夏の暑さも落ち着き、積極的にカメラを持って出かけたくなる秋は、写真を撮るのが楽しい季節です。
そして、秋を代表する撮影シーンといえば、やはり 紅葉ですが、今回は 紅葉を撮るときの設定や、基本の撮り方をじっくりご紹介していきたいと思います。
🍁今年の見頃予測はこちら🍁
紅葉ナビ2024|お天気ナビゲータ
紅葉撮影のカメラの設定
紅葉はいわゆる風景の撮影のなので、特に難しい設定は必要ありません。
もちろん スマホでも十分キレイに撮れます。
初めはできるだけカメラ任せで良いので、光の向きと 写る明るさを考えながら撮ると、楽しくキレイに撮れると思います。
撮影モードは?
風景の撮影ですので、カメラのモードは「プログラムオート(Pモード)」か「絞り優先(A/AVモード)」がおすすめです。
スマホで撮る方は、デフォルトのカメラアプリで大丈夫です。
撮影の設定は?
FLOWERCAMERAでは、大事な撮影設定を7つご紹介していますが、紅葉を撮るときも「普段使いのオススメ」のままで大丈夫です。
1 | ISO感度 | オート |
2 | ホワイトバランス | オート / AWB |
3 | フォーカスモード | シングル / ワンショット |
4 | フォーカスエリア | 真ん中1点 |
5 | 測光モード | マルチ / 評価 / ESP |
6 | ドライブモード | 1コマ / 単写 |
7 | 手振れ補正 | ON / 入 |
※「普段使いのオススメ設定」とは、カメラと使う人とで仕事を分担して、ほとんどのシーンで簡単キレイに撮れるという設定の組み合わせです。
カメラにお任せの部分が多いので、「光」や「写る明るさ」などの大事なことに集中できます。
「ピクチャーモード」の設定をチェック
紅葉を撮るときは、「ピクチャーモード(色の鮮やかさの調整)」という設定を覚えておくこと楽しいです。
大体どのメーカーも、デフォルトは「自然な鮮やかさ(色の濃さ)」になっていますが、そこから色をもっと濃くしたり、逆に薄くしたりすることができます。
紅葉の場合は、目で見るよりも鮮やかにと「色を濃くする」ケースも多いですが、淡くフラットにおしゃれな感じにしてみたりと、自分の「撮りたい鮮やかさ」をコントロールできるとさらに撮影が楽しくなります。
「ピクチャーモード」はオリンパスの設定名で、他メーカーでは下記のような名前になっています。(全て同じにしてほしいですが…)
SONY
クリエイティブスタイル
OLYMPUS
ピクチャーモード
Panasonic
フォトスタイル
FUJIFILM
フィルムシミュレーション
Canon
ピクチャースタイル
Nikon
ピクチャーコントロール
ご自分のカメラでの設定名を「取扱説明書」でチェックして、変え方を確認しておきましょう。
超便利!スマホアプリ「トリセツ」の使い方、カメラもレンズも説明書はPDF版が便利です!
分からないときは、メーカーの電話サポートに聞くのが一番です。
聞き方はこんな感じです。
「(カメラの名前)を使っていますが、(ピクチャーモード)の変え方を教えてください」
「彩度やコントラストの微調整はできますか?」
「このカメラで、紅葉を撮るときのオススメの設定があったら教えてください」
それでは、せっかく設定を1つ覚えたので、代表的な紅葉の色(赤・黄・緑)の被写体を撮り比べてみましょう。
① 最初に、デフォルトの「スタンダード」や「ナチュラル」で撮ります。
② 次に「ビビッド」など、色が濃くなる設定で撮ります。
③ さらに「フラット」や「ニュートラル」など、色が薄くなる設定で撮ります。
どうでしょうか?
