カメラが楽しい GoogleのPixel 7 Pro、僕も発売記念のキャンペーンでお得に手に入れてから、パチパチ撮って遊んでいます。
ところで、皆さんは「Pixel 7 Proで撮った写真がシャープすぎる」と感じる事はありませんか?
Pixelのシャープでカリカリな仕上がりは、僕が初めて手にしたPixel 4 XLでも感じましたが、3世代後となる Pixel 7 Proの成熟ぶりに期待していたところ、角が取れるどころか、逆にさらに尖った様にも感じます(笑)。
「ハッキリ・クッキリな写りが人気の秘訣!」というのも分かりますが、フィルムでも撮っていた人間からすると、「もう少し自然で柔らかい感じに撮れても楽しいのでは?」と、欲が出てくることろです。
という訳で今回は、Pixel 7 Proの強すぎるシャープ感や解像感にやや食傷気味の方におすすめな無料のカメラアプリ、「オープンカメラ(Open Camera)」をご紹介していきますので、よろしければ一度お試しください。
買った当初の感動が薄れつつある方も、写りの味変が楽しめます。
追記:Pixel 8 Proはナチュラルに寄りました!
詳しくはこちらの記事で
Pixel 7 Proから 8 Proへ 買い替えるべき?
Pixel 7 Proのデフォルトのカメラはシャープすぎ?!
下の猫の写真は、左側はPixel 7 Proのデフォルトのカメラアプリで、右側は今回ご紹介するオープンカメラで撮りました。
2枚はアプリを切り替えて撮っただけですが、よく見ると(パッと見でも)、写りの印象が かなり違うのが分かると思います。
Pixel 7 ProOpen Camera
左側のデフォルトカメラで撮った方は 全体的にシャープで、模様は濃いめ、毛並みは硬そうに写っていて、野良猫のようなワイルドさが漂います。
一方、右側のオープンカメラで撮った方は 毛並みもふわっと柔らかく写っていて、可愛らしい家猫感があります。
他にも、お花や料理や風景などなど、基本的にはどんな被写体を撮った場合でも…
デフォルトのカメラ → 硬め・強め・シャープ
オープンカメラ → 柔らかめ・優しめ・ふんわり
といった印象で写ります。
ただ、これはどちらが良い・悪いという事でなく、使うフィルムを選ぶような感覚で、両者の特徴を活かして使い分けると、Pixel 7 Proでの撮影がより楽しくなると思います。
僕はホーム画面にこの2つのアプリを並べて置いてます。
ちなみに、画面の端が丸みを帯びているPixel 7 Proは、保護フィルム選びが難しいことも気になりますが、僕は 運よく 2回目に買ったフィルムが結構良かったので ご紹介します。
ところで、画面の端が丸みを帯びている Pixel 7 Proは保護フィルム選びが難しいスマホですが、僕は 運よく 2回目に買ったフィルムが結構良かったので ご紹介します。
画面上部にギリで合わせて貼らないと、下が余って浮いてしまう程の全面保護なので、最初は見事に失敗しましたが、それを見越しての2枚入りなのか、次で上手く貼れました。
見た目は まさに存在感ZEROといった感じで、僕が重視している指の滑りも サラサラなアンチグレア程ではありませんが、不思議と悪くありません。
貼り方は少し難しめですが、手順動画でイメトレしてから貼れば 多分大丈夫だと思います。
Androidの無料カメラアプリ、オープンカメラとは?
