上げていきます。
「絶対に低感度で撮りたい!」
「今日は三脚があるから、シャッター速度は遅くても大丈夫」
こんな場合も手動で固定しておきましょう。
暗いところで動きの速い被写体を撮るとき
いつかはこんなシーンに遭遇するハズです。
暗い場所で動く被写体を止めて撮るのは難しい撮影の1つです。
ISOオートのまま撮り続けると、真っ暗な写真しか撮れないかもしれません。
このシーンでも状況に応じて、積極的に高感度(もしくは最高感度)に設定する必要があります。
感度を固定して撮った後は必ずISOオートに戻しましょう!
ISOオートの下限と上限は自分で変えることもできます。
少し細いところですが…
ISOオートの上限と下限の感度は、自分で決めることもできます。
例えば…
カメラの元々の感度幅:ISO100〜ISO25600
ISOオートの制御幅:ISO100〜ISO3200
こんなカメラだったとして…
A「ISO3200まで上げられると画質が悪すぎる…」
→ ISOオートの制御幅を”ISO100〜ISO1600”に変える。
ISOオートの上限を3200から1600に下げます。
B「カメラの元々の最高感度までガンガン上げてもらって構わない!」
→ ISOオートの制御幅を”ISO100〜ISO25600”に変える。
ISOオートの上限を3200から25600に上げます。
動きモノを撮るとき、上限感度をMAXに設定するのは便利かもしれません。
でもコレを戻し忘れると、普段の撮影でも超高感度の写真が記録され続けます…
同じように下限感度も変えられますが、そこまで設定を複雑にしないくていいと思います。
元々の”ISOオートの制御幅”は、画質と使い勝手を考えたメーカーのオススメ設定です。
あくまでも皆さんの好みや使い方の問題なので、無理に変える必要はありません。
ご興味のある方は、説明書のISO感度のところに一緒に記載されていると思います。
難しければ電話サポートを利用しましょう。
- ISO感度の覚え方のまとめです。
- 低感度は高画質!
でも、シャッター速度が遅くなりやすいので、手ブレ(カメラブレ)や被写体ブレが心配… - 高感度は画質はあまり良くない…
でも、シャッター速度が速くなるのでブレにくい! - 普段は『ISOオート』がいちばんオススメ!
- 画質はISO1600~3200までなら大丈夫。(機種によります)
- 感度を手動にしたときは、撮り終わったら『ISOオート』に戻す。
お疲れ様でした!