この教室では、普段の撮影に「プログラムオート」をオススメしています。
人物も、お花も、料理も、風景も、夜景も…
いちばん簡単に、そしてキレイに撮れるのがプログラムオートです。
でも、せっかく買ったカメラですし、もっと色々やってみたいと思う方なら、絞り優先、シャッター速度優先、マニュアルモードも気になるはずです。
そこで今回は、これらのモードではどんなことができるのか?
どんなときに使うのか?をお話ししていきたいと思います。
カメラの2大操作、それは露出と効果のコントロール
絞り優先、シャッター速度優先、マニュアルモードと聞くと、何となく…
「絞りとかシャッター速度とかを自分で動かすんだろうなぁ」と思うと思います。
もちろんそれで正解です。
では、絞り、シャッター速度を変えると何が変わるのか?というと…
それは「露出」と「効果」です。
露出とは、写真の「写る明るさ」のことです。
効果とは、「絞りを変えれば、ボケるorボケない」。
「シャッター速度を変えれば、動きを止めるor流す」。
です。
露出のコントロールとは?
絞りを開ければ写真が明るくなる。
絞れば暗くなる。
シャッター速度を遅くすれば写真が明るくなる。
速くすれば暗くなる。
これはどこかで聞いたことがありますよね?
絞りとシャッター速度を変えることで「写る明るさ」が変わります。(プラスISO感度も)
これは写真を撮るときの最も大事で基本の操作で、1シーンごと、1コマごと変える必要があるんです。
でも、みなさんは、絞りやシャッター速度なんて、これまで一度も動かさなかったかもしれません。
それでもキレイに写真が撮れるのは、カメラが全てやってくれるからです。
これを「自動露出(AE)機能」と言って、マニュアルモード以外のモードで常にONになっています。
露出のコントロールは簡単ではありませんし、間違えられないので、ここはカメラ任せた方が正解です。
つまり、絞り優先とシャッター速度優先で、みなさんが絞りやシャッター速度を変える目的は、「露出」ではなく、「効果」をコントロールするためなのです。
効果のコントロールとは?
上でも書きましたが、効果のコントロールとは…
絞りなら、ボカすか?ボカさないか?
シャッター速度なら、動きを止めるか?流すか?
です。
この効果を写真に写すことによって、まさに写真ならではの表現ができます。
ボケをコントロールをしたい → 絞り優先モード
絞り優先モードは、絞りを自分で、シャッター速度はカメラが動かします。
露出はカメラ任せ、ボケの効果をコントロールするモードです。
公園でカメラを持っている上手そうな人に「今使っている撮影モードは?」とアンケートすれば、「絞り優先!」と答える方が多いかもしれません。
絞り優先は、F値を大きくしすぎなければそんなに難しくはありません。
プログラムオートとともに、普段使いにオススメのモードです。
詳しくは、ボカす?ボカさない?『絞り優先:A (Av) モード』でご紹介しています。
ただ、背景を上手にボカすには、レンズの使い方も大切です。
動感をコントロールしたい→ シャッター速度優先モード
シャッター速度優先モードは、シャッター速度を自分で、絞りはカメラが動かします。
露出はカメラ任せ、動感の効果をコントロールするモードです。
動きモノのシーンなど、このモードじゃないと撮れない場面も少なくありません。
また、わざと遅いシャッター速度でブレを生かしたりなど、人間の目では見れない世界を表現できたりと、実はとても面白いモードなんです。
プログラムオートや絞り優先に慣れたら、次はシャッター速度優先をチャレンジしましょう。
ハマる方は多いハズです。
詳しくは、食わず嫌い?本当は1番楽しい『シャッター速度優先:S (Tv) モード』でご紹介しています。
絞り優先、シャッター速度優先で必ず起きる失敗…
ボケ感や動感を自由にコントロールして撮れたら楽しそうですよね?