Pixel 7 Proの強シャープでHDRな仕上がりは、Googleご自慢のの優秀な画像処理によって仕上がりますが、それはデフォルトのカメラで、JPEGで撮った場合にフルで発揮されるようなので、サードパーティーのカメラアプリを使えば、処理なし(弱め)の写真を撮ることができます。
そして今回、デフォルトカメラの代わりに選んでみたのが、昔から人気がある「オープンカメラ(Open Camera)」というオープンソースのアプリです。
オープンカメラは 2013年に登場した完全無料のカメラアプリで、ISO感度やシャッター速度、ピント合わせなどをマニュアルで設定できたり、様々な撮影モードがあったりと、非常に多くの機能を備えています。
もちろんオートでも撮れますので、僕は明るさ・ピント位置・ズーム位しか弄りません。
撮影画面はシンプルですが、スマホというより、一眼カメラと似た操作感です。
デフォルトカメラの洗練されたUIに比べると、少し使いにくく感じますが…
よく使う「露出補正」を音量ボタンに割り当てておけば、そんなにストレスはありません。
音量ボタンに「露出補正」を割り当てる
→
↓
→
これで、音量ボタンの+と-で、写る明るさを素早く自分好みに調整できます。
それから、構図が整えやすくなるグリッド線もおすすめです。
→
iPhoneと同じ3×3がおすすめ
シャッター音は設定でOFFにもできますが、ONのままでも マナーモード中は音が鳴らないという 気の利いた仕様となっています。
他にも様々な設定ができますが、「変えた設定は自分で戻さないとずっと残る(一眼カメラの応用モードと同じ)」ので、その点は注意が必要です。
勿体ないけど…、超解像ズームとHDR+ 無しで撮ってみる
繰り返しになりますが、サードパーティーのカメラアプリで撮影すると、Pixelご自慢の画像処理が無効になります。
もし Pixel 7 Proの強めなシャープ感と無理矢理な解像感に違和感を感じる方は、一旦それらをオフにして撮ってみましょう。
ちなみに、スマホの中でどんな処理を行って写真が作られるかは、Pixelの製品ページには詳しい内容が載っていませんが、興味のある方は以下のページをご覧になると面白いと思います。
Pixel 7 および Pixel 7 Pro スマートフォンは、Pixel スマートフォンでこれまでにない最高の写真とビデオ体験を提供します。ハードウェア、ソフトウェア、機械学習の多くが計算写真機能に組み込まれています。ここでは、Pixel Camera でできる 10 の新しい機能と、それらをどのように実現したかを紹介します。
https://blog.google/products/pixel/pixel-7-camera/
中でも メインとなる処理は、超解像ズーム(Super Res Zoom)と HDR+ です。
◎ 超解像ズーム(Super Res Zoom)
Super Res Zoom テクノロジーは、多くのフレームを結合するため、 1 つの画像のクロップを拡大することに基づく以前のデジタル ズーム技術とは異なり、優れています。
https://ai.googleblog.com/2018/10/see-better-and-further-with-super-res.html
◎ HDR+
この機能は、異なる露出時間で撮影した画像を結合して画質 (特に影) を改善することで機能し、より自然な色、改善されたディテールとテクスチャ、およびノイズの低減をもたらします。
https://ai.googleblog.com/2021/04/hdr-with-bracketing-on-pixel-phones.html
ボケ感がかなり違う
まず初めに、これは結構驚きましたが、デフォルトのカメラよりオープンカメラで撮った方が、背景のボケが自然な感じに写ります。
Pixel 7 ProOpen Camera
デフォルトのカメラは、ボケの部分にも超解像処理が施されてしまうのか、何となく背景がゴチャつきやすい印象です。
お花を撮るのが好きな方なら、オープンカメラで撮った方が、全体的に柔らかい雰囲気と自然なボケ感でしっくりくると思います。
ダメージ・エイジング加工が軽減?!
建物を撮ったときも、両者の写りの違いが出やすいと思います。
Pixel 7 ProOpen Camera
デフォルトのカメラで撮ると、何となくエイジング加工やダメージ加工が施されたように写るのが不満(ハマるときはカッコ良いですが…)でしたが、オープンカメラで撮るとその様な感じにはならず、実際の見た目に近い感じに写ります。
Pixel 7 ProOpen Camera
デフォルトのカメラだと、食べ物も何となくカサカサでパサついた感じに…
Pixel 7 ProOpen Camera
望遠側も案外いける?!
