被写体に近付いて撮ろうとすると、ピントが合わない事ってありますよね?

最近のスマホは画質を良くするために、メインの広角カメラに大型のセンサーを採用しているせいで、近くのモノにピントが合いにくくなっています。
実際にiPhoneで比べると、16と16 Proは、それぞれ約15cmと約20cmを超えて近付くとピントが合いませんが、センサーの小さい16eは約7cmまで近付けます。
そして「ギリギリピントが合わない」とき、皆さんの選択肢は2つで…
1つは、マクロモード(対応モデルの場合)に切り替えて撮る方法です。

マクロモードにすると超広角カメラに切替り、最短で2~3cmまで近付くことができます。
もう1つは、メインカメラのままピントが合う距離まで離れて、そこからズームして撮る方法です。

個人的には、今回のような「小さめの花びらを大きく撮る」くらいの接写なら、「メインカメラのまま離れてズーム」した方が、写りも色々と整ってキレイに撮れると思います。
というわけで今回は、後2~3センチ、ギリギリピントが合わなくて困ったときに、マクロに切り替えるか?広角のまま撮るか?、それぞれの写りの違いをご紹介したいと思います。
ギリギリピントが合わない時、マクロに切り替えるのは勿体ない?
下の写真は、左はマクロ(超広角)で、右はメインの広角のまま、どちらも花びらをほぼ同じ大きさに写しています。
Pixel 8 Pro

⇄

二枚を比較すると、左の写真は全体的にゴチャゴチャとしていて、何となく一昔前のスマホの写真の様ですが、右は背景も程よくボケていて、ぱっと見、一眼カメラで撮ったような柔らかい雰囲気もあります。
この写りの違いは、センサーの大きさやスペックの差による部分も大きく、写りの自然さや色のキレイさ、ノイズ感などに違いが出ます。
またセンサーが大きい方が背景がボケやすいという点も、「できるだけメインの広角カメラで撮りたい」と思う理由になります。
ただメインの広角カメラで撮るには、ピントが合う位置まで離れる必要がありますし、離れた分 小さく写る被写体をズームで大きくする必要があります。
でもこの「離れる」と「ズームする」の合わせ技が、上手な人が良く使う「写りに美味しい効果をもたらすコツ」だったりします。
もちろんこの方法なら、マクロ機能が非搭載のスマホでも接写を楽しめます。
離れて撮るとモノの形が整う
まず離れて撮る効果ですが…
レンズは被写体に近付けすぎると、形が歪んで写るというデメリットがあります。(スマホの自撮りやWEB会議で自分の顔が歪むのもレンズが近いから)
近くにピントが合わないカメラは使いにくいと言えばそうですが、逆に言えば、モノの形をキレイに撮るためには好都合です。
そして、離れるほど後ろの被写体が大きく近付いたように写るのも、写真っぽさを演出するコツです。(=圧縮効果)
それから、近付きすぎると自分の影が写ってしまう事もありますが、離れることでその問題も解決できます。
スマホで撮るときは無意識にグーっと近付きがちですが、わざと離れて撮ることを意識するだけで、写りは結構変わると思います。
ズームするほど背景を狭くできる
次にズームして撮る効果ですが…
これは一眼カメラでも同じですが、望遠側を使う(ズームする)ほど背景を狭く写せます。
背景が狭くなる程、構図をシンプルにでき、メインの被写体を引き立たせることができます。
iPhone 16

13×2=26mm相当
⇄

26×3≒82mm相当
ズームは「遠くを大きく撮るときに使う」と考えがちですが、「近くのモノをわざと離れて撮るときにも使う」と考えると、普段使いでも出番は多くなるはずです。
今のスマホは、2~3倍位のズームなら画質はとてもキレイです。
もしお持ちのスマホのズーム画質がイマイチと感じるなら、次は「2倍や3倍がキレイに撮れる機種」を選ぶことをおすすめです。(20倍や30倍は滅多に使わない)
さて今回は、ギリギリピントが合わないときに、マクロに切替えてそのまま近付くか?離れてズームして撮るか?の選択肢をご紹介しました。
この「離れてズーム」が有効なのは、お花を撮るときだけではなく、料理や小物の物撮りなどなど、基本的には「背景を広く撮りたいとき」以外は全て使えます。
とても簡単なので色々と撮り試していただければ楽しいと思います。
「え?じゃあマクロモードっていつ使えば良いの?」と思われるかも知れませんが…、それは、もっと小さいモノを撮るときや、もっと大きく撮りたいときに使うと、マクロの威力を最大限発揮できると思います。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。