デジタルカメラでマニュアルフォーカス…
これは、初心者さんじゃなくても難しいテクニックです。
ピントは自分の目と手で合わせるもの!
それこそ昔は、オートフォーカスなんてありません。
そんな頃からのベテランさんは、熟練の技と勘で見事にピントを合わせてしまいます。
スポーツの写真なんてよく撮れるなと思います(笑)
今は、カメラもレンズも、ほとんどが『AF専用仕様』と言っても過言ではありません。
オートフォーカスの性能が、相当レベルアップしていますので…
マニュアルで自分で合わせるよりも、遥かに早くて正確、失敗も少ないはずです。
さらに言えば…
今のカメラのファインダーは、マニュアルでピントを合わせやすいように作られていません。
一眼レフの一部には、ファインダー(スクリーン)を交換して、合わせ易くできるカメラもありますが…
皆さんがお使いのミラーレスの『電子ファインダー』はそういったこともできません。
「じゃあ、マニュアルでピントを合わせたい人は、まずミラーレスはダメなのね…」
このように思われるかもしれませんが…
実はそうではありません。
逆に、ミラーレスこそ『マニュアルフォーカス』が得意なんです!
技も勘も必要ありません。
設定をちょっと変えるだけで…
誰でもすぐに、自分の目と手でピントを合わせることができてしまうんです。
ミラーレス一眼だからできるピント合わせとは?
一眼レフの『光学ファインダー』は、レンズから入ってきた光をそのまま見ることができます。
一方、ミラーレス一眼の『電子ファインダー』はそうではありません。
電子ファインダーには、レンズから入ってきた光を一度センサーに当てて…
それをコンピューターで処理した後の”像”が映ります。
今のカメラはそれほどではありませんが…
電子ファインダーの”像”に若干の『タイムラグ』があるのはこのためです。
でもこの『コンピューターで処理した後の像』を見るということが…
今まで考えられなかったような『色々なこと』を可能にしてくれています。
マニュアルのピント合わせに関してでは…
◎ 写真の一部を ”拡大” してピントを合わせることができる!
◎ ピントが合っているところを ”色” を付けて教えてくれる!
一眼レフでも、シャッターボタンを半押ししながらピントリングを動かすと、ピントが 合ったときに合焦マークが点くカメラもありますが…
さらに上をいく、夢のような機能です(笑)
これらの機能を覚えたら…
誰でもすぐに簡単に、熟練の技が手に入ります。
もし、ファインダーがないミラーレスをお使いの方や、一眼レフをお使いの方は…
背面モニターを使う『ライブビュー撮影』なら同じことができます。
写真を拡大してピント合わせができる!『拡大ピント合わせ』
プロカメラマンは、現像したフィルムにルーペを当てて、ピントが合っているかを確認します。
まさに、それと同じことを『撮る前にやってしまう』のが『拡大ピント合わせ』です。
これなら…
「手前から3番目の花びらの葉脈にピントを合わせたい!」
こんな、こだわりのピント合わせが誰でも可能です。
実際に写る写真を拡大してピントを合わせますので…
他のどんな方法より正確に合わせることができます。
ただ『拡大ピント合わせ』を使う時は…
カメラを三脚に固定しないと、使いにくいかもしれません。
せっかく厳密にピントを合わせても、その後に少しでも自分が動いたら意味がなくなります。
また、画面を拡大すればするほど…
超望遠レンズをつけた時と同じように、手ブレの揺れが一層大きく見えます。
”像” が大きく揺れていれば、ピントを合わせにくいどころか、見ているだけで気持ち悪くなってしまいます…
詳しくは
『マニュアルフォーカスは画面を拡大!こだわりのピント合わせ』でご紹介しています。
ピントが合っているところを ”色” で教えてくれる!『フォーカスピーキング』
もっと気軽に、普段使いでもマニュアルフォーカスしたくなる…
それが『フォーカスピーキング』です。
「三脚なんて嫌だ!」という方は、こちらがオススメです。
これは、ピントが合っている部分に ”色” を付けて教えてくれるという機能です。
賢いですよね!