望遠が強いのも、Pixel 7 Proのカメラの売りです。
「さすがに望遠や超望遠域は超解像処理が必須か?」と思いきや、意外にもその予想は外れ、オープンカメラで撮った方がやはり写りが自然で、若干ソフト過ぎにも見えますが、何となく空気感も感じられ好印象です。
Pixel 7 ProOpen Camera
また、Pixel名物(?)のニュルッと強調される独特な輪郭も、オープンカメラでは見られません。
Pixel 7 ProOpen Camera
個人的には、望遠側もオープンカメラで撮って、後で編集で上手くシャープをかけた方が、好みの仕上がりになるように思いました。
望遠側の使い勝手は両者殆ど同じで、オープンカメラでもしっかり手振れ補正が効きますが、下図のような便利な「画角ガイド」は出現しません。
15x以上にズームすると右上に出現
自分で味付けしたくなる ノーマル感が嬉しい
シャープでインパクトのあるデフォルトカメラの写りに比べて、オープンカメラで撮った方は、被写体や 光の状況などによっては、少し甘く 少し眠たく 物足りなさを感じる事もあります。
Pixel 7 ProOpen Camera
でも 個人的には「少し弄ったらイイ感じになりそう!」と、創作意欲を刺激される、程よくノーマルな仕上りにも感じます。
最初からガチガチに出来上がった写真は、イメージ通りなら文句はありませんが、そうでない場合は手直しし難く、かと言って気に入らないままアルバムに保存していくのも、何となくモヤっと感が残ります…
Pixel 7 ProOpen Camera
デフォルトカメラは網戸越しでもお構いなく超解像
明暗差が大きい時の「暗」のディテールは、デフォルトカメラが圧倒的
さて、ここが悩ましいところなんですが…
ここまでの比較では、オープンカメラで撮った写真の方が、ディテールが柔らかく自然で、その後の加工にも繋げやすく、個人的には 撮っていて楽しいと感じます。
ただ、室内や逆光など、明暗差が大きいシーンでは、デフォルトカメラの HDR+の優秀さが際立ちます。
Pixel 7 ProOpen Camera
デフォルトカメラは飛びにくく潰れにくい
シャッターをタップするだけで、明も暗も程よい明るさに写してしまう Pixel 7 ProのHDR+は恐るべしです。
オープンカメラの方は、露出をもう少し明るく補正すれば室内はもう少し見えますが、いわゆるカメラと同じようにハイライト側が犠牲になります。
下の写真では、暗くてあやふやになりそうな庭門の屋根裏のディテールが、デフォルトのカメラの方はしっかり残せています。
Pixel 7 ProOpen Camera
暗部が残るのは嬉しいが、後ろの木々がシャープでトゲトゲしい…
逆光や室内など、明暗差が大きめなシーンは、積極的に狙って撮りたい面白いシーンですが、そのときは デフォルトカメラのHDR+に頼った方が、(写りは強シャープになりますが…)結果は良いと感じます。
このように色々な場面で撮り比べてみると、デフォルトのカメラで超解像処理やシャープの強弱を自分で調整できるようにファームアップしてくれたら… 、と思わずにはいられません。
ちなみに、オープンカメラにも HDRモードがありますが、やはり PixelのHDR処理の方が優秀です。
センサーとレンズの素の性能は かなり良いのでは?
これまで Google Pixelシリーズは、小さいセンサーの非力な画力を画像処理で強力に補完するという路線で、高い評価を得てきたスマホです。
ただ、今回色々と撮り比べてみて意外だったのは、Googleのご自慢の画像処理を外しても、かなりイイ感じに撮れると言う事で、Pixel 7 Proはセンサー自体の性能も相当良いのでは?と感じました。
ただ、「最強の画像処理 + 高性能なハード = 良い写真」という式は、どうやら単純には成立しない様です。
2022年に行われた 海外のスマホ写真比較テストで、Pixel 7 Proも iPhone 14 Proも Xperia I IVも候補に上がる中、1位を獲得したスマホが Google Pixel 6aだった、という結果をご存知かもしれません。
15万円「iPhone 14 Pro」に5.4万円「Google Pixel 6a」が〝カメラで圧勝〟という驚がくのデータ|AppBank
このプラインドテストで、大型で高性能のセンサーを積んだ上位モデルのスマホが、センサーの小さい数年前のスマホに負けてしまった事から、センサーとソフトをマッチングさせる事が、時間の掛かる難しい作業だということが想像できますが、Pixel 7 Proも今後、センサー自体の性能を最大限に生かせるように画像処理とのマッチングを調整して、バランスの良い画質になる様に期待したいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。