撮る瞬間にカメラが揺れていると…
その揺れが『ブレ』として写真に記録されます。
手ブレしないためには…
昔なら、しっかり構えろ!、息を止めろ!などと言われましたが…(笑)
今は、手ブレ補正をON!まずはこれが第一です。
自分がブレたら=手ブレ(カメラブレ)
相手がブレたら=被写体ブレ
手ブレ補正で補正できるのは、当たり前ですが、手ブレです。
被写体のブレは補正できません。
被写体ブレでお困りの方は…
シャッター速度優先モードもマスターしましょう!
『食わず嫌い?本当は1番楽しい!『シャッター速度優先:S (Tv) モード』の使い方』
手ブレ補正はONがオススメ!忘れずに!
手ブレ補正は常にONがオススメです。
そんなの大丈夫と思われるかもしれませんが…
知らぬ間に『OFF』になっているから怖いのです。
先日、父のカメラを見てみたら『OFF』になっていました。
もちろん本人は気付いていません。
撮ることに集中しすぎて、いろんなボタンを押してしまい、奇跡的に『OFF』…
他の設定でもそうですが、これが結構ありがちです。
手ブレ補正の使い方は、『ON』になっているか?
常に見張ることなのかもしれません。
手ブレ補正の設定をチェック!
説明書で『手ブレ補正』のON/OFFをチェックしておきましょう。
カメラ側で補正するシステムなら、カメラのボタン操作でON/OFF。
レンズ側で補正するシステムなら、レンズのスイッチでON/OFF。
また、『ON』にも複数のモードがある機種があります。
そんな場合は、メーカーのオススメモードを選びましょう。
メーカーのオススメモードは、カメラを『リセット』したときにセットされるソレです。
また、画面やファインダーに表示される『手ブレ補正のマーク』を覚えておくことも大事です。
撮影中はこまめにマークをチェックしましょう。
手ブレ補正を『OFF』にするとき
説明書には…
『三脚などに固定する場合は、手ブレ補正をOFFにしましょう。』
と、書いてあります。
手ブレ補正ユニットは、指示が出れば瞬時に動けるように常にスタンバっています。
ですので、カメラを完全に固定していても、稀に何かに反応して動いてしまうこともあるようです。
滅多に起こらないハズですが、大事なシャッターチャンスをより確実にするため、なるべくOFFに切り替えましょう。
ただ!手持ち撮影に戻るとき、『ON』に戻し忘れないようにしましょう!
手ブレ補正は、撮る前こそありがたい
手ブレ補正は、撮る瞬間はもちろん、撮る前の像のブレも補正してくれます。
(機種によります。)
撮る前の像がブレないメリットは…
① 気持ち悪くならない!
ファインダーを覗いていて、途中で気持ち悪くなることはありませんか?
僕はよくあります。(笑)
望遠レンズの場合、手ブレの揺れが特に大きくなるので気になる方も多いかもしれません。
でも、手ぶれ補正は、そんな望遠レンズ酔いも軽減してくれます。
撮影中の気分を下げないためにも重要ですよね?
初めて覗いたときの感動は忘れられません…
② ピントを合わせやすい!
揺れている被写体にピントを合わせるのは至難の技です。
マニュアルで合わせるときもそうですが、実は、オートフォーカスでも同じです。
補正が効いた揺れの少ない画面の方が、素早くピントを合わせてくれます。
撮る前からメリットいっぱいの手ブレ補正です。
手ブレの方向は5方向!
手ブレで動く方向は、5方向と言われています。
皆さんも自分の顔で体験してみましょう。
角度ブレ(2方向)=望遠で撮るときに動きやすい
顔の ”位置” はそのままで、首を上下左右に振る動きです。
シフトブレ(2方向)=接写して撮るときに動きやすい
顔の ”角度” はそのままで、上下左右に平行移動する動きです。
回転ブレ
鼻のあたりを中心に、顔を回転させる動きです。
ブレの方向を意識していれば、シャッターを押した瞬間に『今〇〇方向に動いたかも!』と気付けるかもしれません。
その場で気付いて撮り直しできれば、失敗をそのまま持って帰えらずに済みます。
手ブレしやすいシチュエーション
手ブレしやすいのはこんなシチュエーションです。
① 暗い場所で撮るとき。
これは皆さんもご存知の通りです。
撮る場所が暗いと…
→ シャッター速度が遅くなって…
→ ブレる!
