冬の澄んだ空気に街が輝き始める12月。
お店はキレイに装飾されて、あれもこれも被写体になってしまう忙しい季節です。
そして、冬の人気の被写体といえば…
何と言ってもイルミネーションは外せません。
今回はそんなイルミネーションを簡単!キレイに!撮るコツをご紹介していきます。
イルミネーションの撮影モードは?
基本的には『夜景』の撮影なので…
プログラムオートか、絞り優先(A/Avモード)がオススメです。
暗い場所でプログラムオートを使うと、絞りはほぼ常に開放状態になります。
パンフォーカスを狙うなど、絞りって撮りたいときは絞り優先を使いましょう。
イルミネーションの撮影設定は?
いちばんはじめの写真レッスンでは、大事な撮影設定を7つご紹介しています。
手持ちで撮るなら、ISO感度はオートのまま、手ぶれ補正はONに。
三脚で撮るなら、ISO感度は最低感度に、手ぶれ補正はOFFに。
(後ほど詳しくご紹介します。)
他の設定はオススメのままで大丈夫です。
また、夜景の撮影では、内蔵フラッシュはOFFが基本です。
フラッシュの光は遠くの景色まで届きませんので、ほとんど意味がありません…
簡単!キレイに撮りたいなら、置いて撮る!
イルミネーション撮影で、一番多いのは『手ブレ(カメラブレ)』の失敗です。
この流れはいつも頭に置いておきましょう!
手ブレ(カメラブレ)させない一番簡単な方法…
それは、カメラを置いて撮ることです。
ベンチや柵、案内板などなど、周りを見渡すとカメラが置けそうなところが結構あります。(大切なカメラを落とさないように注意しましょう)
「どの辺から撮ろうかな?」と同時に…
「どの辺に置けそうかな?」と考えながら歩いてみましょう。
そして、カメラを置いて撮るんだったら、ISO感度は画質のいちばんキレイな『最低感度』に設定します。
ISO感度は、感度が上がるほど画質が悪くなりますが、暗い場所ではその”悪さ”がより目立ちやすいのです。
もちろん、三脚を使うのがベストですが…
友達と一緒だったり、会社帰りだったり…
また、よほどの覚悟がないと朝の電車に持ち込めません。
でも、カメラを置いて撮るのは、いつでも誰でも簡単です。
スマホ、コンデジも置いて撮る!
これだけで、夜景はもっとキレイに撮れますよ。
ただ、置いて良い場所かどうか?は十分に注意しましょう。
汚したり、壊したりしないように…
また、タオルを下に引くなどの配慮も忘れずに。
カメラを置いただけだと… ブレます!
「カメラを置いて撮ったのに、ブレブレでした…」
こう言われることもあります。
この原因は何か?といえば…
一番多いのは『レリーズブレ』です。
置いたからと安心して、グッとシャッターボタンを押すと、結局カメラを揺らしてしまいます。
カメラを固定して撮るときは、この『レリーズブレ』をクリアする必要があります。
『レリーズブレ』を防ぐためには?
① 専用のレリーズケーブルを使う。
王道です。
② スマホのリモートシャッターを使う。
便利ですがバッテリーを食います。対応機種のみ。
③ セルフタイマーを使う。
一番お手軽でオススメです!
などの方法があります。
セルフタイマーでレリーズブレを防ぐ方法は『ドライブモードの設定』で詳しくご紹介しています。
自由なアングルを狙うなら、手持ちで『ISOオート』!