色の鮮やかさが結構変わるはずです。
「私は派手派手なのはあんまり好きじゃない…」という方も多いと思います(僕もそうです)が、「ピクチャーモード」の派手派手の設定は、実は曇りの日や日陰で撮るときにこそ、ぜひ使いたい設定です。
曇りの日や日陰の場所で撮ると、紅葉の色がどうしても薄く写って物足りなく感じることも多いですが、そこで「ビビッド」などに合わせて色を濃くすると、結構イイ感じの仕上がりになります。
もちろん「見た目も鮮やかだけど、もっと鮮やかに写したい!」という使い方もアリです。
ただ「色の濃さ」は「食べ物の味」と似ていて、濃いのに慣れてしまうと、なんでもかんでも「濃く鮮やか」じゃないと物足りなくなってしまう方もいますので、なるべく素材の色を活かした、ほどほどの「味付け」が大事です(笑)。
他の設定もそうですが、撮り終わったら「元の設定(一番自然な彩度)」に必ず戻しておきましょう。
「明るさ」は露出補正で整える
写真の「写る明るさ」は、最初にカメラが大体決めてくれるけど、思い通りの明るさで撮りたければ、最後は「自分でしっかり微調整」しないとダメ。
これはカメラで撮るときも、スマホで撮るときも大事な基本のキです。
写真の明るさは「露出補正」を使えは簡単に微調整できます。
暗い?明るい?写真の明るさは『露出補正』で簡単・自在にコントロールできます。
スマホでもしっかり露出補正
① 被写体にカメラを向け、なんとなく構図が決まったら、ピントを合わせたいところをタップします。
② タップしたところに黄色い枠が表示され、ピントと明るさを合わせてくれます。
③ 黄色い枠の右側に「太陽のようなマーク」が出ていることを確認したら…
④ 画面のどこでも良いので「上にスワイプ」すると「明るく」できます。
⑤ 反対に「下にスワイプ」すると「暗く」できます。
⑥ 画面に写る被写体をよく見ながら、指を上下にスワイプして、じっくりとお好みの明るさに仕上げてから撮ります。
※ 少し時間が経つと、決めた明るさが元に戻ってしまうことがあります。
その場合は、また①の手順からやり直しましょう。
① 被写体にカメラを向け、なんとなく構図が決まったら、ピントを合わせたいところをタップします。
② タップしたところにマークが表示され、ピントと明るさを合わせてくれます。
③ 撮影画面に「明るさ調節スライダー」が出たら…
④ スライダーを「上にスワイプ」すると「明るく」できます。
(横位置で構えた時は「右にスワイプ」)
⑤ 反対に「下にスワイプ」すると「暗く」できます。
(横位置で構えた時は「左にスワイプ」)
⑥ 画面に写る被写体をよく見ながら、じっくりとお好みの明るさに仕上げてから撮ります。
※ Androidは機種の違いによって、画面や操作が異なりますが、大体どの機種も「太陽みたいなマーク()」や「()マーク」が目印で、それが出たら上下か左右にスワイプすれば、明るさを変えられると思います。
ミラーレスやスマホで撮る方は、ファインダーやモニターを見ながら、じっくりと自分好みの明るさに合わせましょう。
一眼レフをお使いの方は、先に「ライブビューで明るさを合わせて」から、ファインダーに戻して撮るのもオススメです。
「色合い」はホワイトバランスで整える
色合いを調整したい場合は「ホワイトバランス」の設定を変えてみましょう。
ホワイトバランスは、撮り初めは「オート(AWB)」がおすすめですが、撮った写真を見て、「全体的に赤みが強い? 青みが強い?」と気になったら、「ホワイトバランス」のプリセットを変えてみましょう。
特に曇りの日や、日陰の場所で撮るときは、写真全体が少し青っぽくなることも良くありますが、そんなときに、ホワイトバランスのプリセットを「曇り()マーク」や「日陰()マーク」に変えると、下の写真のような暖かみのある色合いになります。
さらに、ホワイトバランスは「微調整の仕方」もマスターしておけば、カラーフィルターのように「好きな色を付けて」遊ぶことができます。
「」と「」の中間の色にしたいとか、「ピンクを被せてみたらどうかな?」「黄色は?」などなど、皆さんだけのオジリナルな「秋色」で紅葉を表現してみましょう。
赤い?青い?ホワイトバランスの微調整を覚えれば… 修正も表現も自在です!
iPhoneやAndroid(僕のGoogle Pixelも)のデフォルトのカメラアプリでは、ホワイトバランスはオートのまま変えられない場合が多いですが、その場合は、撮影後に編集アプリで色を付けるのも楽しいです。
紅葉撮影で 一番 拘るべきなのは「光の向き」
紅葉に限ったお話ではありませんが、光の当たる向きで、写真のイメージは大きく変わります。
ほとんどの設定がお任せの「スマホのカメラ」で撮るときでも、「光の向き」をちゃんと意識すれば、楽しくキレイに撮ることができます。(明るさはしっかり合わせましょう)
逆に言えば「光の向き」を考えないと、いくら細かく設定で頑張っても、なんとなく普通の写真になってしまうのは良くあるお話です。
「たまたまキレイに撮れた」と仰る方が多いですが、それは「たまたま光がキレイだったから」というケースも多いはずです。
