レストランで写真を撮ったら、みんなの顔が赤く写った…
皆さんもこんな経験はありませんか?
見た目より赤っぽく(黄色っぽく)写った…
もしくは 青っぽく写った…
その方が 雰囲気があって良い感じだったら問題ありませんが、嫌だと思ったら、それは ホワイトバランスの失敗です。
ホワイトバランスの設定は、普段は オートホワイトバランス(AWB) のままがおすすめですが、「赤っぽく・青っぽく写った → 嫌だ」と思った時は、設定を変える必要があるのです。
赤く・青く写ってしまう理由
この『ホワイトバランスの失敗』どうして起きるんでしょうか?
『明るさの失敗』のページで…
『自分が感じる明るさと、カメラが感じる明るさには ”差” がありますよ!』というお話をしました。
『ホワイトバランスの失敗』もこれと似ていて…
人間とカメラの『光の色の見え方の ”差” 』が、失敗に繋がってしまうんです。
ちょっとイメージしてみてください…
皆さんの目の前に、白いボールがあるとします。
そして、そのボールに『白い光』が当たっています。
(『白い光』は『晴天の日中の太陽の光の色』で、写真の基準の光の色です)
この場合、人間もカメラもボールは『白く』見えます。
今度は、同じ白いボールに『赤い光』が当たっています。
(『赤い光』は『白熱電球の光やローソクの光、夕日の光』などです)
すると…
人間は記憶も影響して、まだなんとなくボールは『白く』見えますが…
カメラには『赤い』ボールに見えていることがあります。
『自分はそんなに赤く見えないのに、撮ったら真っ赤に写った』となってしまうのは…
そこに『カメラと人間の色の見え方に、差があったから』なんです。
カメラは何色に見えているか?
ホワイトバランスの失敗をしないためには…
『カメラは何色に見えているか?』
をしっかりチェックしながら撮ることが大事です。
光の色については『ホワイトバランスの設定とは?オススメは『オート(AWB)』』をご覧ください。
◎ 見た目より、赤みが強く写る場合
『ホワイトバランス』を『電球』に設定すれば、赤みが取れます。
◎ 見た目より、青白く写る場合
『曇天』『日陰』に変えて撮ると、青みが取れます。
『ホワイトバランス』の設定を変えて撮り終わったら『オートホワイトバランス(AWB)』に戻しておきましょう!
『変えたら戻す』はとても大事です。
ミラーレス(一眼)は、撮る前に『写る色味』で見える
ミラーレス(一眼)カメラの『ファインダーやモニター』の画面には、撮る前でも『(ほぼ)写る色味』で映ります。
『画面に映っている色味』=『(ほぼ)写る色味』なんです。
「赤く写っちゃった…」という場合は、撮る前の画面でも赤っぽく見えていたはずです。
見落とさないようにしましょう!
一方、一眼レフカメラの『光学ファインダー』の中で見える色味は、あくまでも『人間が見る色味』です。
このまま撮ったら、赤く(青く)なるのか?
ちょうどいいのか?
ファインダーの中では分かりませんので『撮ったら → 再生 → 色味チェック』を忘れないようにしましょう!
『ライブビューモード』に切替えれば、ミラーレス(一眼)と同じ『画面に映っている色味』=『(ほぼ)写る色味』で見られます。
一眼レフをお使いの方は、先に『ライブビュー』に切替えて、色味のチェックと必要であれば調整をしてから、ファインダーに戻して撮るスタイルもオススメです。
ミラーレスでもライブビューでも、事前に分からないことがあります。
『ライブビュー』で覗いても『(ほぼ)写る色味』で見られないケースの1つが…
『フラッシュ』を使って撮るケースです。
『フラッシュ』は、シャッターが開く間しか発光しませんので、事前のチェックができません。
例えば…
暗めの部屋で友達を撮る時、まず『ライブビュー』で覗いてみたら、友達が『赤っぽく』映って見えたとします。
この場合、上に書いたように、ホワイトバランスを『電球』に設定すれば、画面上でも赤みが取れて見えます。
「よし!OK」
さらに「暗いからフラッシュが必要だな!」と、フラッシュを光らせて撮りました。
すると…
写った写真は『真っ青』…海の中のような写真に…
と、こんなことが起きます。
フラッシュを使う時は『事前に色味が反映されない』ので、注意してくださいね!
ただ、この『フラッシュ+電球モード』は、ワザと真っ青に撮ると面白いので、似合いそうなシーンを探して試してみてください!
