望遠レンズはブレるから苦手… だったら”シャッター速度優先”がオススメです!

「望遠はブレまくるからキライ…」

このように思っている方はいらっしゃいませんか?

でもこれは単純に皆さんの腕のせいだけではありません。
実は望遠レンズで撮るときの方が、標準や広角レンズよりブレやすくなります。

今回は、望遠レンズのブレの原因と対策についてご紹介していきます。

望遠レンズは、しっかり撮れればとても面白いレンズです。
友達の写真と一気に差をつけることもできます。

「セットで望遠も買ったけど、全然使ってない…」

そんな皆さんのために、まずはブレの問題から解決していきましょう。

望遠レンズの方がブレやすいのはどうして?

望遠レンズは『画角(写る範囲)』が狭いレンズです。

ファインダーやモニターを見ながら、カメラを上下、左右に軽く振ってみると…
『広角レンズ(画角が広い)』より、『望遠レンズ(画角が狭い)』を付けているときの方が像が大きく早く揺れて見えると思います。

大きく早く揺れて見えると言うことは…
『手ブレ(カメラブレ)』しやすいということでもあります。

撮っている最中、画面の揺れに酔って気持ち悪くなるのも、望遠を付けているときが多いハズです…

『手ブレ(カメラブレ)』しないシャッター速度の目安とは?

”1/レンズ焦点距離(秒)”以上のシャッター速度。

これは、『昔から手ブレしにくいシャッター速度の目安』といわれているものです。

『50mm相当(35mmフィルム換算)』の標準レンズなら…
”1/60秒”以上で撮ればブレにくい。

『300mm相当(35mmフィルム換算)』の望遠レンズなら…
 ”1/250〜1/500秒”以上で撮ればブレにくい。

(あくまでも手ブレのお話で、被写体ブレはまた別です。)

手ぶれ補正が無かった昔は、誰もがこの目安を参考にして撮っていました。

望遠レンズ,手ブレ,シャッター速度優先,目安,

35mmフィルム相当が分からないときは、こちらもご参考ください。)

上の図をご覧いただくと…
広角28mmと望遠300mmとでは、『目安となるシャッター速度』がかなり違っていますよね?

繰り返しになりますが…
画角が狭い望遠レンズで撮るときは、手ブレしやすいので、速めのシャッター速度で撮った方が安心だということです。

目安と手ブレ補正とダブルで安心。

今のカメラには優秀な手ぶれ補正が付いています。

例えば、300mm相当の望遠レンズで撮る時…
ブレにくいシャッター速度の目安が ”1/500秒”くらいでした。

さらに、そこから『手ブレ補正』を効かせると…

◎2段分の補正なら…

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「 ”1/125秒” で撮っても安心!」ということになります。

◎3段分の補正なら…

ミラーレス,一眼,カメラ,写真,教室,初心者,使い方,撮り方,手ブレ,シャッター速度,何段分

「300mmのレンズでも”1/60秒”で大丈夫」ということになります。

もちろんしっかりとした構えはお約束です。

シャッター速度優先で『安全なシャッター速度』に固定する。

このサイトでは、普段使いの撮影モードに『プログラムオート』や『絞り優先』をオススメしています。

ただ、これらのモードの露出は画質優先でコントロールされます。

例えば…
①「ISO100、F5.6、1/60秒」
②「ISO200、F5.6、1/125秒」

①と②は同じ明るさに写りますが、プログラムオートや絞り優先が選ぶのは①です。
画質優先、なるべく低いISO感度で撮らせてくれます。

でも、望遠レンズのブレを気にするなら、②で撮りたいところですよね?

だったら…
『シャッター速度優先モード』で先に自分で”1/125秒”に固定してしまうのがグッドです。

シャッター速度優先は、望遠レンズのブレ対策にもとても有効なモードです。

『シャッター速度優先』で ”1/125秒”に合わせてみましょう。

それでは、シャッター速度優先モードに合わせて、シャッター速度を”1/125秒”に設定してみましょう。

ss125

大丈夫ですか?
ISOはオート、手ブレ補正はONに…
他の設定は普段使いのままでも大丈夫です。

後はしっかり構えて撮るだけです!

苦手な望遠レンズも、これならイケそうな気がしませんか?
設定は難しくないので是非チャレンジしてみて下さいね。

もちろん、1/1000秒、1/2000秒と速くするほどブレに対して強くなります。
手ブレだけじゃなく、動いている被写体もピタッと止めて撮れちゃいます。

「だったら、常に”1/2000秒”にしとけば良いんじゃん?」
と、思われるかもしれませんが…

『シャッター速度優先』はそう簡単にはいかないのです…

シャッター速度を速くしたら写真が真っ暗?

