皆さん、「スローシャッター撮影」って聞いたことがありますか?
スローシャッター撮影とは…
シャッター速度をただ遅く設定して撮るだけです。(笑)
でも、写真に写る効果はものすごくステキです。
川が流れている様子を「スローシャッター」で撮ると…
カレンダーに載ってる写真みたいですよね!?
これは、「シャッター速度優先モード」で、シャッター速度を「1/4〜1/8秒くらい」に設定して、「露出補正」で明るさを自分好みに合わせ撮るだけです。
三脚が必須の『スローシャッター』ですが、この面白さにハマると、いろいろなシーンを撮ってみたくなるハズです。
でもある日、いつものように『スローシャッター』で撮っていると…
「あれ?なんか明るすぎる…」
「ん?なんで真っ白にしか撮れない?」
こんな失敗に遭遇するかもしれません。
今回のお話は、シャッター速度優先で「露出がオーバー」になる理由をご紹介していきます。
スローシャッター好きの方は必ず覚えておきましょう!
明るすぎる場所で『スローシャッター』は撮れません。
真夏のギラギラと暑い日、雲も木陰もない公園…
そんな場所を頭に描くと、皆さんは『すごく明るい場所』のイメージが湧くと思います。
このような場所では『スローシャッター』では撮れません。
撮れなくはありませんが…
無理やり撮ると『露出オーバー』の失敗 = 写真が『真っ白』になってしまいます。
どうしてでしょうか?
写真の明るさは『絞り』と『シャッター速度』で光の量をコントロールして決まります。
シャッター速度を遅くするほど、絞りの窓を通過してくる光の量を少なく(F値を大きく)しないといけません。
『露出オーバー・真っ白』で失敗するこのケースは、設定した『遅いシャッター速度』に対して『絞りの窓』からの光が多すぎたからです。
「絞りの窓からの光が多いなら、絞りを絞れば(F値を小さく)いいんじゃないの?」
そう思った方『正解』です!
ただ『シャッター速度優先』は『シャッター速度は皆さんが決める・絞りはカメラが決める』モードです。
『真っ白』になるくらいの状況では、カメラはすでに『最小絞り』まで絞りの窓を閉めてくれているはずです。
絞りの窓を『最小(F値最大)』まで閉めても、設定した遅いシャッター速度に対して、まだ光が多いと言うことなんです!
これが『真っ白』に撮れる原因です。
「ISO感度を一番下げたら?」
これも『正解』です。
ですが、ISO感度は『ISOオートがオススメ設定』ですから、カメラはすでに最低の感度に下げてくれているはずです。
ただこのようなケースに遭遇したら、念のため『ISO感度』をチェックしておきましょう。
もしかしたら、自分で『最低じゃない感度』に設定したままになっているかもしれません…
『露出オーバー』を回避するには『シャッター速度を速くする』以外に方法がありません。
残念ながら、その場所は『明るすぎて、スローシャッターでは撮れない』ということなんです。
「ブラして撮りたい!」のにブラして撮れない!のです…
でも、カメラは撮る前に教えてくれています。
実は、カメラは撮る前、皆さんに「このまま撮ったら『真っ白』になりますよ!」と、教えてくれています。
皆さん『カメラのサイン』にしっかり気づいてあげてくださいね!
そのサインとは…
『F値の点滅』です。
「この場所の明るさに対して、シャッター速度が遅すぎるよ!F値は一番大きくしたけど、それでもまだ光が多すぎ!このまま撮ったら真っ白になるよ!」
という意味の点滅なんです。
皆さんは、この点滅に気がついたら『F値の点滅』が止まるまで『シャッター速度』を速くすればOKです!
『ちょうどいい明るさ』で撮ることができます。
ミラーレス(一眼)が出すサインは…そのまま!
ミラーレス(一眼)の『露出オーバー』のサインは…
覗いている『背面モニター・電子ファインダー』の画像そのものが『真っ白』になって教えてくれます。
(F値も同時に点滅します)
背面モニターや電子ファインダーで見える明るさは、基本的に『写る写真の明るさ』です。
『露出オーバー』で『真っ白』に撮れるなら、覗く画面も『そのままの真っ白』です。
分かりやすいですね!
一眼レフをお使いの方は『ライブビュー』に切り替えると同じように確認できます。
(一部『写る明るさと、覗いている明るさ』が同じにならない機種もあります)
「どうしてもスローシャッターで撮りたいな!なんとかならない?」
それでも「どうしてもスローシャッターで撮りたい!」という方は…
カメラ屋さんで売っている『減光フィルター』というフィルターを使いましょう!
『減光フィルター』をレンズの前に付けることによって、レンズから入る元々の光を弱めることができます。
レンズの前にサングラスをつけるようなイメージです。
そうすれば、明るい場所でも『スローシャッター』で撮れます!
『減光フィルター』は、アイディア次第で他にも不思議な写真が撮れますので面白いですよ!
『真っ白の失敗』って他にも聞いた気がする…
『真っ白』の失敗は他に…
『露出補正』が強く掛けたままになっている(+3.0のままなど)場合
『露出補正』は大事な操作なので、積極的に使っていただきたいのですが…『変えたら戻す』クセをつけておかないと、このような失敗で慌てることがありますよ!
すごく明るい場所で『絞り優先』にして、F値を小さくしている場合
これもたまにあります。
明るいレンズを買って、せっかくだからと、いつも『F値解放』で撮っていると…『真っ白』になることがあります。
『写真が真っ白…絞り優先で起こる『露出オーバーの失敗』とは?』で詳しくご紹介していますので、併せてチェックです!