7 明るいレンズは良いレンズ? | レンズの使い方

いちばんはじめに知っておきたい『レンズのキホン』を7つご紹介しています。

7つ目は「明るいレンズ 」についてです。

明るいレンズとは?

『明るいレンズ』というのは…
『光を
たくさん取り込むことができるレンズ』です。

f18

レンズの『光を取り込む能力』は、『解放F値』でチェックできます。

開放F値が『F2.8』より小さいレンズ(F1.4、F2.0など) =『明るいレンズ』
開放F値が『F4』より大きいレンズ(F5.6、F6.3など) =『暗めなレンズ』

だいたいこのように分けられます。

『光を取り込む能力』と言っても分かりにくいので…

明るいレンズ = 大きな窓
暗めなレンズ = 小さな窓
と、お部屋の窓をイメージするといいと思います。
当然、窓が大きい方が光は多く入り、部屋は明るくなります。

『単焦点レンズ』は、構造が比較的シンプルなので『明るい』レンズが多いです。
『明るい単焦点レンズ』は撮りやすく、値段もお手頃なものもありますのでオススメです!

『望遠レンズ』や『ズームレンズ』では、いろいろな制約も多く、どうしても『暗め』になってしまいます。
カメラとセットになっている望遠ズームの解放F値は、だいたい『F5.6』位で『暗め』です。
『明るい望遠ズーム』というと、いわゆる高級レンズのシリーズになり、お値段も重さもなかなかになります。

開放F値をチェックしてみましょう

では、皆さんのお持ちのレンズの『開放F値』をチェックしてみましょう。
レンズのどこかに書いてありますよ!

開放F値

①のレンズは『17mmのF1.8』という単焦点レンズです。
開放F値は『F1.8』です。

②のレンズは『14−42mmのF3.5−F5.6』というズームレンズです。
開放F値は『14mmの時はF3.5』、『42mmの時はF5.6』になります。

③のレンズは『12−40mmのF2.8』というズームレンズです。
開放F値は『14mmの時も40mmの時もF2.8で変わらない』レンズです。

ズームレンズは、②のように『ワイド側と望遠側で開放F値が異なる』レンズが多いですが、グレードの高いレンズでは、③のように『開放F値が変わらない』のものもあります。

「このズーム、ニッパチ通しですよ!」
なんてお店の方に言われた場合は…③のようなレンズのことです。

写真が暗いのは、レンズが暗いから?

一眼レフの光学ファインダーで覗く場合は、明るいレンズを付けるとファインダーも明るく見えます。
特に薄暗くなってきた時や、室内での撮影では見やすくなりますね!

一方、ミラーレス(一眼)の場合は、明るいレンズに変えても、電子ファインダーやモニターの明るさは変わりません。
これは『見えている明るさ』が、常に『(ほぼ)写る明るさ』に調整されているからです。

「明るいレンズを買ったら、明るく撮れるんでしょ?」
このように聞かれることがありますが、これは実は正しくありません。

暗いレンズでも『露出補正をプラスに補正』すれば、いくらでも明るく撮ることができるからです。

「でも明るいレンズはいいレンズなんでしょ?」
これは世間でもよく言われていますし、正しいと思います。

明るいレンズはいいレンズ!

「暗いレンズでも露出補正でプラスに補正すれば、いくらでも明るく撮れる」と言いましたが…

『プラスに補正』した時、カメラは次の3つの『手』で写真を『明るく』してくれます。
① F値を小さく
② シャッター速度を遅く
③ ISO感度を高く

ただ、②の『シャッター速度を遅く』するとどうなるでしょうか?
そうです! 遅くしすぎると、手ブレ(カメラブレ)の失敗が起きやすくなります。

③の『ISO感度を高く』するとどうなるでしょうか?
そうです! ISO感度は上がれば上がるほど、写真にノイズが増えたり、立体感が失われたりと画質が悪くなります。

①で『F値を小さく』出来るレンズほど、②や③に『手』を出さなくても『明るく』できるということです。
『手』を出したとしても『ちょっと』で済むかもしれません。

レンズが明るいほど…
暗いレンズより、速いシャッター速度で撮れる。
暗いレンズより、低いISO感度で撮れる。
ということなんですね!
だんだん『いいレンズ』に思えてきましたか?(笑)

写真は光がないと撮れません…
光が多ければ多いほど、撮影の自由度が高く、キレイにイメージ通りに撮れます。

光が少なくなるにつれて、画質が悪くなったり…「こう撮りたいのに出来ない!」などの『限界』が迫ってきます。
『窓の大きい(明るい)レンズ』で、少しでも多く光を取り込めば、その『限界』が来るのをちょっと遅らせることができるんです。

これが『明るいレンズはいいレンズ』の理由です。

さらに、F値が小さいほどボケの量が多くなりますから、良いことずくめです。

『F1.4の明るいレンズ』と『手ブレ補正機能』で、手持ちのまま『夜のスナップ撮影』なんていうのも面白いですよ!

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普段の何気ない瞬間こそ、大事にキレイに撮ってほしい

FLOWERCAMERAは そんな想いではじめた小さな写真教室です。
皆さんが写真を楽しく撮れるように、お手伝いできたら嬉しいです。

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