「ピントが全然合ってくれないときがあるんですけど…」
FLOWERCAMERAの写真教室に来て、このように言われる方が結構いらっしゃいます。
でも、ただピントが合わないといっても…
レンズは動くけどピントが合わないのか?
そもそもレンズが全く無反応なのか?
他のレンズなら問題ないのか?
などなど、様々な状態が考えられます。
今回は、オートフォーカスでピントが合わないとき、レンズが全く動かないとき…
こんなときに慌てないためのチェックリストをご紹介します。
設定が悪いのか?
使い方が悪いのか?
それとも壊れてしまったのか?
問題を切り分けてみましょう。
他のレンズや、他のボディで試してみる
もし、同じシステムで他にもレンズやボディをお持ちでしたら…
それぞれを組み替えて、同じ症状が出るかチェックしてみましょう。
ボディ側の問題か?
レンズ側の問題か?
おおよその検討がつくかもしれません。
ボディ側の問題?
いつの間にか、MFに切り替わっていた
カメラをメーカーに持って行って、これが原因だったなんてこともあります…
まず最初に疑ってみましょう。
『まさかそんな…』と思うかもしれません。
でも、カバンの中でスイッチが動いてしまったり…
撮影中に意図せず設定を変えてしまったり…
結構ありがちです。
ボディ側で切り替え
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-009-1024x493.jpg)
レンズ側で切り替え
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-002-1024x489.jpg)
AFに関する設定を変えた
何かの設定をしたせいで、AFが効かなくなっているのかも知れません…
撮影モードを一度”オート”にして、AFが動くか試してみましょう。
”オート”でAFが動くなら…
応用撮影モードのどこかの設定を変えてしまった疑いが濃厚です。
どこを変えたか記憶がなければ…
本体設定を一度リセットしてみましょう。
いつの間にか、シャッターボタンから”AFの動作”を外してしまった…
こんなまさかも、絶対ないとは言い切れません。
実際、僕に見せてくれた方のカメラがそうなっていました。
(本人は設定した記憶はないそうです。)
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-008-1024x505.jpg)
カメラを誰かに貸して、戻ってからおかしい…
そんなこともありますね(笑)
AFポイントが移動してしまった
AFポイントは”真ん中1点”がオススメですが…
いつの間にか端っこに移動してしまっていることもあります。
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-004-1024x385.jpg)
これだと、被写体を真ん中に持ってきてAFを合わそうとしてもピントが合いません。
カメラによっては、AFポイントを十字キーなどでダイレクトに動かせたりします。
使い勝手は良いですが、撮影中に意図せず動かしてしまうことも良くあります。
もし、AFポイントがいつも動いてしまってお困りなら…
あえてダイレクト移動を”OFF”にしてしまうのも良いかも知れません。
マクロモードになっている
マクロモードは、コンパクトデジタルカメラなど、レンズ交換のできないカメラに多い仕様です。
レンズ交換ができない代わりに、マクロモードに設定することで簡単に”超接写”ができます。
ただ、その設定のままでは遠景にピントが合いません。
結構良くあるケースです。
レンズ側の問題?
そのレンズ特有の機能のせい?
他のレンズではピントが合うのに、そのレンズだけダメなときは…
そのレンズだけが持つ機能が原因なのかもしれません。
”フォーカスリミッター付き”のレンズ。
マクロレンズや望遠レンズは、ピントを合わせる際、中のレンズが前後に大きく動きます。
広角レンズや標準レンズよりピント合わせが遅いのはそのためです。
”フォーカスリミッター”は、ピントを合わせる範囲(距離)を限定させて…
ピント合わせを少しでも早くするための機能です。
ピントが合わないレンズに、こんな見慣れないスイッチが付いていませんか?
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF,フォーカスリミッター](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-010-1024x436.jpg)
慣れるまでは…
”近くも遠くも”に設定しておきましょう。
”AF/MF切替機構付き”のレンズ。
普段はボディ側で切替るカメラなのに…
そのレンズだけ『レンズでも切替』できたりする場合があります。
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-003-1024x383.jpg)
本体がAFの設定になっていても…
レンズがMFに設定されていると、AFが効きません。
このように、そのレンズ特有の”機能や操作”があったりしますので…
レンズの説明書も一通り目を通しておきましょう!