シャッター速度優先でダイヤルをグルグル回せば…
いくらでも速いシャッター速度で撮ることができます。

ただ、写る明るさがどうか?
これが大問題です。

シャッター速度を速くすると…

シャッターを通過する光が少なくなって…

センサーに届く光が少なくなって…

暗く写る。

これがシャッター速度を速くしたときの流れです。

でもシャッター速度優先なら…
① 絞りを開けて(F値を小さく)
② ISO感度を上げて
シャッター速度を速くして暗くなっても、同時にカメラが明るさを補ってくれます。

ただ、明るさを補うにも限界があります。
その場の明るさに対して、シャッター速度が速すぎると…

① 絞り → 一番開いた(開放F値)状態に…
② ISO感度 → 一番上がった(ISOオートの上限)状態に…

こうなってしまうともう補いきれません。
後は光が足りないまま写真は暗く写ってしまいます。

これが「シャッター速度優先で撮るとなぜか写真が暗くなる…」ときの理由で、多くの方が経験する???だと思います。

F値の点滅

その場の明るさに対して、シャッター速度が速すぎなのか?問題ないのか?
これを肉眼でパッと判断できる人はなかなかいません。

でも大丈夫です。
それは、撮る前にカメラが教えてくれます。
チェックするのは『F値』の点滅です。

stenmetu

F値が点滅 → シャッター速度を速くしすぎ、暗く写るよ!
点滅なし → そのシャッター速度なら大丈夫だよ!

もし今、お部屋でご覧になっているなら…
”1/125秒”でもF値が点滅するかもしれません。

シャッター速度優先で撮るときは…
F値が点滅していないか?
これを常にチェックすることがとても大切です。

ミラーレスなら、モニターやファインダーに映る像を『暗く』して教えてくれるカメラもあります。
モニターが暗いなぁと思ったら…
故障を疑う前に、アンダーな露出を疑いましょう。

F値の点滅は諦めのサイン…

もし、F値の点滅を無視して撮ったら…
そうです、写真は暗く写ります。

シャッター速度優先でF値が点滅してる…
でも暗い写真は嫌だ…

こんなとき、皆さんが取る手段は…
1|速いシャッター速度を諦める(遅くする)か?
2|ISO感度をさらにググッと上げるか?
の2つです。

1|速いシャッター速度を諦める(遅くする)か?

暗く写るのはシャッター速度が速すぎるからなので、遅くすれば良いだけです。
でも、望遠レンズのブレ対策でシャッター速度を速くするために『シャッター速度優先』を選んでいますので、もうメリットが無くなっています…
『プログラムオート』や『絞り優先』に戻した方が良いということです。

2|ISO感度をググッと上げるか?

暗さを補うもう一つの方法は『ISO感度を上げる』です。
ただ、ISO感度はISOオートがオススメなので、すでにカメラがグッと高い感度を選んでくれているはずです。
ISOオートをやめて、さらに1段2段、感度を上げることもできますが…
画質が悪くなりますし、またすぐに限界がきて『F値が点滅』するハズです。

つまり、F値が点滅するくらいの暗い状況ということは…
『望遠レンズ+手持ち撮影+ブレさせない』は厳しいということです。

もう『プログラムオート』や『絞り優先』に戻して、カメラを固定して撮った方が簡単にキレイに撮れる状況です。

望遠レンズを付けると、シャッター速度が自動的に速くなる?

最近は、望遠レンズを付けると自動的に『ブレにくいシャッター速度』に設定してくれるカメラもあります。

これまでご紹介した一連の流れを、カメラが自動的にやってくれます(笑)

『何ミリのレンズが付いているか?』
『ズームレンズなら、今焦点距離が何ミリなのか?』

皆さんのカメラは、常にレンズの状態を監視しています。

賢いというか、気の利くというか…
ここまでやってくれるのか?と感心してしまいます。

ただ、どのカメラにも付いている機能ではありませんので…
『使うレンズに合ったシャッター速度に自分で固定する』今回のお話は、覚えておいた方が良いですよ。

お疲れ様でした!

「望遠じゃなくてもブレブレ…」という方は…

ブレ失敗はもう卒業!ブラさないための基本とは?

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