余談ですが…
『内蔵のフラッシュ』はなるべく使わずに撮る方がオススメです。
手ブレしてしまいそうな『暗い場所』だったら『ISO感度』をググッと上げて撮った方が、自然に写る場合が多いです。
『ホワイトバランス』も微調整したい!
「レストランで友達が赤く写ったから『電球』にして撮ったんだけど…
そうしたら”赤み”は取れたけど、今度は白っぽくなりすぎちゃって…
この中間くらいで撮れたらよかったのに…」
このようにおっしゃる方がいました。
同じように思った方はいませんか?
何かの記念の写真だったら、なおさらキレイにイメージ通りに撮りたい場面です。
確かにこの方の言う通り『赤い』からと言って『電球モード』に設定すると、赤みが取れすぎちゃうことがあります。
取れすぎちゃって、青白っぽくなってしまうこともあります…
「食事会の暖かい雰囲気も写したい!」と思ったら…
「真っ赤は嫌だけど、少し赤みを残したい」と思うはずです。
こういうケースはどうするか?
ここは『ホワイトバランスの微調整』で対応します!
『ホワイトバランスの微調整』が役に立つのは『赤み青みの微調整』だけではありません。
カラーフィルターのように、ワザと色を付けてイメージを表現したりと、いろいろな場面で使えるのでとても面白いんです。
ただ、少し操作が複雑です…
いちばんはじめの写真レッスンでは…
『難しいことはなるべくカメラ任せ、簡単に、でもしっかり・キレイに撮る』
がモットーです。
難しい操作はあまりオススメしていませんが…
この『ホワイトバランスの微調整』は、できれば覚えておきたい機能です。
『露出補正』と『ホワイトバランス微調整』ができれば、明るさも色味も自由自在です!
表現の幅がグググーっと広がります。
基本操作に慣れたら…
『次にマスターすること!』とリマインドしておきましょう。
取説で『操作』を確認しましょう
取扱説明書の『ホワイトバランス』のページの最後の方に書いてある場合が多いです。
(『微調整』ができないカメラもありますので、ご了承ください)
☎ カメラメーカーのサポートに聞いてみよう!
「説明書では無理…」という方は、メーカーの電話サポートを利用しましょう。
聞き方はこの通りです。
「(カメラの機種名)を使っているんですけど『ホワイトバランスの微調整』か『ホワイトバランスのケルビン値設定』は出来ますか?」
「モニターを使った微調整の仕方も教えてもらえますか?」
サポートの担当さんは、親切に最後まで教えてくれます。
一度覚えちゃえば、もう大丈夫です!
微調整して撮ってみましょう!
では、操作を覚えたら早速試してみましょう。
一眼レフカメラをお使いの方は『ライブビュー』に切替えてご一緒に!
被写体を画面で見ながら『ホワイトバランスを微調整』していきます。
画面で見ながら調整するのがポイントです。
設定画面だけで操作しても、実際に色味がどうなっているか?わかりません…
◎ まずは、赤と青の微調整をしてみましょう!
『見た目より ”赤み” を強めに』⇆『見た目に近い色味』⇆『見た目より ”青み” を強めに』
画面を見ながら、一番自然な色味に合わせましょう!
◎ さらに、カラーフィルターとして…
『緑を強くしてみたり』『ピンクにしてみたり』…
画面を見ながら、お好きな色を付けてみましょう!
できましたでしょうか?
できたら、さらに合わせ技で『露出補正』もプラスして、見た目とは違うけど『キレイな色と明るさ』を作ってみましょう!
これを覚えたら、いろいろ撮れる気がしませんか?
例えば、食事会を撮る時の頭の中は、こういうフローになります!
赤みを程よく残した『暖かい食事の雰囲気』も撮れますし…
裏路地の風景に薄く青を被せて『クールな雰囲気』を演出することもできます。
皆さんのお好きなように、いろいろな色味で撮ってみてくださいね。
重ねてになりますが、同じシーンを撮り終えたら『オートホワイトバランス(AWB)』に戻すのをお忘れなく。
- ホワイトバランスの失敗をしないために
- 見た目より『赤っぽく(青っぽく)』写るのは、ホワイトバランスが原因。
- 『赤み青み』を取るために、ホワイトバランスの設定を変える。
- 撮ったら再生して、色味の確認をしっかりと。
- 液晶ファインダーやモニターなら、撮る前でも『赤み青み』のチェックができるので便利!
- 『ホワイトバランスの微調整』をマスターして、自在にコントロール!
- 『ホワイトバランスの微調整』は、操作が多少難しいので、ギブアップする前にメーカーの電話サポートを!
お疲れ様でした!