2025年4月に発売されたPixel 9a、本当はスルーする予定でしたが、評判の良さが気になって注文してしまいました(笑)
初期設定は後回しで早速パチパチ撮ってみたところ、写りは意外にナチュラルで、愛用のPixel 8 Proと比べても、パッと見で見分けがつかない写真もあったりとビックリです。
というわけで今回は、Pixel 9aのカメラと撮った写真の印象について、Pixel 8 Proと比較も含めてご紹介したいと思います。
Pixel 9aを検討されている方はぜひご参考いただければと思います。
被写体にスッと寄れるから撮りやすい
Pixel 9aは「カメラバーが無い」ことが話題ですが、それは搭載されているカメラのセンサーが小さいことを意味します。
メインカメラのセンサーサイズは、面積比で前モデルのPixel 8aより約20%小さく、Pixel 9より約40%も小さいそうです。(ただライバル機のiPhone 16eはもっと小さい…)

Pixel 8 Pro(左)とPixel 9a(右)
「どうして前モデルよりもセンサーを小さくしちゃったの?」と最初は疑問でしたが、実際に撮ってみると、「メインカメラのまま接写できた方が皆んな撮りやすいでしょ?」と、何となくそんな答えが返ってきたように感じ納得してしまいました。
確かにPixel 9aはメインカメラのまま約3cmまで寄れます。(Pixel 8 Proは9cm前後)
そのおかげで、特にテーブルフォトやお花、小物などを撮るのが好きな方は、まず最初にズームを2倍(50mm相当)に合わせたら、後は引いたり寄ったりするだけで、「全体もクローズアップも」様々なバリエーションがサクサク撮れて軽快です。




全部2倍で(50mm相当)
グーっと近づけた時にピントが合いやすいのもセンサーが小さいからこそで、ピンぼけの失敗が少なく撮りやすいです。
2倍はいわゆる「トリミングズーム」になりますが、処理の上手さも合わさり画質は殆ど劣化しないため、風景やスナップ、それから人を撮るときも「まずは2倍で」、「背景をもっと広く入れたいときは1倍で」という撮り方がハマります。
感覚的には「約3cmまで寄れる50mmの単焦点カメラ」を持ち歩るく感じで、気分に任せて「寄り引きしながらパチパチ撮る」のがPixel 9aの面白さな気がします。
※ ズーム操作は音量ボタンの上下に割当てておくと楽チンです。
カメラ設定 → ボタンのショートカット → 音量ボタンの操作を「ズーム」に
ぱっと見、Pixel 8 Proと差が無いように見える
買う前は「小さいセンサーで画質はどうなの?」と懐疑的でしたが、実際に撮ってみると色も自然で、これまでのPixelシリーズで培った写りの特徴も健在です。


ダイナミックレンジが広く、日向も日陰も適露出


水や濡れた竹の質感も自然


細かい描写も過度にシャープにならない


紅葉も透過光でキレイに撮れそう
発売前、メディアの記事には「センサーの小ささは強力な画像処理で補う」と書かれていたので、昔のPixel 6や7シリーズで見られた「カチカチでパサパサな感じ」が再現されないか懸念していましたが…、意外にも落ち着いた仕上がりで個人的には好印象です。
Pixel 7 Proの写真はシャープ過ぎ?柔らかく優しい感じに撮りたければ、無料アプリ「オープンカメラ(Open Camera)」がおすすめです
Pixelのお家芸「リアルな逆光」はPixel 9aも継承
Pixelと言えば「逆光の強さ」も特徴の一つですが、Pixel 9aでもそれは健在で、「目で見る明暗差」に近いリアルな逆光フォトが簡単に撮れます。


太陽を一緒に写しても真っ暗にならない


逆光スナップが楽しいPixelシリーズ
いずれの写真も影を見れば「ほぼ直射状態」の逆光なのが分かりますが、それでもこれだけディテールが写せます。(更にPixel 8 Proは色乗りも濃い)
ただ、逆光で撮っているときに気になったのが 「画面の暗さ」で、Pixel 8 Proと比べると「見えない」と感じる場面が多くありました。
最大輝度、ピーク輝度ともにスペック上ではPixel 8 Proを上回っているはずですが、サイド光や逆光で撮る場合、画面の明るさをオートにしていてもイマイチ輝度が上がりません。
※ 順光だとちゃんと明るくなります
モニターの明るさは、使用環境を学習して最適化する仕組みもある様なので、少し様子見といった感じもありますが、また、同じ声が多ければアップデートで改善されるかも知れません。