フィルムでは難しかった『手持ちでイルミネーション』も…
優秀な手振れ補正と、ISO感度を自由に選べるデジカメなら、簡単キレイに撮れちゃいます。
「置く場所がない…」
「どうしてもこのアングルから撮りたい…」
こんなケースもよくあります。
手持ち撮影の良さは手軽さです。
手持ちで撮る場合は、まず『ISO感度』をオートに設定しましょう。
手ブレ(カメラブレ)の目安は ”1/60秒”
手持ち撮影で、一番気を付けなきゃいけないのは『手ブレ(カメラブレ)』です。
しかも、イルミネーションの『点光源』は、ブレが目立ちやすい被写体でもあります。
手ブレ(カメラブレ)しないシャッター速度の目安は…
手振れ補正ONで、しっかり構えて、だいたい”1/60秒”です。
(構えが上手なら、1/30秒、1/15秒くらいまでイケるかもしれません。)
シャッターを切る直前には、必ずシャッター速度を確認しましょう。
また、背面モニターで撮るときは、構えが甘くなりがちです。
でも、カメラのストラップを上手に使うと、驚くほどカメラが安定します。
『しっかり付けて手ブレも防ぐ!ミラーレスのためのストラップの使い方』
シャッター速度が1/60秒以下だったら…
もし ”1/60秒” ”1/30秒” より遅いシャッター速度が表示されていたら…
やはり、カメラを置いて撮ることをオススメします。
そして、置いて撮るんだったら…
そうです!『ISO感度』を最低感度に設定しましょう。
『シャッター速度』を遅くさせないためには?
シャッター速度を遅くさせないための方法は次の通りです。
① ISO感度を上げる。
ISO感度を『オート』に設定しておけば、カメラが自動で上げてくれます。
自分で固定している場合は注意しましょう。
② F値を小さくする。
プログラムオートなら、カメラが自動的にF値を小さくしてくれます。
絞り優先で大きいF値に設定するほど、シャッター速度は遅くなっていきます。
③ 明るい(F値の小さい)レンズを使う。
”明るいレンズ”に交換して、F値をF1.4やF2.8まで小さくすることで、シャッター速度を速くすることができます。
また、ズームレンズは、広角側と望遠側で開放F値が異なる場合があります。
広角側の方が開放F値が小さい場合が多いので、少しだけシャッター速度を速くすることができます。
三脚という道具のすごさ
手ブレ、手ブレと言われて、シャッター速度を遅くさせないことを最優先にすると…
キレイな低感度を使えない…
狙った絞りを使えない…
などなど、だんだん”できないこと”が増えていきます。
いろんなアイディアが浮かんで、それを撮ろうとしても”できない”のです。
そこで『三脚』が威力を発揮します。
三脚は、ブレ対策の為だけに使うのではありません。
暗い場所でも、画質優先の低いISO感度で撮ったり…
絞りを絞ってピントを深くして撮ったり…
レンズの画質が一番高いF値で撮ったり…
ワザと超スローシャッターにして、行き交う人々をブラして消してしまう!
なんてこともできます。
このように…
やりたいことができる!
撮影の自由度が広がる!
というのが、三脚を使う大きなメリットです。
やっぱり道具ってすごいですね。
手持ちでも撮れる!置いても撮れる!
キレイに撮るチャンスを増やすため、両方のコツをマスターしておきましょう。
今日は友達と”手持ち”でサクサク撮る
ISO感度:オート
手ブレ補正:ON
しっかり構えてシャッター速度(1/60秒が目安)に注意しながら撮る。
画質最優先、今日は”三脚”で気合入れて撮る
ISO感度:100など(低感度)
手ブレ補正:OFF
三脚に固定して(どこかに置いて)『レリーズブレ』に注意して撮る。
これだけです。
簡単ですよね!
ちなみに、イルミネーションは、手持ちで撮る方が難しいと言われています(笑)
ピントが合わないときは、マニュアルフォーカス
イルミネーションの『点光源』は、オートフォーカスが最も苦手とする被写体の一つです。
「全然ピントが合ってないのに、ピピッと鳴るんだけど…」
これは、夜景の撮影でよくお聞きします。
何度か半押しして、それでも合わないならしょうがありません…
『マニュアルフォーカス』に切り替えて、自分でピントを合わせましょう。
ただ、夜景にマニュアルでピントを合わせるのは大変です。
明るいうちに練習が必要です。
『マニュアルフォーカスにも慣れておきましょう!』
『マニュアルフォーカスは画面を拡大!こだわりのピント合わせ』
イルミネーションも明るさが大事です!