でも、これらのモードは、プログラムオートに比べると失敗するケースが増えます。
それはどんな失敗か?といえば、「露出(写る明るさ)」の失敗です。
絞りとシャッター速度を動かすと、変わるのは露出と効果ですよね?
しかもこの2つは連動するんです。
効果のことばかりを考えて撮ると、写る明るさがおかしくなってしまうんです。
例えば、今度友達を撮ることになったとします。
買ったばかりの自慢の「明るいレンズ」で…
絞り優先でF値を小さくして…
背景をキレイにボカして…
友達が喜ぶ顔が目に浮かびます。
そして当日、事前のイメージ通りに設定して撮ったら、写真が全部真っ白…
レンズの故障を疑って、違うレンズで撮ってみてもやはり真っ白…
友達の表情もどんどん曇ってパニック寸前です。
でもこのとき、サッとプログラムオートに切替れば、カメラはF値を11や16位まで絞るはずで、それがその場所の明るさに対しての「正しい露出」なんです。
ボケの量は減りますが、キレイな明るさで問題なく撮れるはずです。
また、シャッター速度優先でも明るさの失敗がよく起こります。
写真が真っ暗…? 暗い場所で”シャッター速度”を速くするには?
写真はまず「写る明るさ」が第一です。
写る明るさが「正しい範囲」の中で、効果をコントロールしなければならないのです。
絞り優先、シャッター速度優先で写る明るさを変えるには?
絞り優先、シャッター速度優先では、カメラが「露出(写る明るさ)」を決めてくれます。
みなさんが、絞り、シャッター速度を変えても明るさは変わりません。
「カメラが決めた明るさでしか撮れないの?」と思うかも知れませんが、もちろんそんなことはありません。
プログラムオート、絞り優先、シャッター速度優先で、写る明るさを変えるには「露出補正」を使います。
暗い?明るい?写真の明るさは『露出補正』で簡単・自在にコントロールできます。
「明るく!暗く!」と補正するだけで、カメラが、絞り、シャッター速度を変えてくれます。
簡単ですよね?
露出も効果も同時にコントロールしたいなら
マニュアルモードでは、絞りもシャッター速度も自分で動かします。
露出と効果の両方を自分でコントロールできます。
このモードのときだけ、絞りを開ければ写真が明るくなります。
シャッター速度を速くすれば写真が暗くなります。
でも、この教室では、マニュアルモードはあまりオススメしません。
マニュアルだからキレイに撮れるということはありません。
同じような結果が撮れるなら、なるべく操作は簡単な方がいいですよね?
良い写真を撮るために必要なのはカメラの操作だけではありません。
他に大事なことがたくさんあります。
難しいこと面倒なことはカメラにお任せ。
なるべく簡単に、でもしっかりキレイに撮る。
これが「FLOWERCAMER流」です。
ただ…
マニュアルモードじゃないと撮れないシーンもあります。
詳しくは、普段使いは…でも『マニュアル露出:Mモード』でしか撮れない写真も!でご紹介しています。
また、ミラーレスだからこそできる、マニュアルモードの新しい使い方もあります。
ISOオート?露出補正?AEロック?新しいマニュアルモードの使い方
露出も効果も、両方カメラ任せがいちばんオススメ
プログラムオートは、絞りもシャッター速度もカメラ任せです。
「撮ること」にいちばん集中できるモードだと思います。
露出も効果もカメラ任せという部分では、AUTOやシーンモードと同じです。
もし、プログラムオートはどこが優秀なの?と聞かれたら…
AUTOやシーンモードと同じ「手軽さ」と、応用撮影モードでできる「細かい設定」、この2つが組み合わさったところだと思います。
写る明るさを変えたければ「露出補正」。
誰でも簡単キレイ!に撮れちゃいます。
詳しくは、簡単キレイ!普段使いにオススメ『プログラムオート:Pモード』でご紹介しています。
お疲れ様でした!