いくら、今のカメラのオートフォーカスが優秀とはいえ、狙ったところに常にピンポイント!を要求するのはさすがに酷なお話かもしれません。
自分が納得できる厳密なピント合わせがしたければ、オートフォーカスからマニュアルフォーカスに切り替えて、自分の目と指を使って合わせることも必要です。
普段の撮影ではオートフォーカスオンリーでも全く問題ありませんが、花火や夜景などの暗い場所だと、ピントが全く合わなくなってしまうこともあります。
いざという時のために、初心者さんも一度は「マニュアルフォーカス」に触っておくことをオススメします。
意外と「撮っている」という実感が湧いて、楽しいかもしれません。
マニュアルフォーカスが有効な場面は2つ
マニュアルフォーカスを使うのはこんな場面です。
オートフォーカスでも合うけど、もっと厳密に合わせたいとき。
「お花のしべに合わせたい!」
「花びらの先端から5mmくらい後ろに合わせたい!」などなど…
オートフォーカスでも合うけど、もっとバッチリ、ピンポイントで合わせたいときです。
マクロレンズで接写するときなどに多いかもしれません。
ただ、オートフォーカスでピントがうまく合わないのは、何か他に原因があるかもしれません。
『カメラのせい?レンズのせい?オートフォーカス(AF)でピントが合わないときのチェックリスト』
カメラのせいにする前に、一度チェックしておきましょう!
暗い場所など、オートフォーカスが全くダメなとき。
オートフォーカスは、ある程度の明るさがないと本来の力を発揮できません。
特に暗い場所では『合ったら褒めてあげる』くらい気持ちが大切です。(笑)
また、コントラストが乏しい(単色など)被写体や、点光源(イルミネーションなど)を前にすると急に迷いやすくなります。
これまで「合わないなぁ…」と思って諦めていたなら…
これからはマニュアルフォーカスでチャレンジしてみましょう。
マニュアルフォーカスで自分で合わせる。
マニュアルフォーカスを使うときは、まずフォーカスモードを『MF』に替えます。
カメラで操作する場合と、レンズで操作する場合がありますので、説明書で確認しておきましょう。
『MF』に設定したら、次はレンズの『ピントリング』を探します。
ピントリングは、レンズ(ピント)をマニュアルで動かすためのリングです。
ズームレンズの場合、ズームリングとピントリングが並んでいることも多いので、間違えないようにしましょう。
ファインダーやモニターを見ながらリングをグリグリ回すと、ピントがボケたりハッキリしたりするはずです。
ピント合わせは「行って戻って」
それでは、何か被写体を用意して、ピント合わせの練習してみましょう。
コツは「行って戻って」です。
① まず、大まかにピントを合わせます。
② 次に、わざと前後どちらかに少し行き過ぎます。
③ 最後に、ゆっくり戻して決めます。
(最短撮影距離に気をつけましょう)
感覚を掴むまで繰り返しましょう。
リングが永遠と回り続ける?
今のレンズは、ピントリングとレンズが電子的に繋がっているだけのモノが多く、レンズが端まで移動してもリングは永遠と回り続けます。
壊れているわけではありません。
一方、昔のレンズは、お互いがメカ的に繋がっていて、レンズが端まで来くるとピントリングもガツンと止まります。
リングを止めてもピントが動く?
電子的に繋がっているレンズの場合、ピントリングの動きをセンサーで感知して、モーターがレンズを動かします。
セット購入など、エントリークラスのレンズはほとんどこの仕組みです。
リングを勢いよく回しても、レンズの動くスピードが変わらない…
リングを止めても、レンズが少し動く気がする…
昔はこんなに回さなくてもよかった…
などなど、違和感を感じるかもしれませんが、これも故障ではありません。
デジカメのレンズのほとんどは、オートフォーカスのために最適化されていて、『一応、マニュアルでも動かせますよ』的な感じです。
もし、昔のマニュアルレンズを持っている方がいたら、ピントリングの感触を触らせてもらうと良いですよ!
MFを常用するなら、AFと一緒に使うのがオススメ!
マニュアルフォーカスのメリットは、”厳密なピント合わせ”ができること。
オートフォーカスのメリットは、”素早いピント合わせ”ができること。
この両方を同時に使えたら最高だと思いませんか?
まずは、オートフォーカスでスッと合わせて…
その後、マニュアルフォーカスで思う存分微調整。
そんな、ベテランさんが好むこだわりのピント合わせも、カメラの設定をちょこっと変えれば簡単です。
ここでは3通りの方法をご紹介していきます。
(機種によってできない場合もあります。)
『AF+MF』に設定する。オススメ度★☆☆
設定: フォーカスモードを『AF+MF』に。
(機種ごとに設定名は違います)
設定が一番簡単なのがこの方法です。
このように設定すれば…
① シャッターボタンを半押しして、『AF』でピントを合わせる。
② 半押ししたまま、ピントリングを回して『MF』で微調整。
③ 全押しして撮る。
このような撮り方ができます。
ただ、僕もそうですが、半押ししたままピントリングを回すのってイヤじゃありませんか?
