私が撮るとあんまり美味しそうじゃないし、色もキレイじゃない…
Instagramやレシピ本で見る雰囲気のおしゃれな料理写真と比べて、どうして自分が撮ると 変にリアルな写真になってしまうのか? とお悩みの方は少なくないと思います。
お皿のチョイスや盛り付けも気を使っているし、新しくiPhoneも買い替えたのに …何が違うの?!とお悩みでしたら、一度、写真の影を見比べてみると良いかもしれません。
今回は、自宅で料理を簡単・おしゃれ・キレイに撮るコツをご紹介します。
もちろんスマホでもOKです。
自分が撮った写真の影は どんな影?
皆さんのスマホの中にある、あんまり… という写真の影は、もしかしたらこんな影ではありませんか?
お皿の真下にできるクッキリとした濃く短い影は、天井に付いているシーリングライトやスポットライトで撮ったときに良くできる影です。
真上からの光は立体感が出にくいので、何となく べちゃっと潰れたように写ってしまい、おしゃれというよりはリアルな感じで、説明写真としてはアリですが、全体としては普通な印象の写真になりがちです。
料理をキレイ・おしゃれに撮りたかったら、何はさておき、まずは、キレイ・おしゃれに撮れる光を選ぶところから始まります。
テーブルフォトは、電気を消して自然光で
今度は窓際に移動して、自然光だけで撮りました。
同じスマホ、同じ設定(明るさ以外オート)で撮ったのに、きんぴらの艶感や立体感もキレイで、目で見るより美味しそうですし、雰囲気もナチュラルでなんとなく おしゃれな感じもします。
そして、さっきの写真の影と比べると、一方向に少し長めで、色が薄くふんわりとしています。
最初はこういう影を真似して撮ってみましょう。
電気を消すと部屋が暗くなるかもしれませんが、iPhoneなら不思議なほど手ブレしませんし、カメラでもISO感度をオートにしておけば恐らく大丈夫だと思います。
ただ、やはり明るいに越したことはないので、なるべく窓の近くで(直射日光は避けて)撮ることをおすすめします。
同じスマホでも、撮る場所を変えると、
写りもこんなに変わります
おしゃれな写真は、影がおしゃれです。
雰囲気を真似したかったら、影を真似して撮るのがコツです。
自然光 + 光の向き
ただ、自然光の方が素敵に撮れる!と言っても、単に窓際に置いて撮ればOK!というほど、簡単ではありません。
下の写真も窓際で撮りましたが、今度はなんだかリアルな感じでイマイチです。
自然光で撮ることを選んだら、次に、光の向きを選びましょう。
さっきの写真は、お皿の右手前に影が出ていますから、光は左後ろから当たっていることがわかります。
風景でも人物でもお花でも…
何を撮るときでもそうですが、光の向きで写りの印象はガラッと大きく変わります。
難しい操作や知識を覚えたり、高い機材を買うよりも、先に覚えるべき大事な感覚です。
ミラーレスだから、とりあえず画面に映してみればいい
上からの光が 悪いということではありません。
ただ、若干普通の印象の写真になりやすので今回は避けるとすると、あとは、前から・後ろから・横からの向きが残ります。
光を横から当てると立体感が出ますので、
前と横の間=斜め前から当てる(斜光)
後ろと横の間=斜め後ろから当てる(半逆光)
と、この辺の光の向きで撮ってみたら面白そうです。
でも、撮る前に仕上がりを見せてくれるミラーレスなら、頭で考えるより先に、画面に映して見てみれば一目瞭然です。(スマホもミラーレス)
皆さんの仕事は、モニターを見ながらぐるっと周って、一番美味しそうに見えるところを探すことです。
被写体の周りをぐるっと一周、
最初にざっくりとチェック
↓
良さそうなところは、
カメラの高さ・角度を変えて細かくチェック
光の良い位置が決まったら、被写体の正面を整えましょう。
あとは、明るさを合わせて、ピントを合わせて、手ブレに注意してシャッターを切ればOKです。
「湯気が写るように」とか「キレイな艶が出るように」とか「お肉が立体的に見えるように」とか「お米の粒が透き通るように」とか…