キレイな光、かっこいい光、おしゃれな光などなど、「こういう光で撮ると、こういう写りになる」というイメージをたくさん覚えていくことで、「たまたま」の確率はググッと上がります。
大事な「光の向きの感覚」は、お時間のある時、自宅の窓際でスマホで遊びながらコツを掴むのが楽しいと思います。
順光 オススメ度 ☆☆☆☆☆
被写体に、太陽が「前・斜め前から」当たっている状態です。
順光は、とにかく色が鮮やかで、青空も目で見るより青く写ります。
絵葉書のような見事な一枚が狙えます。
ベテランさんが「風景は順光」と教えてくれる理由が良くわかるはずです。
逆光 オススメ度 ☆☆☆☆☆
被写体に、太陽が「後・斜め後ろから」当たっている状態です。
逆光は、光が透けた葉が神々しく光り、ドラマチック、印象的に写ります。
露出補正で明るさを上手にコントロールしましょう。
明るくしても、暗くしても面白いです。
サイド光 オススメ度 ☆☆☆☆☆
被写体に、太陽が「横・斜め横から」から当たっている状態です。
立体感がしっかりとキレイに出て、絵画のような素敵な写真が出来上がります。
影も面白く伸びるので、影も含めて構図を作るのも楽しいです。
さらに、斜め前からは「斜光」、斜め後ろからは「反逆光」などと呼ばれたりします。
個人的にはサイド光で撮る紅葉が一番好きですが、どの光も向きもそれぞれ印象が違って素敵ですので、オススメ度は全て「☆☆☆☆☆(満点)」とさせていただきました(笑)
自分の「好きな光の向き」「得意な光の向き」を見つけると、写真はもっと楽しくなります。
光の向きを狙うなら「撮る時間」がとても大事
前、横、後と「光の向き」を狙って撮りたければ、「上からの向き」が強くなるお昼前後よりも、朝や夕方といった時間帯に撮るのがおすすめです。
ただ、紅葉のシーズンである秋冬は、夏に比べて昼間でも太陽が低めなので、1日を通して光の向きを楽しめる季節だったりもします。
「光の向き」を考えて撮るのが楽しくなると、次第に、「今度はあそこの紅葉に、光を斜め前から当てて、こっちから撮りたい」などと、アイディアがどんどん出てくるはずです。
そんなとき、皆さんの「撮りたい!」をサポートしてくれるおすすめアプリが「サンサーベイヤー(Sun Surveyor)」です。
「何月何日の何時のどこどこの太陽の位置」を事前にチェックできますので、狙った「光の向き」で撮れる確率をググッとアップさせることができます。
風景の撮影は 事前の下調べが本当に大事なんです。
サイド光、逆光の「暗い部分」はシャドウ補正で微調整
少し余談ですが、逆光やサイド光で撮ると、どうしても影の暗い部分が残って気になるケースもあるかもしれません。
そんなときは、撮った後に「暗い部分だけをふわっと明るくする魔法」がありますので、合わせて覚えておくのがおすすめです。
スマホでも簡単!撮った写真が暗いなら「暗い部分だけ」を明るくできる「シャドウコントロール」で失敗写真も蘇る!?
逆光で人物の顔が暗いとか良くありますよね!?
曇りの日でも、写真なら素敵な紅葉を作れます
太陽を厚い雲が覆ってしまって「光の向き」がはっきりしないときでも、『紅葉』は楽しく撮れます。
快晴の日に撮れるような、「はっきりクッキリ鮮やか」という写真にはなりませんが、ふわっと優しい光に包まれる曇りの日は、撮った写真の印象もふわっと優しく柔らかで、しっとりとした感じに写ります。
ただ、オートのままで撮ると、色は薄く、コントラストも弱めに写るので、上でご紹介した「ピクチャーモード」や「コントラスト」、「ホワイトバランス」で味付けをして、幻想的な雰囲気を作ってみたりなど、少し作画的な撮影にチャレンジしてみましょう。
暗めに撮って「静けさ」を演出してみたり、明るめに撮って「薄く消えてしまうような」感じなども面白いと思います。
また、雨上がりもシャッターチャンスがいっぱいです。
水たまりに浮かんだ落ち葉、雨つぶが載った葉っぱも面白く撮れます。
水溜りや池など、写真の構図に「水」は相性がよく、反射を上手に入れてアクセントをつけるのもおすすめです。
雨上がりは人が少ないですから、有名な紅葉スポットももしかしたら貸切状態?になるかもしれません。
落ち葉を持って帰って家で撮る
落ち葉を少しいただいて、自宅の窓際でブツ撮りするのも楽しいです。
自分のイメージを上手に組み合わせて、外では撮れない写真を作ってみましょう。
イメトレ大事! 撮りに行く前にステキな写真をたくさん頭に入れておく
「上手な写真をどんどん真似して撮ってみる」
何事でもそうですが、やはりこれが大事な上達のコツなので、たくさん『キレイな写真』を見て、頭に入れてから出かけましょう。
「どうやって撮ったんだろう?」などと考えながら見ると、すごく勉強になります。
明るめ?暗め? 鮮やかさは? 色合いは? 光の向きは? 晴れか?曇りか?
自分が撮りたいイメージを固めていきましょう。
レンズの使い方も大事です。
隣でスマホで撮っている友達より少しステキな写真が撮りたければ、広角以外のレンズを使うのも一つの手です。
『レンズのキホン』も合わせてチェックしておきましょう。
頑張ってお気に入りの一枚を撮ってくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました!
↓こちらもおすすめ!