先日、念願の明るいレンズを買った方から こんなお話を伺いました。
「せっかくの明るいレンズだから、常にF1.8で撮っていたら、写真が全部真っ白になっちゃった…」
似たようなケース、皆さんは経験ありませんか?
これは、絞りの窓 を通過する光の量が多すぎたため、シャッターの窓が能力の限界を超えてしまって 真っ白になるケースで、いわゆる「露出オーバーの失敗」です。
明るいレンズ+明るい場所+絞り優先=真っ白の失敗
こんな時は、せっかくの明るいレンズですが、F値を大きくして撮るしかありません…
F1.8もの明るいレンズじゃなく、普通のレンズでも、夏で日向でなんて場所では『絞り優先』でF値を小さく固定すると同じことが起こることがあります。
「ISO感度を下げたら?」と思った方は正解ですが、ISO感度は『オススメのISO感度オート』に設定していれば、すでに最低感度までカメラが自動的に下げてくれているはずです。
撮影中にこのような状態に出くわしたら、まずは一度『ISO感度をチェック』しましょう。
もしかしたら『なぜかISO1600とかに固定されていた…』なんてこともあるかもしれません。
『いちばんはじめ』は『ISO感度はオート』がオススメです!
でも、撮る前にカメラは教えてくれています!
このようなケースでも、カメラは撮る前に『真っ白に写ってしまう』ことが分かっています。
しかも、それをさりげなく『お知らせ』してくれていますよ!
皆さんはそのサインに気づくことができれば『真っ白な失敗』を撮る前に回避できます。
では、その『カメラのお知らせ』を2つご紹介していきます。
カメラのお知らせ①『シャッター速度の点滅で教えてくれる』
「この光の量だと、シャッター窓の能力の限界を超えて、真っ白になっちゃいますよ!」とシャッター速度を点滅させて教えてくれます。
シャッター速度の点滅が止まるまでF値を大きくして撮れば、ちょうど良い明るさで撮れます。
カメラのお知らせ②『画面の明るさで教えてくれる』
ミラーレス(一眼)は、露出がオーバーになっていることを『背面モニター』や『電子ファインダー』の画面の明るさで教えてくれます。
一眼レフをお使いの方は『ライブビュー』に切り替えると同じように確認できます。
撮る前にモニターに映る画面が『真っ白』になっていて、露出オーバーを『そのまま見せて』教えてくれるんです。
これ以上分かりやすいことはないと思います(笑)
(一部の機種では『露出オーバーが画面に反映されない』場合もあるようです)
対応策は同じ『F値を大きく』です。
実際にモニターを見ながら『真っ白』から『ちょうどいい明るさ』になるよう『F値を大きく』していきましょう。
画面がちょうどいい明るさになったら、一眼レフの方はファインダーに戻して撮っても大丈夫です!
これ、残念なパターンがありました…
「撮るときに画面が真っ白になっちゃって…壊れたんですかね?」と聞かれたことがありましたが…
それは、カメラがこの『露出オーバーを教えてくれていた状態』でした。
せっかくのカメラのお知らせですので、意思の疎通はしっかりと!です。
シャッター窓の能力の限界を超えるって?壊れちゃうの?
『シャッターの窓が能力の限界を超えてしまったので『真っ白』になったケース』と上に書きました。
『シャッター能力の限界を超えるとはどういうことか?』を続けます。
『絞り優先』でF値を決めると『絞りの窓』から通過してくる光の量に応じて『シャッターの窓』は開くスピードを調節してくれますよね?
絞り窓から届く光の量が多かったら『速く開け閉め』、少なかったら『ゆっくり開け閉め』というように働きます。
では『絞りの窓から届く光の量が多すぎるとき』はどうなるか?
『絞りの窓』からの光が多すぎると、シャッターの窓はそれだけ速いスピードで開け閉めしないといけなくなります。
ですが『シャッター窓の開け閉めの速さ』には限界があります…
『シャッター窓の一番速い開閉のスピード』はカメラの機種によって違いますが…
一般的な機種ですと1/2000〜1/4000秒位、上位機種で1/8000秒位でしょうか。
これが『そのカメラのシャッター速度の最高速度』です。
『一番速い開閉の能力』をオーバーする程の大量の光が『絞り窓』から通過してきた場合、シャッターを最高速度で開け閉めしても、光を適正な量まで弱められません。
すると、光が多いままセンサーに届いてしまい『露出オーバー(明るすぎる・真っ白)な写真』が出来上がってしまうんです。
ただ、シャッターが壊れることはありませんのでご安心ください。
上にも書きましたが『F値を少し大きめ』にして、『シャッターの窓』がコントロールできる量まで、光の量を減らしてあげれば『露出オーバー』にはなりません。
『AUTOモード』や『プログラムオート』を同じ状況で使うと、自動的にF値を大きくしてくれますが…
『絞り優先』の場合は「F値は自分で変えます!」と宣言しているので、あくまでも『自分でF値を大きくしないとダメ』なんです。
明るい場所で明るいレンズを使うときは気をつけましょう!
「明るい場所だけど、せっかくのレンズだから、どうしてもF1.8で撮りたい!」
お気持ち分かります!
そんな時は『減光フィルター』をレンズの先端に付けて、レンズから入る『元々の光の量』を少なくさせる方法もありますよ!
ご興味がありましたら、ぜひお店でご覧になってみてください。