露出(写真の明るさ)を完全にマニュアルで決めるのは、すごく手間がかかり簡単ではありません。
ですが『ライブビュー』や『液晶ファインダー』を上手く使うと、事前に『今の露出をリアルタイムで』確認することができます!
デジタルカメラならではの機能を使って『マニュアル露出じゃないと撮れないシーン』にもし遭遇したときの準備をしておきましょう!
今回は『マニュアルで撮るなら…ライブビューで事前に露出をチェック!』というお話です。
(『露出の変化が背面モニターに反映されない』機種もあります。ご了承ください。)
被写体の今の明るさ、分かりますか?
露出をマニュアルで決めるということは『絞り』『シャッター速度』『ISO感度』を全て自分で決めるということです。
例えば被写体を目の前にして「絞りがF2.8・シャッター速度が 1/125Sec・ISO感度は400でバッチリ!」と言える人がいるでしょうか?
僕は無理です!
本来、マニュアルで露出を決めるときは『露出計』を使います。
露出計で明るさを測って、その結果から『絞り』『シャッター速度』『ISO感度』を決めます。
ただ露出計で測ったからといって『露出計の出た目』そのままで『望み通りの明るさ』で撮れるかというとそうではありません…
光の状態や被写体の色などなど…様々を頭で計算して判断する必要があります。
まさに『プロの仕事』で、僕は苦手でした(笑)
私の父は…
「私の父は『曇りの日は、ISO400でF8、1/250位で撮れば大丈夫!』と言ってました」と言われたことがあります。
フィルム全盛の頃、フィルムの箱には『露光ガイド』が書いてあって、おおよそのシーンでの基本露出が書いてありました。
彼女のお父さんはその頃の記憶が強く残っているんだと思いますが…
この感覚のままデジタルカメラで撮っても上手くいきません。
フィルムとデジタルで被写体の明るさが変わることはありませんが、デジタルカメラの露出はより厳密に合わせる必要があるからです。
ネガフィルムの場合、多少明るく(暗く)撮ってしまっても、現像やプリントで『適正露出』に戻せます。
ストライクゾーンが広い甘めの審判という感じでしょうか。
一方、デジタルカメラの審判は厳しいです…
ネガフィルムなら『んーストライクでいいや』と言われた球も『ボール(もしくは暴投)!』と言ってきます。
これはあくまでもイメージですが、例えば適正露出が『10』だとすると…
ネガフィルムだと『13』の明るさ(明るめ)で撮ってしまっても『7』の明るさ(暗め)で撮ってしまっても、現像やプリントで画質をあまり損なわずに『10』の明るさに戻すことができます。
つまり『13〜7の間の明るさで撮っておけば、後でなんとかなった』ということです。
ですが、デジタルカメラだとその幅は『11〜9』くらい。
初めからなるべく『10』の適正露出に合わせて撮る必要があるんです。
ストライクを取りたいなら、いつも『ど真ん中』に球を投げる必要があるということです。
「フィルムの経験は長いんだけど、デジカメになって露出がどうもうまくいかないんだ…」とお聞きすることもあります。
原因はいろいろと思いますが、露出に関しては上記の通り、デジタルカメラではフィルムより『よりしっかり適正露出で撮る』必要がありますので、『今日は曇りだから、ISO400でF8、1/250位だな』で撮ると『明るめ』『暗め』の写真が撮れて失敗しちゃいます。
しかもデジタルカメラは結果が早いですから、撮った直後に目の前に失敗写真を見せてくれます。
ですので、普段使いは『絞り優先』や『プログラムオート』でカメラの露出計にしっかり頼って撮る方が失敗が少なく簡単です。
さらに自分好みの明るさに微調整する場合は『しっかり露出補正』で大丈夫でしたね!
デジタルカメラならライブビューで撮る前に露出の確認ができる!
さて、デジタルカメラで『マニュアル露出』を使って撮るときのお話に戻りますが…
デジタルカメラの背面モニターを使えば、設定した『絞り』『シャッター速度』『ISO感度』で写真の明るさが良いかどうか、撮る前にチェックできます。
これなら『マニュアル露出』を使っての露出合わせも簡単です!
実際にやってみましょう。
①撮影モードを『マニュアル露出』に合わせます。
②一眼レフをお使いの方は、背面モニターに切り替えます。
ミラーレス(一眼)をお使いの方は、液晶ファインダーでも背面モニターでもどちらでもOKです!
③例えば『ISO感度200・絞りF5.6・シャッター速度1/125』にそれぞれ設定します。
④背面モニターを見ながら、画面(露出)が暗かったらシャッター速度を遅くしてみます。
逆に画面(露出)が明るかったら、シャッター速度を速くしてみます。
どうでしょうか?モニターの明るさが変わりませんか?
今、モニターに写っている明るさは基本的に『撮ったらそのまま写る明るさ』です。
(『露出の変化が背面モニターに反映されない』機種もあります。ご了承ください。)
④の操作は『撮る狙い』に応じて変わりますね!
実際は目的に応じて『どれを動かすか?』を変えていきます。
どれか1つだけ変える場合もあれば、2つ、3つを合わせて変えることもあります。
この辺は慣れが必要です…
マニュアル露出を使うとき、設定した値に対して画面の明るさを変えて見せてくれるのは、背面モニターや電子ファインダーが優れている点の1つです。
これは『答えを見せてもらいながら問題を解いていく感覚』です。
誰でも100点が取れます(笑)
厳しい先生なら「頭の中で計算しなさい」と言うかもしれませんが…
背面モニターで露出をチェックした後は、そのまま撮っても、ファインダーに戻して撮ってもOKです。
撮った後は再生して仕上がりのチェックもお忘れなく!
普段使いは『絞り優先』や『プログラムオート』がオススメです!
自分で『絞り』『シャッター速度』『ISO感度』をそれぞれ動かして、露出を合わせていると「普段はこれをカメラがササッとやってくれているんだ」と実感できるはずです。
さらに屋外で撮っているときは、一度露出を合わせてもカメラの向きが少し変った…空の雲の状態が少し変わった…で明るさが変わります。
適正露出の幅が狭いデジタルカメラですから『マニュアル露出モード』の場合は、明るさ変化に応じて常に値を変えなくてはいけません。
大変ですし、人を撮るときなどは時間が掛かっちゃいますね…
『難しいことはなるべくカメラにお任せ!なるべく簡単に、でもしっかり・キレイに撮る!』がモットーのこのサイトですので、普段使いにオススメなのはあくまでも『絞り優先』や『プログラムオート』です。
でも『マニュアル露出』を使うことがあったら、ぜひ『背面モニター』を上手く露出を合わせてみてくださいね!