カメラを被写体に向けてから、シャッターを押すまでの順番はいつもこんな感じです。
1|カメラが被写体の明るさを測る。
2|測った明るさを元に、絞り、シャッター速度、ISO感度がセットされて『写る明るさ』が決まる。
3|カメラが決めた『写る明るさ』が気に入らなければ露出補正で調整する。
4|カメラが決めた色合いが気に入らなかったらホワイトバランスを調整する。
5|ピントと構図を決める。
6|撮る!
2は、カメラに任せる人も、自分で決める人もいます。
3、4、5の順番は人それぞれかも知れません。
ただ、スタートが『被写体の明るさを測る』からなのは、いつでも誰でも同じです。
始めがおかしいと、後ろ全てがおかしくなる。
これはいろんなことに共通するアレですが、写真でも同じです。
今回のお話の『測光モード』は、その大事な”始め”に関わる設定です。
カメラに間違った指示を出してしまうと…
後ろ全てがおかしくなるかもしれません(笑)
カメラは『そこ』の明るさが分かります!
カメラには、被写体の明るさを測る『露出計』が組み込まれています。
光をレンズから取り込んで、被写体の明るさを遠くから測ってくれます。
レンズを向けた先の明るさは、人間は『そこ』に行かないと分かりません。
でも、カメラは『ここ』にいても『そこ』の明るさが分かるんです。
測光モードって何を設定するの?
「測光モードって何を設定するの?」
このように聞かれることがよくあります。
ホワイトバランスやISO感度に比べるととても地味な設定なので、存在自体を知らない方も多いです。
測光モードの設定は、『画面のどの部分の明るさを測るか?』を決める設定です。
なんかややこしそうですね(笑)
『どの部分』は3つの中から選べます。
「え?どこでも良いの?じゃあ右!」
残念ながら、『どの部分を測るか?』はあらかじめプログラムされている3つの中から選ぶお約束なんです。
① 画面全体の明るさの平均を測って欲しい。
『オート・評価・マルチ』を選びます。
② 画面の真ん中を中心に、少し周りも測って欲しい。
『中央重点』を選びます。
③ 画面のど真ん中をピンポイントで測って欲しい。
『スポット』を選びます。
測光モードは『オート・評価・マルチ』だけで良い?
明るさを測る工程はいちばん最初なので失敗できません。
ここはカメラに任せるのがいちばんです!
測光モードは『オート(評価・マルチ)』がいちばんオススメです。
一度設定したらそのまま変えない方が失敗が少ないんです。
中央重点やスポットを選ぶと、写真が急に明るくなったり暗くなったり…
カメラが壊れた!と思ってしまう方もいるんです。
『オート』にセットしたら、蓋をして鍵をかけて封印してもいいくらいなんです(笑)
測光モードの変え方をチェック!
さて、今、皆さんのカメラの測光モードはどうなっていますか?
AUTOやシーンで撮っている方なら、多分『オート』です。
応用撮影モードだけど、何も設定を触っていなければ、多分『オート』です。
応用撮影モードにすると、なんか明るさがおかしくなって撮りにくかった方…
もしかしたら『オート』以外になっているかも知れません。
設定名がメーカー毎に違うので、下の表を参考に『オート』に設定しましょう。
しっかり見張る!のが使い方。
測光モードはいつも『オート』のままがオススメです。
ただ、気づかないうちに変わっているから怖いんです。
「初めはキレイに撮れたけど、途中から急に画面が明るくなったり、暗くなったりで撮りにくかった…」
そんなとき、測光モードを見てみると『スポット測光』だったりすることが良くあります。
常に『オート』かどうか見張っている!
これが測光モードの使い方かもしれません。
どうやって見張るか?はマークを見れば分かります。
測光モードの3つのマークを覚えて、『オート』以外のマークに変わっていたらすぐ戻す!
これだけです。
カメラが勝手に変えることはありません。
気付かずに…
知らないうちに…
勝手に設定が変わっていることってありませんか?
でもそれは、無意識のうちに自分で動かしたケースがほとんどです。
ミラーレスはカメラが小さいのでボタン同士の間隔も狭くなりがちですが…
なるべくボタンの上に指を置かないようにしましょう。
とは言え、僕の指もボタンを”勝手に”押しまくってくれます(笑)
測光モードで明るさの微調整はできません。
「明るさに関する設定なら、こまめに変えて調整した方が良いんじゃないの?」
こう思う方もいるかも知れません。
確かに、写真は『写る明るさ』のコントロールがとても大切です。
でも『測光モード』は明るさを微調整する機能ではありません。
明るさをコントロールするなら『露出補正』が本命です。
『暗い?明るい?写真の明るさは『露出補正』で簡単・自在にコントロール!』
測光モードを変えるときはどんなとき?
普段は『オート』のまま封印の測光モードですが…
変える場面があるとするなら、露出補正で補正しきれないほど大きい明暗差があるときです。
例えば満月を撮るとき…
真っ暗な空と明るい満月とでは、相当大きな明暗差があります。
月の明るさに合わせようと露出補正で頑張っても、おそらく補正しきれないハズです。
そんなとき『スポット測光』に切替えると、カメラは月だけの明るさを測ってくれます。
月をしっかりキレイに撮りたい方はこちらもどうぞ。
ただ、スポット測光でピンポイントで測っても、最後は露出補正で微調整するケースがほとんどです。
『オート』でも『スポット』でも、どっちも最後は露出補正するなら…
いちばん失敗の少ない『オート』のままがシンプルで簡単じゃない?ということです。
一眼レフだったら『スポット測光』の方がオススメ?
余談です。
僕が一眼レフをメインに使っていたとき、測光モードはいつも『スポット測光』、そして『AEロック』しながら撮っていました。
明るさが合っているか?
一眼レフは撮ってみないと分かりません。
撮って、見て、その結果からどれくらいの露出補正が必要か、頭の中で判断しないとダメなワケです。
”適の明るさ”にたどり着くまで、撮って、見てを何度も繰り返します。
もっとテンポ良くサクサク撮りたい!
こんな風に思ったら、1枚目からできるだけ”適”に近付けて撮るために、明るさを合わせたい被写体に『スポット測光』でAEロックするしかありません。
結果を見て「もう0.3プラスだな」と、2枚目で”適”が撮れたら超ベリーグッドなワケです。
ただ、ミラーレスは撮る前のモニターに『写る明るさ』が映っているんです。
露出補正で補正できる明るささえ測ってくれれば、あとは画面を見ながらこっちでしっかり合わせるよ!という撮り方ができるのです。
だからミラーレスの方が早くて確実、しかも簡単なのでオススメということなんです。
ただ、ミラーレスでAEロックするのも、これまた恐ろしく便利なんですが…(笑)
長くなりましたが、とにかく便利な世の中になりました。
- 測光モードの覚え方です
- 測光モードは『オート・評価・マルチなど』がオススメ!
- ほとんどそのままで変えなくて大丈夫。
- 写真の明るさは『露出補正』で微調整。
- 測光モードが変わってしまっていないか、しっかり見張る。
お疲れ様でした!