この流れは必ず頭に入れておきましょう。
ただ、シャッター速度が遅くなる原因は、周りが暗いときだけではありません。
ISO感度を低くしたときや、絞りをググッと絞った(F値を大きくした)ときは、周りが明るくても、手ブレするほどシャッター速度が遅くなることもあります。
シャッターを切る直前は、常にシャッター速度をチェックする癖をつけましょう。
② 狭い画角で撮るとき。
画角とは『写真の写る範囲』のことです。
望遠レンズで撮ったり、マクロレンズなどで接写するときは、画角が狭くなるのでブレやすくなります。
反対に、広角レンズで撮ったり、被写体から離れて撮るほど、ブレは目立たなくなります。
接写はなるべく三脚がオススメですが…
サクッと手持ちで撮るときは、ブレやすいシーンだということを意識しましょう。
手ぶれ補正ON + しっかりと構える + 少し速めのシャッター速度。
これが、手ブレを防ぐ基本の3原則です。
③ シャッターボタンを強く押しすぎ。
シャッターボタンを強く押すと、カメラが大きく動きます。
指の腹を使って、できるだけ優しく押しましょう。
特に接写のときは要注意です。
④ 背面モニターを使って撮るとき。
ファインダーが無いカメラは常に100%。
また、ファインダーが付いていても、ローアングルで撮るときなどは、モニター撮影が便利です。
ただ、モニターを使って撮るときは、どうしても脇がユルめ、腕も伸びて、なかなか構えが決まりません…
そして、この不安定さが、即、手ブレに繋がります…
でも、ストラップを上手く使えば、驚くほどカメラを安定させることができちゃいます。
『しっかり付けて手ブレも防ぐ!ミラーレスのためのストラップの使い方』
電子式と光学式の違い
手ぶれ補正には、電子式と光学式の2つの補正方式があります。
光学式手ブレ補正
光学式手ブレ補正は、レンズやセンサーを動かして、写る前に未然にブレを取り除きます。
皆さんがお使いのミラーレスのほとんどはこの方式です。
皆さんが右に動いたら、カメラが左に動く…
簡単に言うとそんな仕組みです。
光学式の補正には、レンズを動かす方式と、センサーを動かす方式があり、それぞれがこんな売り文句で競い合っています。
レンズで補正するメーカーは…
□ 使うレンズに対して最適な補正ができるよ!
□ 覗いている時でもブレが補正されるよ!
ボディ(センサー)で補正するメーカーは…
□ どのレンズ(昔のレンズ)でも補正できるよ!
□ レンズに余計な仕組みを入れないから小さく軽く安くできるよ!
□ 回転ブレはボディ側じゃないと補正できないよ!
ただ最近では、両者のデメリットも徐々に克服され、ミラーレスなら使い勝手はさほど変わりません。
さらには、レンズ補正とボディ補正の両方を使ってブレを防ぐメーカーもあります。
これまで長かった、レンズ側 VS ボディ側の戦いは、『一緒に使う』が正しい答えだったのかもしれません。
これまで、主に一眼タイプに搭載されていた光学式の手ぶれ補正も、技術が進みコンパクトになって、今では一部のスマホにも搭載されています。
電子式手ぶれ補正
電子式手ぶれ補正は、写ったブレを画像処理や合成で消していく方式で、コンデジやスマホで多く使われている方式です。
レンズやセンサーを動かす仕組みではないので、構造もコストも光学式よりお手軽です。
ただ、もともとブレを写さない光学式と…
写ったブレを消す電子式と…
どちらが画質がキレイか?といえば、やはり光学式に軍配が上がります。
何段分の補正ってどういう意味?
『○段分の手ぶれ補正を搭載!』
こんなフレーズをよく目にしますよね?
そして、『この〇段分というのが分からない…』というお声をよくお聞きします。
ここは少し写真的なお話になりますが…
シャッター速度を左から『1段ずつ』並べるとこうなります。
そして、写真には昔から、『手ブレしないシャッター速度の目安』というものがあり…
それは、『 1 / 撮るレンズの焦点距離(35mmフィルム換算)秒 』と言われています。
例えば、300mm(35mmフィルム換算)の望遠レンズで撮るときは、1/300秒より速いシャッター速度で撮ればブレにくいということです。
『○段分の手ぶれ補正が効く』というのは、手ブレしない目安から、○段遅いシャッター速度でもブレにくいという意味です。
もし、ブレない目安が1/300秒で、3段分の補正が効くなら…
(1/300秒は一般的ではないので、1/500秒とします。)
1/60秒で撮ってもブレにくさが変わらないということです。
凄い世の中です。(笑)
ただこの計算を当てはめると、
標準50mm(35mmフィルム換算)で3段補正なら、1/8秒くらいでも大丈夫。
広角28mm(35mmフィルム換算)で5段補正なら、 1秒くらいでも大丈夫。
となりますが…
実際、1/60秒以下になると、補正しきれないケースも多くなります。
(1秒でも1/2秒でも自信満々なメーカーもありますが…)
もし、1/60秒より遅いシャッター速度が表示されていたら…
無理に手持ちで頑張らずに、カメラを固定して撮った方が簡単にキレイに撮れます。
『望遠レンズはブレばっかりで嫌い…』という方はこちらもどうぞ!
『望遠レンズはブレるから苦手… だったら”シャッター速度優先”がオススメ!』
手ブレ補正に頼る!でも、皆さんには大事な仕事があります。
賢く便利な手ブレ補正は常にON。
しっかり頼って撮りましょう。
でも、皆さんにも大事な仕事があります!
それは、上にもちょっと書きましたが…
常にシャッター速度を確認しながら撮るということです。
◎ 手ブレのことは気にしなくていいシャッター速度なのか?
◎ しっかり構えれば、カメラが補正しきれるシャッター速度なのか?
◎ 手ぶれ補正でも補正できないシャッター速度なのか?
この判断はとても重要です。
皆さんとカメラの力を合わせて…
極力、手ブレ(カメラブレ)を無くしていきましょう!