普段からスマホで光の向きで遊んで撮っているうちに、大まかなコツはすぐ掴めると思います。
「影がこっちに出ているから、光はこっちからだな」と、写真の見方も変わってくるはずです。
真上から光が当たる場所は、被写体を周っても光の向きが変わらないという点で、そのうち、撮っていてもあまり面白くなくなってしまうかもしれません。
光は直接当てなくても大丈夫
キレイに撮りたい!光が大事! と気合を入れて、直射日光を当てたり、照明を直接当てなくても大丈夫です。
光を直接当てなくても、被写体が見えるということは、光は当たっています。
「暗いと写真が暗く写るのでは?」と思われるかもしれませんが、いつも通り、露出補正できちんと明るさを整えれば大丈夫です。
光を直接当てると、少し強め・硬めな写りで、キリッとした、かっこいい印象の写真になります。
もちろん、その方が似合う被写体やシーンもありますが、最初は少し扱いが難しいので、日陰の場所で撮ることをおすすめします。(レースのカーテンを閉めたり、ブラインドのスラットを調整するなど)
でも、撮り慣れてきたら、ぜひ日向にもチャレンジしてしてみてください。
色が悪いのも 光のせい
食べ物の写真は、色がキレイに写っていないと、それだけで不味そうに見えてしまうので大きな問題です。
普段、皆さんもお感じだと思いますが、LEDや蛍光灯などの生活用のライトと 太陽の光では、同じものでも 色が違って見えたりします。
生活用のライトは、料理で特に大事な 赤 をキレイに写すことが苦手です。
トマトジュースの 赤 がだいぶ違います
このように、光の性質によって色が違って見えることを演色性と言います。
演色性が良い光の代表は 太陽の光ですので、普段からなるべく自然光で撮るように心掛けている人は、スマホで気軽にパチっと撮っても、キレイな写真が出来上がります。
演色性の良い・悪いは、一般的に平均演色評価数(Ra)という値で比べることができ、太陽の光(Ra100)で見たときと比べて、どれくらい同じ色で見えるか?を チェックすることができます。
ちなみに、写真用の照明はRa95などと、やはり演色性の良いライトが使われます。
プロの撮る写真がキレイなのは、まずは色がキレイに写せる光で撮っているというのがベースにあります。
スーパーの食品陳列棚も、演色性の良いライトに替えると売上が良くなるそうです。
一方、生活用のライトは明るさや省エネ重視なので、演色性はRa60〜80くらいと低めなものが多いですが、種類は少ないながらも、Ra90を超える高演色な家庭用のライトもあります。
「夜、部屋のライトで撮るときも、キレイな色で撮りたい」という方は、カメラや設定を色々と変えるより、演色性の良いライトに替えてしまった方が、手っ取り早いと思います。
写りの色も変わりますが、それ以上に、光がキレイだと毎日の食事がより美味しく感じられるので、その満足感の方が高いと思います。
※ 演色性の良いライトを選ぶときは、Raの数値と併せて、赤や肌色の見えの良さをアピールしている製品を選びましょう。
そして、部屋で撮るときは、なるべくライトの真下ではなく、手前に移動して撮るのがおすすめです。(斜め後ろから光が当たるように)
カメラの操作はなるべく簡単に
光に集中して撮るために、最初はなるべくカメラをシンプルに使うのがおすすめです。
明るさとピントさえしっかり合わせられれば、オートで撮っても大丈夫です。(もちろんスマホでもOK)
あとはレンズを上手く使って撮りましょう。
ピントと明るさ以外はカメラ(スマホ)任せ
iPhoneで簡単キレイに撮るコツはこちら
写る明るさを整える
写真の写る明るさは、最初にカメラ(スマホ)がだいたい決めてくれます。
ただ、自分の撮りたい明るさと違っていたら、必ず露出補正で微調整しましょう。
カメラで撮るときも、スマホで撮るときも、露出補正は必須です。
① 被写体にカメラを向け、なんとなく構図が決まったら、ピントを合わせたいところをタップします。
② タップしたところに黄色い枠が表示され、ピントと明るさを合わせてくれます。