写真は写る明るさがとても大切です。
『露出補正』でしっかり自分好みに微調整していきましょう。
ただ、プラスに補正(明るく)したときは、シャッター速度がさらに遅くなるので注意が必要です!
自分好みの明るさにしっかり合わせて、カメラを置いて(三脚で)撮る。
たったこれだけで、写真の仕上がりはガラッと変わります。
ホワイトバランスで色を付けて遊ぶ
ホワイトバランスは『オート(AWB)』でもキレイに写りますが…
プリセットを変えて、色でイメージを付けると楽しさ倍増です!
暖色系のイルミネーション+『日陰』=ゴールドイルミネーション
ゴージャスな雰囲気です。
寒色系のイルミネーション+『電球』=ブルーイルミネーション
クールな雰囲気です。
さらに、『ホワイトバランスの微調整』を覚えてしまえば…
『ピンク&ゴールド』や『ライトブルー』や…
皆さんの自由なイメージで、思う存分色遊びができます。
電子ファインダーやライブビューを見ながら、好きな色を付けてみましょう!
ボケをキレイに出す
キレイにボカすコツは大丈夫ですか?
レンズの基本をしっかりマスターして、ボケを自在にコントロールしましょう。
前ボケでアクセントをつける
ボケを前に入れると、一味変わった写真になります。
イルミネーションをボカして背景に
イルミネーションをボカして背景にするのもキレイです。
混雑している人気スポットでどう撮るか?
人気スポットはどこもすごく混んでいます。
どう狙っても人が入ってしまったり、駐車しているトラックが写ったり…
賑やかな街の表情が撮りたければ、すべてを生かして雰囲気を記録するのもキレイですが…
イルミネーションをメインに撮りたければ、結構苦労するところです。
日時を狙う オススメ度☆
人気のスポットでも意外と人が少なめなのが、日曜日の遅い時間です。
丸の内や六本木では、毎日23:00くらいまでイルミネーションが点灯しています。
日曜日の22:00以降は意外と撮りやすくなります。
ただ、カメラマンは多いです。(笑)
狭く切り撮る オススメ度☆☆
風景から人を消してしまう方法…
それは、望遠レンズを使って”狭く切り撮る”ことです。
ほんとは混雑しているのに、誰もいない皆さんだけの世界がファインダーに映りますよ!
ただ、望遠レンズはさらにブレやすいので注意が必要です。
スローシャッターでブラす オススメ度☆☆☆
スローシャッターで撮ると、歩いている人が”ブレて”消えてしまいます。
雑誌などで良く見るちょっと技ありげな写真ですが…
実は、カメラを固定すれば誰でも簡単に撮れます。
設定は『シャッター速度優先』で、”2秒”にするだけ。
2秒、4秒、8秒と時間を変えて撮ってみても面白いですよ!
スマホはシャッター速度を自由に変えられないので、まさに一眼ならではの一枚が撮れます。
※風の強い日はブレてしまいます。
デジカメならでは自由な表現を!
なんでもアリのデジカメです。
もっと自由に、光のアート作品に仕上げるのも楽しいです。
上の写真は、『シャッター速度優先』で、4秒に設定して撮っています。
この4秒の間に、カメラを円を描くように動かしてワザとブラします。
ハートなんかもハマりますね!
レンズの汚れに要注意!
レンズの先端は、指紋やハンドクリームなど、油性の汚れが付きやすいですよね?
この油性汚れ、イルミネーションの撮影では結構目立ってしまうのです。
撮影の前にしっかり汚れを落としておきましょう。
『いつもキレイ!カメラとレンズの簡単クリーニング』
でも実は、この汚れを生かして、紗がかかったように撮るのもちょっとキレイなんです。
ご興味のある方は、スマホで試してみましょう!
メインのカメラでやるなら、レンズ直接ではなく、必ず保護フィルターを使いましょう。
寒い季節の屋外撮影は、風邪をひかないように暖かい格好で楽しく撮影してくださいね。
お疲れ様でした!