最近は、多くのミラーレスに搭載されていますが、比較的新しい機能です。
まずは、皆さんのカメラで『フォーカスピーキング』ができるか確認してみましょう。
取扱説明書で『ピーキング』というキーワードを探します。
(PDF版の取説で検索すると楽チンです)
見つけられたら、該当ページで操作方法をチェックしましょう。
また、特に何の設定をしなくても…
マニュアルフォーカスに切り替えるだけで、自動的に『ピーキング』が有効になるカメラもあります。
(MFアシスト機能など)
メーカーごとの仕様の違いなど、説明書では分かりにくい場合もあるはずです。
そんな時は迷わず、メーカーの電話サポートに聞いてみましょう。
「〇〇を使っていますが『フォーカスピーキング』はできますか?」
「『フォーカスピーキング』の設定を教えてください。」
このように聞けば大丈夫です。
ゆっくり丁寧に教えてくれますよ!
設定メニューの中から『フォーカスピーキング』の項目を見つけます。
設定を有効にしたら、マニュアルフォーカス(MF)に切り替えます。
すると…
『フォーカスピーキング』が有効になります。
(効果はイメージです)
これなら、誰でも簡単にマニュアルのピント合わせが可能です!
自分の手でピントを合わせて撮ると…
”撮ってる感” が増しますよ(笑)
また、機種によってはピーキングの ”色” を変えることができます。
お好みの ”色” を選びましょう。
『ピーキング』をさらに便利にカスタマイズ
便利なピーキング機能ですが…
より自分が使いやすいように、カスタマイズすることもできます。
ただ、この辺は機種によって『できる・できない』の差が大きくなります…
オリンパスやパナソニックなど…
ミラーレスメインのメーカーほど、柔軟にカスタマイズさせてくれるような気がしますし…
写真の新しい撮り方を提案してくれています。
① ピーキングON/OFFをボタンで切り替える
「『ピーキング』は是非使いたい!」
「でもいつも『ピーキング』がチラチラするのは嫌だ!」
「かといって、都度都度メニューを開いてON/OFFするのは面倒くさい!」
(僕もそうです…)
こんな方は、どこかのボタンに『ピーキング』を登録してしまうのがオススメです。
『ピーキング』が必要な時はボタンを押してON!
要らない時もボタンを押してOFF!
これなら撮影のテンポも悪くなりません。
ピーキングの使い勝手がグッとよくなるはずです。
② 画面を拡大して、さらに『ピーキング』!
『拡大ピント合わせ』と『フォーカスピーキング』。
ミラーレスならではの『ピント合わせ機能』が同時に使えるカメラもあります。
じっくりと超厳密にピントを合わせたい方にオススメです。
③ オートフォーカスが合わせたピントを『ピーキング』でチェック!
オートフォーカスが合わせたピントが、本当に合っているのか?
どこに合っているのか?
視覚的にしっかり確認したいという方にオススメです。
オートフォーカス中に『ピーキングON』にできるカメラは少ないですが…
マニュアルフォーカス中にオートフォーカスを効かせる設定なら昔からあります。
つまり『マニュアルフォーカス中でもオートフォーカスが効くボタン』を作れば…
オートフォーカスとピーキングが併用できます。
いきなりカスタマイズと言っても複雑だと思いますので…
ご興味のある方は、取扱説明書やメーカーの電話サポートなどをご利用ください。
ミラーレス一眼はマニュアルフォーカスが得意!
ピーキングは本当に便利ですよね?
でもそう思うは、初心者さんだけではありません。
実は、マニュアルフォーカスに慣れ親しんでいるベテランさんにこそ、嬉しい機能なんです。
やはり慣れているとは言え、目と手だけでピントを合わせるのは大変です。
まず、合っているかが不安ですし…
そして、合わせるのに時間がかかります。
さらに目も疲れます…
だけど、オートフォーカスで撮るのは、何となくつまらない…
そんなベテランさん達に『フォーカスピーキング』は大人気です。
この機能が欲しくて、ミラーレスを買う方もいるくらいです。
さらに今は、昔のフィルム用のレンズをデジカメに付けて撮る方も多いです。
オールドレンズには名玉と呼ばれるものが多く、写りの味など、今の新しいレンズとは違った趣があります。
若い頃にお気に入りだったレンズで、また撮れるなんて嬉しいですよね?
ただ、オールドレンズでは、当然オートフォーカスは効きません。
そんな時も『フォーカスピーキング』が役に立つのです。
もし、皆さんの周りに、カメラ好きなベテランさんがいて…
どうしても『光学ファインダー』じゃないとダメという方じゃなければ…
「ミラーレスなら『フォーカスピーキング』ってのができるよ!」
と、教えてあげましょう。
「そんなズルは要らない!」と怒られたらスミマセン…