③ 黄色い枠の右側に「太陽のようなマーク」が出ていることを確認したら…
④ 画面のどこでも良いので「上にスワイプ」すると「明るく」できます。
⑤ 反対に「下にスワイプ」すると「暗く」できます。
⑥ 画面に写る被写体をよく見ながら、指を上下にスワイプして、じっくりとお好みの明るさに仕上げてから撮ります。
※ 少し時間が経つと、決めた明るさが元に戻ってしまうことがあります。
その場合は、また①の手順からやり直しましょう。
① 被写体にカメラを向け、なんとなく構図が決まったら、ピントを合わせたいところをタップします。
② タップしたところにマークが表示され、ピントと明るさを合わせてくれます。
③ 撮影画面に「明るさ調節スライダー」が出たら…
④ スライダーを「上にスワイプ」すると「明るく」できます。
(横位置で構えた時は「右にスワイプ」)
⑤ 反対に「下にスワイプ」すると「暗く」できます。
(横位置で構えた時は「左にスワイプ」)
⑥ 画面に写る被写体をよく見ながら、じっくりとお好みの明るさに仕上げてから撮ります。
※ Androidは機種の違いによって、画面や操作が異なりますが、大体どの機種も「太陽みたいなマーク()」や「()マーク」が目印で、それが出たら上下か左右にスワイプすれば、明るさを変えられると思います。
カメラで露出補正する場合
暗い?明るい?写真の明るさは『露出補正』で簡単・自在にコントロールできます。
離れてズームでカタチをキレイに
近付いて撮ると、モノの形が歪んだり、手前のものがやけに大きく、後ろのものがやけに小さく・遠くに写ったりします。
反対に、離れて撮ると、それらのバランスが整って、上手な人が撮ったような写真が出来上がります。
スマホで撮るなら2xや3xで、カメラなら50mmや80mmくらい(フルサイズ換算)で撮ってみましょう。
離れて撮ることに慣れていない方は、先にズームアップしてからカメラを向ければ、上手く離れて撮れます。
詳しくはこちら↓
ボカしたければ水平アングル
背景ボケは、被写体の後ろの遠くに隠れています。
被写体と遠くの後ろを一緒に写すには、なるべく水平に近いアングルで撮れば簡単です。
料理はお皿の上のものを写すので、どうしても 上めから撮ることが多いですが、気持ち低めに構えて撮れば、オートでもちゃんと背景がボケます。
詳しくはこちら↓
ボカすコツは水平アングル!スマホでもオートでもボケちゃう、簡単キレイな背景ボケ・前ボケの撮り方
撮った後のおすすめ編集
デジタルカメラは撮った後の編集がとても簡単です。
最初は、写真の暗い部分だけを明るくできる シャドウ補正を覚えておくと、料理だけではなく、色んな場面で役に立ちますのでおすすめです。
写真の暗い影の部分を少し明るく補正すると、ふんわり優しい雰囲気の写真が出来上がります。
詳しくはこちら↓
スマホでも簡単!撮った写真が暗いなら、 暗い部分だけを明るくできる シャドウコントロール で失敗写真も蘇る!?
イメトレが大事!
こういう写真を撮りたい! という明確なイメージが頭の中にあると、具体的に何をどう真似すれば良いか? がはっきりします。
光の向きは?
日向で?日陰で?
写る明るさは?
構図は?
レンズは何mmで?
などなど、頭の中はハウツーの文字ではなく、撮りたいイメージでいっぱいにしましょう。
それには、素敵な写真を沢山見ることが大事です。
自宅で良い感じに撮れるポジションを見つけたら、しばらく同じ場所で撮ってみましょう。
窓の方角にもよりますが、天気や時間、季節で写りは変わりますので、「こういう光のときは こういう写りに」という大事な経験値が積み上がります。
そして、その場所に撮影台を置いたり、背景に写るものを変えたりと、簡単なスタジオにするのも楽しいと思います。
最後に、撮る場所を変えると写りが変わっていく様子を、ノーカットで録画してみましたので、よろしければご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。