「何となくザラついている」
「何となく硬い感じがする」
iPhoneで撮った写真がこのように感じる方は、もしかしたら48MP設定にして撮った方が良いかもしれません。
iPhoneのメインカメラが4800万画素になったのは、2022年に発売されたiPhone 14 Proからで、「記録画素数」も12MP(24MP)と48MPから選べるようになりました。
12MP(24MP)と48MPの違いをChatGPTに説明してもらうと…
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■ 12(24MP)設定
高画素センサーの小さな画素をまとめて処理(ピクセルビニング)することで、暗部ノイズや色の階調を最適化(スマートHDR・Deep Fusionなど)、ファイルサイズも軽い。
■ 48MP設定
小さな画素をそのままフルで扱うことで、細部まで高精細に記録できるがファイルサイズが大きくなる。
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このように聞くと、多くの方が「取りあえず12(24MP)にしておけば良さそう」という選択になる(デフォルトだし)と思いますが、実際に撮り比べてみると…
①

②

このように、PCではもちろんですが、スマホの小さな画面で見ても分かるほど、写りが結構違います。
①はコントラストやシャープの処理が強すぎて、全体的にパサパサ・カサカサ、何となくゴチャついて見えるせいもあり、手前と奥の距離感も乏しい印象です。
②はその逆で、全体的に柔らかい雰囲気で奥行き感も自然、①ほどの見た目のパンチはないものの、実際の草むらの質感に近い丁寧な写りです。
答えはもうお分かりと思いますが…、24MPで撮った写真が①で、48MPで撮った写真が②となります。(いずれもiPhone 16・HEIF撮影・編集なし)


①の「無理やり解像した感じ」は、少し昔のスマホ写真っぽい気もします…
もちろんこれは好みの問題で、「24MPの方がカリッとしてカッコいい、48MPはちょっとねむい」と感じるかもですが、僕は自然の風景を撮るのが好きなのもあり、草木の細々とした描写がよりリアルな方が嬉しいです。
他にも料理やお花、友達や家族などなど、普段からiPhoneので撮った写真の「写りの硬さやザラツキが気になる」という方、「もっとナチュラルな感じに撮れないの?」という方は、48MP設定を試すのはアリだと思います。
48MPで撮る設定
48MPで撮るには、まず設定を有効にする必要があります。
設定を開いたら、下の検索窓に「解像度」と入力します。

候補に出てくる「Pro Rawと解像度コントロール」とタップし、続けて「解像度コントロール」のスイッチを有効(緑)にします。

→

24MPで撮るか?48MPで撮るか?は、カメラの撮影画面上で選択します。

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実はこの状態だと、次にカメラを起動する際に(デフォルトの)24MPに戻ってしまうので、併せて「設定の保持」で「解像度コントロール」をオンにしておくのがおすすめです。
設定を開いたら、下の検索窓に「保持」と入力します。

候補に出てくる「設定を保持」をタップし、続けて「解像度コントロール」を有効(緑)にします。

→

これで、次にカメラを開いたとき、最後に選んだ解像度(24MP or 48MP)のまま起動します。
ややこしい「設定の保持」の他の項目に関してはこちらもご参考下さい。
分かりにくいけど結構大事!「設定を保持」で iPhoneのカメラを使いやすくカスタマイズ
ちなみに iPhone 14 Proが出て暫くは、48MPはRAW専用モードでしたが、今はHEIFやJPEGもOKになり使いやすくなりました。
個人的にはiPhone 16から新しくなった「フォトグラフスタイル」との相性を考えて、48MPのHEIFで撮っています。
どうして写りが異なるか?
この写りの違いに関して、Appleの説明は特にありませんが、先にChatGPTが説明してくれた、スマートHDR・Deep Fusionなどの「写りを最適化する画像処理」の強弱が大きく影響している様に思われます。
デフォルトの12や24MP設定だと、iPhoneの画像処理がフルに働き、輪郭を強調し、コントラストやシャープ処理で写真を過度に磨き上げてしまうような気がします。
昔の非力なセンサーの場合はそれが重要でしたが、ハードの性能が相当に向上した今、そこまでゴリゴリに処理をしなくても、実はキレイに画が出来上がっているといった感じでしょうか。
48MP設定で撮ると、どちらかと言うとRAW撮影に近いような、iPhoneの画像処理が少なめで済むようなロジックで写真が出てくるように思います。
これはiPhone 14 Proの頃からずっと変わらない印象です。
ちなみに、48MPでも2倍以上で撮るときは強制的にデフォルトの画像処理が掛かりますが、これを回避するには、先に2倍で構図を決めて、撮る直前に1倍に戻して撮影、後で自分でトリミングすればOKです。
面倒っちゃ面倒ですが、構図の調整も出来ますし、3倍位までならこの方がキレイに撮れる気がします。
48MPのデメリット
48MP設定で撮る場合、よく言われるデメリットは以下の2つです。
ファイルサイズが大きくなる?
記録される「点の数」が増えるので、当然ファイルサイズは大きくなります。
最初の写真の例だと…
24MP→8MB→
48MP→16.3MBただ、48MPをRAWでしか撮れなかった昔は、1枚80MB超え(笑)も当たり前だったので、それに比べれば個人的には全然許容範囲です。
解像感は上がるが、暗部ノイズや発色具合が犠牲になる?
普通に考えれば、小さな画素で撮るほど、暗いシーンのディテールや色の豊かさはマイナスになるはずです。
ChatGPTに聞いてみても…
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(48MPより)24MP設定の方が、暗い部分や色のなめらかさは有利 です。
理由は、iPhoneが
「複数の画素を合成して仕上げる処理(スマートHDR・Deep Fusion など)」
を24MPで最も最適に働かせるよう設計しているため。
48MPは細かさは上がるけれど、合成処理の余裕が減るので、
暗い部分のきれいさや色の滑らかさでは24MPのほうが安定します。
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という回答です。
ただ実際に撮ってみると…
24MP

48MP

コントラスト強めでカチッと写る24MPと、線が細く描写がすっきり丁寧な48MP、手前のシャドウの出方も含めて個人的には48MPの方が好みです。
他にも色々と撮ってみた結果では、暗部のノイズやディテール、色の出方に関して、48MPで極端に悪くなるような印象はありません。(むしろ逆)
というワケで、いちいち変えるのがめんどくさいので、明るいシーンも暗いシーンも、僕は常に48MPのまま撮っています。
さて今回は、iPhoneのカメラで24MPと48MPの写りの違いをご紹介しました。
単に画素数が変わるだけではなく、写りの印象も大きく変わるので驚きです。
ちなみに僕もそうでしたが、期待して4800万画素のiPhoneを買ったのに、写りが殆ど変わってなくてガッカリ…という方って意外と多いとお聞きします。
それはAppleの写真の味付けがあまり変わってないせいで、それを最小限に抑えられる48MP設定で撮れば、結構(かなり?)違う印象になるはずです。
24MP

48MP

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。