フォーカスエリアの設定とは?基本は『真ん中1点』に

難しいこと、めんどくさいことはなるべくカメラに任せて…
楽しく!でもしっかりキレイに撮る。
これがこの教室のモットーです。

ただ、絶対にカメラに”任せてはいけないところ”もあります!

今回のお話、『フォーカスエリア』の設定も、”任せてはいけないところ”の1つです。

どこにピントを合わせるか?
これをカメラに任せるワケにはいきませんよね!

皆さんがどこにピントを合わせて欲しいか?カメラは分かりません。

皆さんの意思をしっかり伝えないと…
カメラはどこにピントを合わせて良いのか?分からないんです。

ただ、それでもピピっとピントは合います。
どこに合うかというと、カメラが勝手に選んだ被写体に合うんです。

奥様と知らない女性が並んで立っていた場合、知らない女性にピントが合うかも知れません。

これでは危険すぎます。

『AFポイント』の数と位置で『どこ』を指示!

どこにピントを合わせて欲しいか?
それは『AFポイント』の数と位置で細かく指示ができます。

AFポイントの数を決める

最近のカメラは多点AFが主流です。
特にミラーレスは、117点AFとか65点AFなど、恐ろしいほどの多さです。

僕が昔使っていたカメラは、真ん中と左右の3点AFでした。(笑)

『AFポイント』を何点使うか?
これ決めるときは、次の選択肢からチョイスします。

A|全点使う =『自動選択・オート・オール』など

B|グループで数点使う =『グループ・ゾーン』など

C|1点だけ使う =『シングル・1点』など

「せっかく117点もあるんだから、全部使わないともったいない!」
人間なら誰しもこう思うと思います…

でも!普段使いのオススメは、C の『1点だけ使う』なんです。

「えー」という声が聞こえそうですが…(笑)

A の『全点使う』を選ぶと、どこに合わせるか?がカメラ任せになります。

これでは冒頭でお話した通りの”良くない状態”です。
画面の中に被写体が1つだけの単純な構図ならまだ良いですが、複数の被写体が混在する場合、カメラはどこにピントを合わせて良いか迷ってしまいます。
(一番手前の被写体が優先されることが多いです。)

C の『1点』を選ぶと、カメラはその『1点』だけ、ピンポイントでピントを合わせてくれます。
他の116点には見向きもしません。

皆さんが「ここ!」と指示したいなら『1点』を選ぶのが正解です。

ちなみに、Bの『グループ』を選べば、「この辺!」という指示ができます。

AFポイントの位置を決める

次に大事なのは、その『1点』がどこか?です。

117個の点の中から、いちばんオススメの1点はどこ?と聞かれたら…
それは『ど真ん中』です。

オートフォーカスの設定は…
フォーカスモードは『シングル・ワンショット』に。
フォーカスエリアは『ど真ん中の1点』に。
これが基本の基本です。

一眼レフの場合『ど真ん中の1点』が、他のAFポイントよりもピント精度が高いこともあります。

真ん中があれば、僕の3点AFのカメラでも全く問題なかったワケです。

『ど真ん中の1点』に設定してみましょう!

では、オートフォーカス設定の基本、『ど真ん中の1点AF』に設定してみましょう。

設定名はメーカーごとに違いますので、下の表をご参考ください。

フォーカスエリア

ボタン操作が少し多めですが大丈夫でしょうか?

これで、常に『ど真ん中』にピントを合わせてくれる、シンプルなカメラの出来上がりです。

皆さんの意思をしっかり伝えて初めて、優秀なオートフォーカスが本領を発揮します。

電話サポートで聞く場合は…
オートフォーカスを『真ん中1点』でAFロックできるように設定にしたい。
このように聞いてくださいね!

いつも真ん中!しっかりピント合わせ!

では、何か被写体を見つけて撮ってみましょう。

画面の真ん中に被写体を入れてシャッターボタンを半押しします。
ピピっとすぐ合いますよね?

もうピントが右に合ったり、左に合ったり、あちこち動きません。
常に真ん中です。

被写体が真ん中じゃないときは?

もちろん、被写体がいつも真ん中にあるとは限りません。
もし、被写体を右に寄せて撮りたいときはこうします。

1|まずは被写体を画面の真ん中に入れます。

2|シャッターボタンを半押ししてピントを合わせます。

3|人差し指を離さず、AFロックをキープしながら、カメラをゆっくり左に動かします。
(このときカメラと被写体との前後の距離が変わるとピントがボケます。)

4|構図が決まったら、そのまま全押しして撮ります。

文章で書くとややこしく見えますが、難しいことはありません。
指が覚えるまで練習すれば、ピントも構図も自由自在です!

↓ピント合わせの基本の”き”は、こちらで詳しくご紹介しています。↓

ピンボケの失敗は、ピントをカメラ任せにしているせい!?|写真の4大失敗

フォーカスエリアを変えるときはどんなとき?

普段の撮影なら『ど真ん中の1点』がいちばんです。

ただ、動く被写体のピントを追いかけるときは『グループ・ゾーン』がオススメです。

「1点でも追いかけられる!」という方は変えなくても大丈夫です(笑)

また、画面の中に被写体が1つだけなど、背景がスッキリしていれば、『全点』を選んで完全にカメラ任せにするのもアリです。
このとき初めて、117個の点が威力を発揮します。

動きモノの撮影では、フォーカスモードの設定も『コンティニュアス』に切り替えます。

点で合わせるか?面で合わせるか?

オートフォーカスのコツは…
動かない被写体は『点』で合わせる。
動く被写体は『面』で合わせる。

こんなイメージを頭に入れておくと、合わせやすくなると思います。

動きモノの撮影が終わったら、元の『ど真ん中1点』に戻しておきましょう。

AFポイントの大きさはほどほどに。

ミラーレスなら、AFポイントの大きさを自由に変えられます。
厳密なピント合わせをしたい方には、至れり尽くせりのミラーレスです。

ただ、『厳密に!』という気持ちが強くなりすぎて、AFポイントを小さくしすぎると、逆に合わせにくくなってしまいます。

自分も動かない!被写体も動かない!
こんな場合は問題ありませんが…

外で撮れば風が吹きます。
お花も揺れます。
友達も揺れます。

自分の手も揺れます。
望遠レンズならさらに揺れます。

こんな状態で最小サイズのAFポイントで頑張ってもなかなか合わせられませんし、1枚撮るだけでどっと疲れます。

AFポイントの大きさはデフォルトのままがオススメです。

ひとまずそのまま撮ってみて、やっぱり「大きすぎるな」と思ったら少し小さく…
逆に「小さすぎて合わせにくい」と思ったら大きく…
あまりこだわらなくても大丈夫です!

フォーカスエリアの設定のまとめです
普段使いは『ど真ん中の1点』でAFロック。
動きモノを撮るときは『グループ』に変えて、被写体に面で合わせる。
厳密なピント合わせのために、AFポイントを小さくしすぎると、逆に合わせにくくなるケースも。

お疲れ様でした!

Thank you for reading !!

普段の何気ない瞬間こそ、大事にキレイに撮ってほしい

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