不意に半押しを離してしまうと…
せっかく時間を掛けて追い込んだピントも、無かったことにされてしまいます。
もっと使い勝手の良い方法は、次にご紹介する2つです。
『AF』と『MF』を1ボタンで切り替える。オススメ度★★☆
設定: カスタムボタンに『AF/MF切り替え』を割り当てる。
通常、『AF/MF』の切替は、フォーカスモードの設定を呼び出して替える場合がほとんどです。
ただこれでは手数が多く、撮影中に変えるのは面倒です。
でも、この切替をカスタムボタンに登録してしまえば…
『AF』⇄『MF』はワンアクション!
ファインダーを覗きながらでも簡単です。
このように設定すれば…
① 『AF』で被写体にピントを合わせる。
② 『切り替えボタン』を押して、『MF』にする。
③ ピントリングでじっくりピントを合わせる。
④ 撮る。
このような撮り方ができます。
- ☎ 電話サポートに聞くならこんな感じに…
- 『AF』と『MF』の切替をカスタムボタンに登録したい。
シャッターボタンとは別に『AFボタン』を作る。オススメ度★★★
どうせボタンをカスタマイズするなら…
シャッターボタンとは別に『AFボタン』を作ってしまいましょう。
撮影のテンポが一番良いのはこの方法です。
設定①: シャッターボタンの『AF機能』を無効に。
シャッターボタン半押しで動くAFを無効にします。
設定②: カスタムボタンに『AF機能』を割り当てる。
カメラを構えたまま、右手親指で押せるボタンに割り当てましょう。
設定③: フォーカスモードは『MF / DMFなど』に固定。
このように設定すれば…
① カメラを被写体に向けて、割り当てた『AFボタン』を押す。=AF
② ピントリングでじっくりピントを合わせる。=MF
③ シャッターボタンで撮る。
このような撮り方ができます。
シャッターボタンは、シャッターを切るためだけ。
半押しが苦手な方にもオススメです!
詳しくはこちらでご紹介しています。
マニュアルフォーカスも楽しそう!でもオートフォーカスも捨て難い… だったら「一緒に使う」のがオススメです!
これは俗にいう『親指AF』という使い方で、初めから『AFボタン』が設定されているカメラもあります。
- ☎ 電話サポートに聞くならこんな感じに…
- マニュアルフォーカス中でも、オートフォーカスが効くボタンを作りたい。
『AF+MF』にするのはどうですか?と言われたら…
「半押しし続けるのは嫌なんです」と言いましょう。
ミラーレスはマニュアルフォーカスが得意!?
デジカメのオートフォーカスは凄い勢いで進化していますが…
マニュアルフォーカスの使い勝手は、しばらくそのまま放置されてきました。(笑)
ただ、メーカーさんも分かっています。
特にミラーレスが登場してからは、デジタルならではの”新しい使い勝手”が次々と追加されています。
像を拡大してピントを合わせられる!
フォーカシングスクリーンにルーペを当てて見るように…
モニターに映る像を好きなだけ拡大することができます。
『マニュアルフォーカスは画面を拡大!ライブビューでこだわりのピント合わせ!』
ピントが合っている部分に色を付けくれる!
ピントが合っているかどうか?
これまでは自分の目で判断しないといけませんでした。
でも、なんと最近のミラーレスは、『ここにピントが合っている!』と色を付けて教えてくれるんです。
『ミラーレス一眼はマニュアルフォーカスが得意?『フォーカスピーキング』で簡単MFピント合わせ!』
手ブレ補正で像の揺れを抑えてくれる!
ブレの失敗の原因となるカメラの揺れは、ピントを合わせるときでも大敵です。
でも、手ブレ補正を効かせれば、覗いているときの揺れも補正してくれます。
(機種によります)
揺れが少ない方が、しっかり、じっくり、落ち着いてピントを合わせられます。
像を拡大してもらって。
ピントの山を色で教えてもらって。
手ぶれ補正で揺れを抑えてもらって。
今はこれだけ手厚くカメラが補佐してくれます。
先日、フィルムのマニュアルカメラで撮ったら、ピントが酷いことになっていました。(笑)
誰でも好きなだけ、”その場で”ピントにこだわれます。
撮って→再生→拡大して…
撮ったその場ですぐにピントのチェックができるのもデジカメの良いところです。
フィルムだったら、現像してみないと分かりません…
『家族旅行から帰って写真をチェックしたら、かなりピンボケで気まずい…』
そんなことがないように…
大事なシーンはその場でしっかり確認しましょう。
お疲れ様でした!