『マニュアル(露出)モード』の『マニュアル』とは…
『絞りもシャッター速度も自分でコントロールする』という『マニュアル』です。
『絞り』も『シャッター速度』も自分の責任で決めなければいけません。
たまに『マニュアルフォーカス(ピントの手動合わせ)』とごっちゃになっている方がいらっしゃいます。
『マニュアル(露出)』なのか?
『マニュアル(フォーカス)』なのか?
気をつけないと…
相手と会話がかみ合わない状態が延々と続きます(笑)
結構良くあるお話です…
それから…
『プログラムオート』『絞り優先』『シャッター速度優先』の各モードを、総じて『(AUTOじゃないから)マニュアル』と言ってらっしゃる方も意外に多いんです。
一概に『間違い』とは言い切れませんが…
『マニュアルモード』は『マニュアル(露出):Mモード』です!
『マニュアル(露出)モード』はちょっと難しい…
『マニュアルモード』の難しいところは…
複数の『絞り値』と『シャッター速度』の組み合わせの中から…
『被写体の明るさ』と『狙う効果』に合った組み合わせを『自分で』選ばないといけない。
というところではないでしょうか?
『狙う効果』というのは…
『絞り』なら、ボカしたい or ボカしたくない。
『シャッター速度』なら、動きモノをピタッと止めたい or わざとブラしたい。
などです。
『絞り優先』なら…
『絞り』を自分で決めたら、あとはカメラが最適な『シャッター速度』を選んでくれます。
『シャッター速度優先』なら…
『シャッター速度』を自分で決めたら、あとはカメラが最適な『絞り』を選んでくれます。
このように『マニュアル(露出)モード』以外で撮る場合は、優秀なカメラの『AE(自動露出)』機能が『最適な露出』で撮れるように、最適な『絞り』または『シャッター速度』を選んでくれます。
ですが『マニュアル(露出)モード』の場合、この『AE』が(基本的には)働きません。
カメラは『最適な露出』を選んでくれないのです。
例えば、屋外での撮影では…
太陽が雲に隠れた
雲から出てきた
今度は薄い雲がかかった
このように、刻々と『光』が変わる場合もあります。
このような『光の具合』の変化にも気を配りながら…
同時に『組み合わせ』も自分で変えていかないといけないんです。
さらに、デジタルカメラの『適正露出』はフィルムよりもシビアです。
キレイに思い通りに撮りたかったら『±0.3段の明るさの差』にまでこだわる必要があるんです。
フィルムの頃から『マニュアル』に慣れ親しんでいる方は、カメラの『AE』に頼るより「自分の感覚で撮る方がいい!」という方も多いんですが…
ちょっと大変そうですよね?
「習っている先生から「常にマニュアル(露出)モードで撮れ」と言われてます…」
こういう方が意外に多くて驚きますが…
『普段使いのモード』として使うのは、僕はオススメしていません。
ただ、使うときは使います(笑)
いつか来るかもしれない、イザというときのために…
余裕のある今のうちに『操作』を確認しておきましょう!
『絞り』と『シャッター速度』の変え方をチェックしてみましょう!
それでは『マニュアル:Mモード』に合わせて『絞り』と『シャッター速度』の変え方を確認しましょう!
説明書の『マニュアル(露出)モード』のページも併せてご確認ください。
操作ダイヤルが2つあるカメラは…
『絞り』と『シャッター速度』が別々に割り当てられているので、とても使いやすいんです。
そして もう1つ確認しておきたいことがあります!
それは…
『ISO感度オート』が選べるか?
『露出補正』ができるか?
です。
これは、ベテランさんでも「え?」と思うかもしれませんが…
『マニュアル(露出)モード』だけど『ISO感度オート』。
『マニュアル(露出)モード』だけど『露出補正』。
これらが『できる・選べる』カメラは…
『マニュアル(露出)モード』でも『AEを使って撮れるカメラ』ということです。
最近のデジタルカメラは『撮り方』も進化して、もっと手軽に『マニュアルモード』が使えるんです!
繰り返しになりますが…
本来の『マニュアル(露出)モード』は『絞り』と『シャッター速度』と『ISO感度』を全てマニュアルで操作して『写真の明るさ(露出)』を決めるモードです。
ただ、進化した『マニュアル(露出)モード』の場合は…
①『狙う効果』のための『絞り』と『シャッター速度』を決める。
②『露出(写真の明るさ)』は『ISO感度オート』でカメラに任せる。
③ 必要であれば『露出補正』で微調整する。
つまり…
「あまりボカしたくないから絞りは ”F8” … シャッター速度は速くしたいから ”1/500秒” …」
このような『効果』だけをそれぞれに指定して『露出(明るさ)』はカメラに任せる。
という使い方ができるんです。
これは便利ですよね!
この新しい『マニュアルモード』の使い方については
『ISOオート?露出補正?AEロック?新しい『マニュアルモード』使い方』で詳しくご紹介しています。
ミラーレス(一眼)なら『マニュアル』での『露出合わせ』も簡単!
もう1つの『マニュアル(露出)モード』が難しいところ…
自分で組み合わせた『露出(明るさ)』が『被写体の明るさ』と合っているか?
というところです。
しかもただ『合っているか?』ではなくて…
『自分が1番いいと思う明るさ』に合っているか?です。
その答え合わせは…
例えばフィルムの場合、現像してプリントして…
バッチリ明るさが合っているかどうか?
分かるのは2~3日後。
プロでも最短で半日くらいでしょうか?
そのあとは『0.3段の明るさ』までこだわって『増感・減感現像』をラボに依頼することも多いです。
その場ですぐ『撮り直し』なんていうことはまず不可能でした。
フィルムならもちろん、デジタル一眼レフでも『撮ってみないと分からない』という世界です。
1枚の正解を撮るまでに、何枚も撮らなければいけません。
でも、今のミラーレス(一眼)の『電子ファインダーや背面モニター』を使えば…
撮る前の覗いている段階で『写る明るさ』が分かります。
一眼レフの場合は『ライブビュー』に切り替えれば同じですね。
これなら、画面を見ながら、誰でも簡単に『被写体の明るさ』に合わせることが可能です。
1枚目で正解を撮ることだって可能なんです!
プロやベテランさんの『経験や勘がものをいう』という世界が、どんどん薄れつつあるんです…
詳しくは『マニュアルで撮るなら…ライブビューで事前に露出をチェック!』も併せてご覧下さい。
『マニュアル(露出)モード』じゃないと撮れないシーンもあるんです。
さて、普段使いにはオススメしない『マニュアルモード』ですが…
実は、この『モード』じゃないとキレイに撮れないシーンもあるんです!
代表的なのは『花火』や『星空』です。
「一度しっかり撮ってみたい!」
と思っている方は多いですよね?
『マニュアル(露出)モード』で撮ると…
もう初めてとは思えない、びっくりな『花火』や『星空』が撮れますよ!
今から練習!花火写真の撮り方 で詳しくご紹介しています。