ボディとセットで買うと、レンズの説明書が付いてこないこともありますが…
メーカーのサポートページに行けばダウンロードできます。
カメラがレンズを認識していない
これも本当に良くあります。
カメラとレンズは電子接点を通して、常に情報をやり取りしています。
レンズを交換したとき、この接点がしっかり合っていないと…
いつも通りに像は映るのに…
シャッターも切れるのに…
”AFだけ効かない”という状態になる場合があります。
(メーカーによって多少動作が違います)
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-006-1024x474.jpg)
ミラーレスには、小型で薄いレンズが多く人気です。
ただ小さいレンズは、付けるときに指に力を入れにくいので注意が必要です。
レンズがちゃんと装着されたときは、最後に『カチャッ』と音がします。
この音がするまで、しっかり回しましょう。
また、レンズはしっかり付いているのに、認識されないこともあります。
こんな場合は、両方の電子接点を綿棒などでキレイに掃除すれば、元に戻ることも多いです。
昔のファミコンのカセットと同じ扱いです(笑)
近寄りすぎ
これも良くあります。
レンズには、ピントを合わせられる”被写体までの一番短い距離”が決められています。
これを”最短撮影距離”といって、レンズごとに違うんです。
この”最短撮影距離”を超えて近付くとピントが合いません。
特に、望遠レンズの最短撮影距離は”長め”なので…
しっかり離れて撮る必要があります。
MF専用レンズ
短いフランジバックを生かして、他社のレンズや昔のレンズを付けて遊ぶ…
ミラーレスはこんな楽しい使い方も人気です。
ただ、AFは基本的に同じメーカーの同じシステムのレンズじゃないと効きません。
他社のAFレンズを自分のカメラで使うときは…
”MF専用”になります。
そもそもピントが合いにくいシーン
画角の中に”点光源”が入っている
ミラーレスの”コントラストAF”は、画面に”点光源”が入るとAFが迷いやすくなります。
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-001-1024x678.jpg)
夜景やイルミネーションを撮るときにありがちです。
迷うだけならいいんですが…
ピントが合っていないのに、カメラが『合っている』と認識する場合もあります。
こんなときは…
”点光源”を画面から外してピントを合わせたり…
AFはあきらめて、MFで合わせる必要があるかもしれません。
ピントを合わせたいところが”単色”
コントラストAFは、被写体の”色のコントラスト”を見てピントを合わせます。
ただ、被写体が単色(白だけ・赤だけ・青だけなど)になると…
コントラストの比較ができず、ピントを合わせることができません。
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-007-1024x574.jpg)
また、厳密なピント合わせをしようとして、AFの枠を小さくしすぎると…
必然的に”AF枠”の中が単色になることが多くなります。
![ピント合わない,ミラーレス,コントラストAF](https://flowercamera.net/wp-content/uploads/2016/08/koneta-20160715-005-1024x391.jpg)
暗い場所
メーカーや機種によって『暗くても正確なAF』がウリなカメラも多いですが…
基本的に、暗いところでのAFは頼りになりません。
『合ったらラッキー』くらいの気持ちで、MFで合わせる選択肢も考えましょう。
汚れている?壊れている?
AFセンサーが汚れている
一眼レフには、レフミラーの下に”AFセンサー”が付いています。
(ミラーレスにはありません)
このセンサーが汚れると、AFの動作や正確さに問題が生じる場合があります。
カメラを大事に使っていても…
ほこりや湿気、静電気などで汚れが付くことがあります。
これは故障ではありませんので…
”AFセンサー”を慎重に清掃すれば解決するハズです。
レンズから何か音がする
レンズの内部で何かが起きています…
レンズをぶつけたりしませんでしたか?
これは、さすがに修理のニオイがします…
シャッターボタンが壊れている
シャッターボタンの反応が悪い場合もあります。
全押しは効くのに、半押しが効かない = AFが効かない。
僕のカメラも昔そうなって、修理に出しました。
カメラとレンズの”位置”のやり取りがズレている?
一眼レフの位相差AFは…
カメラが被写体の位置(距離)を測って、レンズをその位置に動かすという仕組みです。
ただ、まれにカメラとレンズで”位置”の認識にズレが生じることがあります。
そうなると、ピントが少し前にズレたり、後ろにズレたりします。
この場合は、カメラで”位置”の設定を微調整することができます。
ただ、結構シビアなところなので…
更にズレを大きくしてしまうこともあります。
どれも本当にあったお話です。
今回ご紹介した原因や対処法は、どれも実際にあったお話です。
まずは上記のところをチェックしてみると、解決するケースも多いんじゃないかなと思います。
それでも原因が分からない場合は、メーカーの電話サポートに確認してみましょう。