逆光時の露出補正は結果オーライな9a…(改善希望)
小さいセンサーでも夜景は意外と大丈夫!
夜景ももちろん三脚要らずで撮れるPixel 9aですが、さすがに夜の画質は厳しいかと思いきや、そこそこイケる感じです。
ただPixel 8 Proと比べるとノイズが多めで、細部のディテールは曖昧になります。


19:00頃、タクシーの艶感もイイ感じ


20:30、暗めの路地も何とかOK


今の1/2インチは夜景も色鮮やか
夜景の画質はやはりセンサーサイズの影響が大きいので、撮影頻度の多い方はPixel 8か9のProシリーズをおすすめします。


控えめに言っても、Pixel 8 Proは”凄すぎ”
柔らかいものが柔らかそうに写るPixel 8 Pro
Pixel 9aは、そのセンサーサイズから予想を超えるキレイな写真が撮れます。
ただ小さいセンサーの宿命でもあるボケの少なさと、画像処理で補う要素の多さから、どうしても「写りは硬め」になってしまいます。


8 Proの方がタンポポの質感が柔らかくボケも濃い
ちなみに、上の2枚はPixel 9aはメインカメラの2xで近づいて、Pixel 8 Proはマクロ(超広角)は使わず、メインカメラの3xで少し離れて撮りました。


9aは花がややパサついた感じに
8 Proは全体的にナチュラル
シャープネスやコントラストの強調、輪郭の強調やノイズ処理などなど、画像処理に頼るほど立体感や質感が乏しくなり、全体的に乾いたような硬い写りになりがちです。
写りの質感となると、スマホはまだまだ一眼カメラに及びませんが、それでも出来るだけ自然な写りに拘りたい方は、センサーの大きさと画像処理の強弱は選択肢の重要なポイントだと思います。
超広角より3倍望遠が欲しかった?
Pixel 9aはiPhone 16eにはない超広角も付いています。


超広角の写りはほぼ同じ
「感覚が古い」と言われそうですが…、個人的には昔から「超広角=超難しい」というイメージがあり、超広角が活きる良い景色を探し回ったり、パースを強調させて面白く(カッコよく)撮ったりと、どちらかと言えば常用レンズではなく「飛び道具的なレンズ」という印象があります。
ChatGPTにも聞いてみました。
📷 なぜ超広角レンズが「飛び道具的」なのか?
✅ インパクトが強い
遠近感が強調され、被写体がグッと手前に迫ってくるように写る。
周囲の空間も一緒に写り込み、ダイナミックで非日常的な画が作れる。
✅ 汎用性は低め
パース(遠近感)が強く歪みやすいため、人物や静物を自然に撮るのには不向き。
常用するにはクセが強く、使いどころを選ぶ。
✅ だから「飛び道具」
普段は標準や中望遠で撮っておいて、「ここぞ!」という場面で超広角を使うと、視覚的にガツンと印象を変えられる。
撮影に“攻めの一手”を加えたいときに使う、まさに奥の手。
写真の話なのに「”攻めの一手”を加える」というワードがちょいツボです…(笑)
一部のスマホでは、超広角は「接写の役割」も担っていますが、Pixel 9aの場合メインカメラのまま接写できるのでその出番もありません。
ChatGPTも「人物や静物を自然に撮るのには不向き。常用するにはクセが強く使いどころを選ぶ。」と言っている様に、個人的には100ショット中5回使うかどうかの超広角より、100ショット中30回位使いそうな中望遠を載せた方が実用的だったのでは?と考えてしてしまいます。
ただGoogleには悲しい過去があり、昔 Pixel 4のセカンドカメラに中望遠を選んだ際、「中望遠はトリミングで撮れる、超広角は超広角でしか撮れない」と猛烈に叩かれたトラウマがあるため、踏み切れないのかも知れません。
もちろん、子供と一緒に遊びながら超広角で連射するのは鉄板テクですし、普通に撮ってどうにも面白くできないときに、超広角に救われる場面もありますから、確かに難しいところです…
さて今回は、現在価格comのスマホランキングで1位のミドルレンジスマホ、Pixel 9aのカメラについてのあれこれと、Pixel 8 Proとの画質の比較をご紹介しました。
スマホのカメラが年々大型化する流れの中、敢えて小さいセンサーを採用するという、Googleのアイディアが詰まった面白いモデルだと思います。
カメラの使い勝手はとにかく気軽にサクサク、そして画質はとてもキレイですので、購入検討中の方はおすすめです。
またiPhoneから乗換えを考えている方は、iPhoneよりクセのない写真が撮れるので、初めてのPixelとしておすすめです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。